草野球運営者にオススメの本 WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~
こんにちは!なかやです!!
大阪で草野球チームSoai(ソーアイ)を作って5年目になります。
今日は運営をするにあたって参考になった本を紹介させて頂きますね。
"『宇宙兄弟』の中にこんなセリフがある。
「We are lonely,but not alone.(我々は孤独だが、一人ではない)」
このセリフは、宇宙で一人漂う宇宙飛行士が発するものだ。しかし、たくさんの人間に囲まれていても、lonelyにはなる。どうすれば、not aloneになれるのか、コミュニティについて考えながら、探りたいと思う。" ―佐渡島庸平 【本書「はじめに」から引用】
作者の佐渡島庸平さんは『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』などを手がけた編集者です。
この本の感想と運営において参考になった点を実体験に基づいてお伝えできればと思います。
1. インターネット以前のコミュニティ(少年野球)
"コミュニティについて考えるとき、この二つがキーワードになる。安心と不安、自由と義務ではなく、安心と自由だ。人間はこの二つを欲しがる。できれば同時に。しかし、この二つは決して同時には手に入れられなかった。安心を得ようとすると、自由が失われるし、自由を得ようとすると安心を失う。” 出典:本書p.14
僕は1991年生まれの30歳です。
僕が小学生の頃はまだインターネットが普及し始めた頃で、現代の様にSNSで色々な人と繋がるようなことはありませんでした。
その時代のコミュニティで大事だったことは「周りに合わせること」であり、自分に合わないと感じていても、他のコミュニティに属するという選択肢が無かった時代でした。
当時僕が所属していた少年野球チームの監督は、いわゆる戦後教育の様な指導方法だったので、ミスをすればビンタやキックをするようなスタイルでした。笑
そういう指導方法が合う選手や、生まれつきの天才選手はその中でもどんどん成長していました。
ただ、僕みたいに「体が小さく、理屈から教えて欲しい選手」には苦痛に感じることが多いチーム(コミュニティ)でした。
当時、よく練習に行くのが嫌になって「雨よ降れ!!」と願っていましたが、今考えると練習が嫌いなのではなく、チームが自分に合わないと感じていたのかもしれません。
よってインターネット以前の時代では、「コミュニティの安心と自由」は合う人にはあったけれど、合わない人には無いと言う状態でした。
2. 「安心・安全」のコミュティとは?
僕がチームを作った時は従来通り、友達の繋がりでメンバーを集めました。
そのように集まった初期メンバーは現在半分ほどになりました。
これは20代チームにはよくあることで、結婚や転職などの個人の人生の動きがある時期なので仕方のないことです。
仕方ないんですが、僕はチームを長期的に運営していきたいと考えているので、あまりメンバーが抜けたり入ったりするチーム作りはしたくありませんでした。
ここで僕はもう一度本書を読み直しました。
安全・安心をキーワードに世の中を再度観察すると、全く違う世界が見えてきた。誰にとっても安全・安心は同じものだと捉えていたが、人によって何を安全・安心と考えるかは随分違うというのが一番初めての気づきだ。引用:P.158
例えば、甲子園を目指そうとしている野球部にとって、野球を遊びでやりたいから練習時間を減らそうと強く主張する人が入ってくると、安全・安心が脅かされる。一方、野球は遊びでいいと思っている野球部に、甲子園を目指さずに野球をやる意味はないと強く主張する人が入ってくると、その場合も同じく、安全・安心が脅かされる。引用:P.158
この文を読んだ時に、僕はチーム設計の問題点に気づきました。
「運営者の不安を解消するルール作りをしてしまっている」
僕の「安全・安心」の価値観をみんなに押し付けてしまっている。
この中で語られていることが最たるもので、僕は草野球の問題点を「継続した活動にかかるコストが高いこと」として、”草野球チームで起業し自分たちで活動費を稼ぐ!!”というとんでもない構想をぶち上げました。
このことで僕はメンバーを安心させたかったのです。
「お金のこと考えてくれてるなぁ」と思って欲しかったのです。
でも実際にはメンバーが一気に辞めてしまうきっかけになってしまいました。
問題点は「そこ」じゃなかったんですね。激しく反省しました。
それからは「今いるメンバーにとって『安心・安全』のチーム設計をしていこう」という考え方に切り替えていきました。
そして僕とキャプテン本村と話し合って出た結論が、「みんな普通に野球したいだけじゃない?だとしたら『毎週活動してます』って言うだけでチームに入ってくれる人増えるんちゃうん。」ということでした。
これが大当たりで、この方針に切り替えてから参加率も一気に上がりました。
運営者は余計なことを考えがちです。笑
チームに入ってくれる人たちは、「野球がしたい」が1番の理由です。
毎週活動していることが1番の「安心・安全」なのです。
3. インターネットが変えた草野球の在り方
熱狂→拡大→熱狂を繰り返すと、どこかで破綻する。そうではなくて、安全・安心の確保→熱狂→拡大→安全・安心の確保を繰り返すのが重要だ。引用:P.165
「毎週活動をする」という安全・安心の確保をしながら、次に行ったことがSNS使ったメンバー募集でした。
今まで友達や知人の紹介などでしかメンバー募集を行ってなかったので、正直SNSでの募集には「どういう人が来るんやろう」と不安でした。
が、全くの杞憂に終わりました。
その辺の友達よりも丁寧な文章で応募してきてくださる方や、自身の野球歴・持っているグローブの数まで教えてくれる方まで、リアルで会うよりも文章から人間味を感じました。
実際に会ってみてもその印象を変わらずにコミュニケーションを取れたことに驚きました。
これがインターネットによる、「草野球リクルート革命」です。
昔:知り合いや友人に誘われてチームに入る。1回入ると辞めづらい。
現代:色々なチームの状況をSNSで情報収集し、自分に合うチームを自分で選んで応募する。合わなければ他のチームを探す。
4. 草野球は現代人の孤独を癒す最高のコミュニティだ
この本のタイトルにもある「We are lonely,but not alone.(我々は孤独だが、一人ではない)」は宇宙兄弟の中であるセリフ。らしいです。(すいません、宇宙兄弟は未読ですm(__)m)
宇宙飛行士が感じるこの孤独感は、地球に住んでる現代人にも感じる感覚だと思います。
今までは嫌でも何らかのコミュニティに属していたし、属しているだけで得られる安心感もありました。
しかし自分で選択できる時代になってしまって、うまく使いこなしている人もいれば、勇気が出ずに今のコミュニティに甘んじている人もいると思います。
僕は草野球チームという”趣味のコミュニティ”を運営していて感じることは、「集まるだけで癒される」という感覚です。
毎週日曜日、みんなで野球をする。
ただそれだけのことなんですけど、僕は癒されています。笑
他のメンバーはどう思ってくれているんだろう。
「居場所がある」ということが僕にとっての「安心・安全」の基準なのかもしれません。
「居場所を作る」ことも運営者にとって大事なことなのかもしれませんね。今書きながら気づきました。
まとめ
いかがでしたか。
たかが草野球チームですが、僕はこういうコミュニティを作れたことを誇りに思っています。
今、草野球チームの運営をされている方もこれから作ろうとされている方も、本当に素敵な志を持っている方々だと思います。
その強い想いが無いと何も始まらないので、孤独なポジションだと思いますが決して1人では無いので一緒に楽しく運営していきましょう!!
良かったら本も読んでみてください!!
普段読まない方でも読みやすいと思います!!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!