初めての一人暮らしと驚きの結末
これは私が実家を出て初めて一人暮らしをした時の話
私には年の離れた弟がいる
その弟が高校を卒業する頃までは一人暮らしはせずに実家にいる事にした
というのも私が家にいる事で生活費として家にお金を入れていて、ウチは貧乏だったのでそれが少なからず家計の助けになっていたのだ
さらに弟の事で送り迎え等があった際には私が行っていた
私が実家を出ないことで家族の助けになっているのならばまだ一人暮らしは我慢だと思っていたのだ
そんなこんなで弟が高校3年になり就職先が決まった
そこでついにひとり暮らしを決意
まずはアパート探しだ
職場に通える範囲の地域に絞ってネットで検索
いくつか見つけて内見を申し込む
1つ目のアパートを見に行った
築浅の広めの1DKで一人暮らしには十分
軽量鉄骨で防音も良くとても綺麗だ
気になる家賃はなんと3.8万円!
しかも駐車場2台込み!
もうココで決まりだろ!
っと思ったが逆に不安になる
何故こんなに安いのだろう?
私は地方の田舎住み
確かに家賃相場はかなり安い
だが、周りの物件に比べても安すぎる気がする…
仲介のスタッフに聞いてみた、すると
「実はこのアパートはいずれ取り壊しになるので特別価格になっているんですよ…」
との事だ、詳しく聞いたらどうやら国の事業で新しい道が出来るらしくその区画整備に引っかかっているとかでこのアパートはいずれ取り壊しになりその際にはココを引っ越さないといけないらしい
問題はそれがいつなのかまだ分からないという事だ
そのスタッフの言い方だと
「5年先か10年先か…まだわかりませんが…」
といった感じ…
(うーん…この言い方だと少なくとも1~2年は住めそうだな…それならこのアパートに住んでみたい!)
そう思いこのアパートに決めた
まさかの1件目で決定!
そこからは家具家電を買い揃え引越し作業を終えどうにかこうにか住める形にはなった
それから半年程経ち
一人暮らしにもだいぶ慣れてきた頃
ポストに1枚の紙が入っていた
「立ち退きのお願い
ご存知の通りこのアパートは取り壊しになります。
つきましては○年○月○日までに立ち退きをお願い致します。」
まさに寝耳に水!!
最初に思ったのは
「やられた!!」だった
しかしよくよく考えると仲介のスタッフは断言していないにも関わらず言い方に惑わされ私が勝手に数年は大丈夫だと思い込んでしまったのだ
そう自己責任である
とりあえずその後の流れを確認する
まずは業者が家具家財を見に来て査定
↓
引越し諸費用や補償金を算出
↓
同意書等の書類作成
↓
期日までに引越し立ち退き完了を確認
↓
補償金等が振り込まれる
といった流れだった。
きちんとした対応をとれば金銭的な自己負担は無くむしろ補償金としていくらかお金が貰えるようだ
荷造りや引越しの手配はかなり身体的精神的負担にはなるが…
そこに対しての補償金なのだろう
となったら未練がましく駄々をこねていても仕方ない!
と次のアパートを探し
このアパートから数百メートル程しか離れていない所に良さそうな物件を見つけそこに決めた
電気、ガス、水道、ネット等、ライフラインの手配はもう完璧だ
自分でも驚くほどスムーズに事が運べた
そして予定期日までにしっかり引越しを終え
立ち退きを完了させた
その後2週間後にお金が振り込まれた
その額約80万円
正直驚いた
確かに数年は住めると思って契約したアパートに
たったの9ヶ月しか住めなかったのは残念だし
突然引っ越す事になりてんやわんやの大騒ぎだった
しかし、いざ落ち着いてしまえばなんてことは無い
実際に引越しにかかった諸費用も20万円位だった事もあり
こんなに貰って良いのかと思った程だ
こんな事言うのも不謹慎だが
なんか得した気分だ
(私はつくづく現金なヤツだなぁと自分でも思う)
後日アパートの管理会社から電話がありお礼を言われた
どうやら管理会社は例の紙を1枚、ポストに入れその後なんの説明も無かった事で他の住人達は激おこプンプンになってしまった
結果、管理会社へはクレームが殺到
中には家賃を払わないと言ってきたり
アパートに大量のゴミを残して勝手に去っていく人が居たそうだ
(まぁ管理会社の説明不足が原因で起きたことなので自業自得だが…)
そんな中で私は自ら関係会社に連絡をして立ち退きの手続きを進めてきちんと退去したことでしっかりと補償金も貰えたわけだ
おそらく駄々を捏ねた人や勝手に退去した人はきちんとした手続きを済ませていない
当然、補償金など1円も貰っていないのだろう
しかしアパートの取り壊しは決定事項なので嫌でも引越しはしなければならない(自己負担で)
確かに私も最初は憤っていた
なんの説明もないのかよ!って
文句のひとつも言ってやりたかった
しかし誰に文句を言えばよいのだ?
大家さんか?内見の時のスタッフか?
管理会社の代表か?国の事業の担当者か?
正直わからない
それに文句言ったところで住み続けられる訳でもない
ならばさっさと片付けて落ち着いてしまった方が楽ではないか
と考えた訳だ
我ながら実に合理的な思考回路が働いたと思う
(最初は激おこプンプンだったヤツが何を言う笑)
最後に
今回の話で何を伝えたいのかと言うと
人生には時として理不尽な事は必ず起こるもので
そんな時に感情的に行動するよりも
合理的に行動する方が後々良い方へ行くという事だ
まぁ結果論に過ぎないが
私自身の体験談で
まさに身をもって学んだ事を
誰かに聞いて欲しかったのだと思う
こんな独り言のようなnoteを
最後まで読んでくれて本当にありがとう
あなたの人生がより良い方へ進みますように