この闇と光(レビュー/読書感想文)
この闇と光(服部まゆみ)
偏愛ミステリ投票という企画をネットで目にしたところ、ランキング中に未読の作品が3作ありましたのでさっそく購入したうちの1冊です。
偏愛ミステリ投票とは、各種ミステリランキングにはランクインしていないものの一部で熱狂的評価を得ているミステリ作品を対象にした投票企画だそうです。
98年の作だそうですが、いや、これは傑作です。
著者の服部まゆみさんは存じてましたが、認識していた作品は「一八八八 切り裂きジャック」のみでなおかつ未読でした。本作のことは認識もしていませんでした。現在の知名度が決して高いとは思えず、確かに埋もれさせておくには惜しい作品だと思いました。
ある程度ミステリを読み慣れた読者であれば、あらすじを読んだ段階で、大枠で☓☓トリックが仕掛けられていると察しをつけて読み始めると思います。私もそうでしたが、そのうえで、驚かされたのだからこれはもう脱帽です。
最近のミステリ界隈での☓☓トリックものの多さには正直私は食傷気味なのですが(どうせまたこのパターンでしょ的な)、しかしながら本作は98年の作品なのです。今読んでも全く色褪せておらず、素晴らしいとしか言えません。
あれもあれも誤認させられていたとは!
すこしでも興味お持ちのかたは、是非、予備知識無しで読んでください。
ページもそれほど多くないので一気読み必至です。文章も美しく、発表当時、直木賞候補になったというのも納得です。
本当にオススメです!
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