【社会人3年目から見た】事業会社で必要なマーケティングスキルセット
こんにちは!事業会社でマーケティングをしているOLまっぴです。
今回は新卒で事業系ベンチャーに入り、体系立った知識の身に付きづらい環境で日々もがく私が、2年半働いてみて感じる「事業会社で必要なマーケティングスキル」をまとめました。
※前提※
・各社取り扱う商材カテゴリやビジネスモデルによって変わります。
・プロダクトの開発には携わった経験がなく、プロモーション担当のためHow寄りです。
・若手(入社1〜5年目)までの方や、その年次のメンバーをマネジメントされる方々の参考になればと思っております。
・全網羅かつ完全版ではなく、アップデートしていく予定です。
※詰め込みに詰め込みましたので長めですが、目次でご自身にとって必要な箇所のみ閲覧していただければ幸いです。
マーケティングスキルマップとは?
マーケティングスキルマップとは、「マーケターとしてキャリアを歩んでいくあたり、最高のアウトプットを出すために必要なスキルセットを全網羅し可視化したもの」です。
私が作成したマーケティングスキルマップは、SNSマーケティングの支援会社「ホットリンク」のムロヤさんが2018年に作成されている「マーケティングスキルマップver.2」をベースに、より事業会社・若手の目線で変化を加えたものです。
ムロヤさんのもので充分すぎるくらいではあります!増やせばいいってもんでもないです。
ただ、事業会社の中にいて各施策を講じていくにあたり必要な基礎スキルと、より事業のマーケティング全体を見る視座に行こうと思った時に意外と必要なスキルを忘れないようにしたいと思って、個人の整理・備忘録として要素の追加を行いました。
まだ、ペーペーなので誤りもあるかもしれません。皆さんのフィードバック、アドバイスで訂正・ブラッシュアップしていけるとありがたいです。何卒よろしくお願いします!
こんな方の目に止まって欲しい!
以下のような方の参考になれば嬉しいです。
■事業会社側
・やっていることが幅広すぎて、スキルとしてどこまで身についているのか曖昧に感じている方
・専門性がなくキャリアに不安を抱えている方
・支援会社への転職を考えている方
・マーケティング組織としてメンバーのスキルセットを整理したいマネジメントレイヤーの方
■支援会社側
・事業会社への転職を考えている方
・事業会社(クライアント)の知識レベルや視座がわかりづらく、コミュニケーションに困っている方
・担当領域が狭く深くのプロ寄りでキャリアに迷っていらっしゃる方
■その他
・未経験でマーケティング職に就職、転職したい方
マーケティングスキルマップを知ったきっかけ
私がムロヤさんのマーケティングスキルマップを知ったのは、約1年半前の2020年3月頃でした。当時の上長が1on1の時に教えてもらったのがきっかけです。
その際にマップを以下の4段階に分けてみてと言われました。
❶もう一人でできると思うスキル
❷少しサポートがあればできると思うスキル
❸今後自分が強化していきたいスキル
❹現在勉強中のスキル
当時新卒1年目が終わろうとしていましたが、そうやって分けてみると想像以上に❶の一人でできるに達しているものが少なくショックだった記憶があります。❷だらけでした。これがマーケティングのスキル全部かと思うと、途方もない道のりに感じて開いた口が塞がらなかったです。
上長はメンバーにこれを使わせることで、
・自分の現在位置(できること・強み・弱み)
・今後築いていきたいキャリア
・目標のキャリアを実現するために足りないもの
を知って欲しかったのだと思います。
正直このマップだけで、キャリアを描くのは難しいです。自分の進みたい方向は決まっていて、そのためにどうするかを考えるのには役に立つと思います。
事業会社用にアレンジした箇所
ここからはムロヤさんの「マーケティングスキルマップver.2」からどこを追加改修したのかをご説明していきたいと思います。以下の画像で、赤枠で囲っている箇所が主に今回追加した要素です(軽微修正は割愛します)。
赤枠以外の箇所については、ムロヤさんのホームページをご覧ください!
1.「マネジメント」を追加
事業ベンチャーにいると、ある一つの事業の集客領域まるっと任せられたり、分けてもデジタルかオフラインか、新規か既存のお客様のサポートかくらいの大きな枠組みでのミッションが多いです。狭く深くどこかの領域に特化をみることがほぼないので、マネジメントは重要なスキルです。
そして、今の私が足りていないと思う部分でもあります。現状関係者は複数いるものの自分で決めて動くことが多いです。ただ今後後輩に一部を任せて進めていくことを思うと、他の人にもできるような仕組み化が足りていない、属人的だと反省しています。
また、自分のやっている業務が最終アウトプットで売上・利益に変わっていくので、それを念頭に置いて逆算した施策の設計や効果検証をしないといけません。ですのでファイナンスも必須です。
ここは自学と先輩の力を借りることを並行して、身につけていきたいと思います。
2.「フレームワーク」を追加
事業会社のマーケティング業務は、広告運用やクリエイティブ制作など広告以外にも多岐にわたります。
・そもそも今のサービス内容で、見せ方で、お客様に価値伝わっているんだっけ?
・レッドオーシャンになってきているが、今後どういう方向性で事業を進めていく?
など「そもそも論」や「今後の方向性」について頭を巡らせることがあります。
そういった際一助になるのが、フレームワークです。フレームワークに当てはめればいいということではないのですが、頭や議論を整理するため、関係者が共通認識をもてる状態にするために活用されることをオススメします。
フレームワークは使いながら習得するものだと思いますので、以下の「マーケティング思考力トレーニング」という書籍が最適かもしれません。マーケターの筋トレ「マーケティングトレース」を提唱されている黒澤友貴さんの書かれた本です。
3.「ブランディング」系スキルを追加
ブランドって目に見えないのに、人の意思決定を一番揺さぶっている気がします。人に認知されていないものは、購入前の検討にも入りません。そして、ほぼ同じ機能・値段のものがあったときに、最終ジャッジの段階で頭に浮かぶのは「これを買った時の自分ってどんな気持ちになれるのか」「他の人からどう見られるのか」という感覚的な要素です(まだこの領域は不勉強です)。
だからこそ、自社ブランドをどういったものとして世の中に発信していくのか、どうやって自社ブランドを守っていくのか、どうしたら純粋想起されるブランドになれるのかなど、「ブランド」についての前提知識は持っておくべきだなと感じます。ブランディングで有名な本だと「ブランディングの科学」がありますね!
4.「メディアプランニング」を追加
事業会社では広告以外のソリューションも統合的に見ていきます。広告運用以外に必要なコストも含めて、マーケティング予算をどのような施策・媒体に、どのくらい配分していくのが最も集客効果を最大化できそうかを考えていく「プランニング」が必須です。広告運用もPRも4マスも全て一括して代理店にお任せできるような規模の会社さんは少ないと思いますので、このスキルは持っておいたほうがよいです。かく言う私は、目下勉強中です。今は以下の「メディアプランニングナビゲーション」を読んでいます(2021年8月28日現在、Kindle Unlimited対象)。
5.「インフルエンサー」系スキルを追加
かつては芸能人だけが消費への影響力を及ぼしていましたが、最近では美容やガジェットなど得意分野を持って活躍されるインフルエンサー、ホリエモンや西野さんなどのビジネス系インフルエンサー、作家や学者さんなどの文化人系インフルエンサー、Youtuberなど一般の方(個人)が影響力を持てる時代になりました。
プラットフォーマー側もインフルエンサーを活用した収益導線を確立しようと、スパチャ(投げ銭)機能やライブコマース機能などの拡充に注力していますよね。
日本よりもインフルエンサーの活躍が凄まじいのが中国です。中国は政府の規制が厳しく、我々が日々楽しんでいるSNSや検索エンジンはほぼ使えません。そのため中国独自のマーケティング手法が発達しているようで、今最も熱いのがKOL(Key Opnion Leader)と呼ばれる中国版インフルエンサーです。KOLがライブコマースでモノを販売し、年収が1億元(2021年8月28日現在、1元が約16円なので日本円で16億円)と言うKOLもいるようです。
中国に向けて日本の商品をマーケティングをしている人に話を聞いた時は、日本の手法が何一つ使えないから難しいとおっしゃっていました。
個人の発信が容易になり、投げ銭など個人がダイレクト課金できるプラットフォームも整ってきた今、この中国と同じ波が日本にもやってくることは必然に思えます。このインフルエンサー領域は知っていて損はなさそうですね!注目です!
6.「コミュニティ活用」を追加
コミュニティマーケティング、ファンマーケティングなどと呼ばれる領域です。継続的にお客様と接点をもち、より深いコミュニケーションを取りながら関係性をより強固にしていくマーケティング手法です。お客様の生の声を拾いなが、企業活動に活用していき、結果としてお客様のロイヤリティが高まることを目指します。活用パターンとしては、以下のようなものが挙げられます。
・利用者の側だからこそ気づいた新たな使い方などをシェアするオンラインプラットフォームを作る
・商品のアイデアをお客様からもらう、商品開発テストの被験者としてお客様に入ってもらう
また、オンラインサロンはこのコミュニティマーケティングで成り立っている典型例ですね!
私は業務上まだ接点のない領域なので、気になった方は「コミュニティマーケティング」についてまとめた以下のサイトを参考にされてみてください。コミュニティマーケティングはB2C、B2B問わず活用されていますので、B2Bマーケティングに従事されている方も活用の可能性模索されてみてください。
7.「デザインツール」系を追加
コピーやデザインイメージまで自分の中で出来上がっているので、そのまま自分で作っちゃえ!という方には、デザインツールのスキルもあるとコントロールできる領域が広がりますね。
私もコピー、メッセージ、素材、配置、トンマナがほぼ整った状態で、デザイナーさんにラフを渡すことが多いです。これではやってもらうことがほぼ模写で、いっそ自分で作ってしまえたほうが楽じゃないかと思うことが多々あります。
ここからはオススメのデザインツールをご紹介していきたいと思います!
Adobe(有料)
・Illustrator
・Photoshop
・Premiere Pro
Youtubeで使い方を学びたい方は、以下のチャンネルがオススメです。
Adobeツール全般
Illustrator
Photoshop
Premiere Pro
Canva(無料でも利用可)
私のnoteの見出し画像は毎回Canvaで作っています!たまに会社のInstagramもCanvaで投稿画像作成します。無料の範疇で困ることはあまりないですが、素材ダウンロードし放題だったり、有料でしか使えないテンプレートがあったりしますので、有料プランもオススメです。月額料金も数千円であまり高くないので、スキルをつけることよりもアウトプットのスピードと安定したクオリティを求める方はCanvaで十分です。
Canvaの使い方をよく投稿されているYouTuberの「mikimiki webスクール」を参考に使ってみてください♪
iPad
iPadで手書き文字や手描きイラストをデザインに反映したい場合は、以下のアプリがオススメです!私もプライベートでは手書き文字のインスタアカウントを持っているので、Procreateは特に多用しています。ブラシをアレンジできるレベルまで持っていきたいところです。
・Procreate(買い切り型)
・Affinity Designer(買い切り型)
iPadクリエイターのYoutuber「amity_sensei」のチャンネルで使い方の幅を広げてみてください♪
ビジネス基礎力
私が今回の改修で一番若手マーケターに必要だと感じる部分はこのビジネス基礎力です。新入社員研修でちょっと学ぶ程度のことが多いかもしれません。特にベンチャーの場合は、自分で学ぶ機会を作らないと結構失礼な話し方をしている人がいてびっくりします。他の会社で長らく勤められていた先輩社員に「最近の若い社員は仕事はできるけど、態度と言葉遣いがなってないよな〜」と愚痴られることもしばしば。気をつけましょう・・・
ここから各スキルを身につけるのにオススメの書籍やYoutube、サービスをご紹介します。
マインドセット全般・上司との関わり方・プロジェクト&目標管理
ロジカルシンキング
Word・Excel・Powerpoint/ショートカット
ツール系はもっぱら動画がオススメです!使ってなんぼなので、パソコンで作業する際に使いやすい動画が良いと考えています。YoutubeとUdemyを使っています。
話し方・プレゼンテーション・傾聴
その他ビジネス基礎力を上げていくためのサービスを2つご紹介します。
グロービス学び放題(有料)
あのグロービス大学院が運営するサブスク型の動画配信サービスです。動画を見た後に質問が出たり、アウトプットさせるような仕掛けが入っています。
Schoo(一部無料)
生配信で著名な作家さんや大学の先生などの授業が受けられるサービスです。リアルタイムでチャットから質問ができます。有料プランに切り替えると、録画授業も受け放題です。
マーケティングスキルマップのオススメの使い道
【個人】自分の現状のスキルセットを把握する
私が上長に教えてもらった使い方です。
以下の4つで色分けしたり、印をつけるなどして現状を可視化しましょう!
❶もう一人でできると思うスキル
❷少しサポートがあればできると思うスキル
❸今後自分が強化していきたいスキル
❹現在勉強中のスキル
もし、上司との1on1などがあれば、ここで洗い出したスキルセットをもとに今後の働き方や業務内容を相談してみると良いと思います!
私もこのスキルマップを使ったおかげで、「❸今後自分が強化していきたいスキル」にしていた業務をやってみなよと背中を押してもらいました。
【組織】社内で賄う領域と外注する部分を見極める
事業会社だと、マーケティングをインハウスでやるか外注するかをジャッジする場面が多々出てきます。私が思うに会社の文化・思考性によって以下の4タイプに分けられると思います。
・なんでもインハウスタイプ
・専門家がいない領域のみ外注タイプ
・領域によって別々の会社に外注タイプ
・1社にまるっと外注タイプ
本来的には、その会社の組織形態と収益構造などに基づいて、最も費用対効果の高い方法を選ぶべきだと思います。ですので、現在自社に在籍しているメンバーのスキルセットと外注している領域をこのスキルマップで明確化し、コストの再配分のために使われるのはどうかなと。
会社によっては、組織文化に流されて「それ全然合理的じゃなくない?」という選択をしてしまうところもあるかと思います。そこに疑問を持った時に説得する際の材料にもなると嬉しいなと思います(そういった場面に毎日出くわす会社にいるので、この使い方自分もやってみようと思います)。
最後に
他こんな使い方どう?というものがあれば、コメントいただけると嬉しいです!ブラッシュアップアイデアもお待ちしております。もし、使ってみたいと思われた方はこちらの画像ご活用ください!