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2023年 読書記録 #7『高校入試』

さて、今回私が紹介するのは

『高校入試』湊かなえ著


です!

県下有数の公立進学校・橘第一高校の入試前日。新任教師・春山杏子は教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」と書かれた貼り紙を見つける。迎えた入試当日。試験内容がネット掲示板に次々と実況中継されていく。遅れる学校側の対応、保護者からの糾弾、受験生たちの疑心。杏子たち教員が事件解明のため奔走するが……。誰が嘘をついているのか? 入試にかかわる全員が容疑者? 人間の本性をえぐり出した、湊ミステリの真骨頂!

3回目の登場

またまた湊かなえさんです。
好きなんだから仕方がない。
でも今回はイヤミスじゃないよ!

ドラマ

こちらの小説、もとは湊かなえが書き下ろしたドラマ脚本でそれを自ら小説化したものだそう。
ドラマの方は見たことがないので知りませんでしたが。
ドラマ前提だからなのか今作、いつもの湊かなえ作品とは少しテイストが違うと感じました。
湊かなえ作品は登場人物が少なく、また独白形式で進むことが多いのでいつも会話が少ない印象です。
ですが登場人物が多く視点もコロコロ切り替わる。
あと会話も多い。
ドラマとしてはそれは正解なのでしょう。
ただ小説で読むと慣れるまでは結構キャラの把握が大変でした。

入試ミステリー

本作、高校入試が舞台のミステリーです。
しかも入試当日、学校の中だけで話が進みます。
こういった舞台設定が特殊なミステリーは非常に好みなので面白かったです。
「高校入試」というかなり狭いテーマでここまで面白い、且つ緻密なミステリーを書けるというのはさすが湊かなえと言うべきでしょうね。

ありそう

しかも今作、ネット掲示板みないなものも絡んでくるのですごくリアリティがあるんです。
今の時代いつ同じようなことが起きてもおかしくないのではないかと思います。

登場人物

さて、本作は前述のとおり登場人物が多いです。
が、それぞれのキャラが立っていて且つ関係も入り組んでいてややこしい!けど面白い!って感じでした。
他作品でも感じますが湊かなえさんは人物造形も上手いですね。

受験

にしても受験生ってのは人生賭けてる感はすごいですね。
私も高校受験の経験はありますが高校選びも割と適当だったんで、あそこまで本気になれるのはむしろ尊敬しますね。
私が高校を選んだ理由は「スーパー理数コース」というコースの名前が面白かったから&特待取れて授業料が安いし勉強したくなくて公立高校を受けるのをやめたからですしね。
我ながら雑な選び方です。

ラスト

謎解きパートではしっかり騙されました。
騙されると気持ちいい!
あとイヤミスじゃない!湊かなえなのに!
最後は希望がある感じで終わります。
個人的には絶望が好きですがたまにはこういうのもいいですね。


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