映画 ロストケア 感想
わたしが松山ケンイチに夢中になったのは30代半ば、DEATH NOTE~L change the WorLdがきっかけだった。
松山ケンイチが好きすぎて松山ケンイチを愛でるブログを開設し、ケンちゃんファンと繋がることができ、実際にOFF会や映画の舞台挨拶に行き、実物を見、わたしの情熱はすべて松山ケンイチに向いていた。あの頃のわたしは煉獄杏寿郎ばりに心を燃やしていたと思う🔥
その後、ケンちゃんは小雪さんと結婚し、わたしの興味は薄れ、今では好きな役者さんの1人に変化した。今は農業や皮の再利用など自然派生活と役者との両立をしているケンちゃん。いつの間にか3児のパパになっていた。そしてわたしは彼の映画やドラマを観ることもあまりなくなっていった。
朝ドラを出勤前に観るのが日課なわたしは今期の「虎に翼」の裁判官:桂場役にケンちゃんがいたため、毎日欠かさず見ている。やはり良い役者さんだ。
そしてその頃、noteでIlsaさんがロストケアを紹介していたのを読んだ。
わたしはこの記事を今読んだことは必然なのではないか?ロストケア、知ってはいたし、ウォッチリストにはいれていた。今、アマプラで観れるうちに観なければいけない気がしたのだ。そして覚悟を決めて観ることにした。母を介護施設に入れたことでようやくこの映画を観れるくらいには当事者意識は薄れているからだ。今なら観れるかも…。そう思った。
介護現場で起きた大量殺人のはなし。
松山ケンイチ演じる介護士の斯波が認知症患者を介護殺人する話。
家族の絆は呪縛でもある。ロストケアは自分では断ち切れない呪縛を解き放つための唯一の手段である。ロストケアは介護者と家族を救うための手段だと。
長澤まさみ演じる大友検事は母親を高級介護老人ホームに入所させている。
保険のセールスレディであった母は羽振りも良かっただろう。大友検事とて、検事なんて職業に普通の人は就けないのだから、片親だったからとて、普通に勝ち組だ。
わたしも母を特養ではなくサ高住に入れれたなら、母も毎日レクリエーションなど人とも交流でき、楽しかったかもしれない。でも現実はレクリエーションもリハビリも無い、特養が精一杯だ。
それでも斯波の言うところの安全地帯にいる。
救いのない、在宅介護の成れの果てがロストケアということになる。
介護殺人は年間45件、月平均2件だと映画内で言っていた。
家族という絆で縛られたまさに呪縛。
呪いだ。これからさらに少子高齢化が進むのに、ますます増える予感しかない。
政府がやるべきはムダを省き、かけるところにお金をかける、それだけだ。介護にかかわる人の報酬を上げる。家族ができない部分を職業としてお任せしているのだから。
少子化対策よりやるべきは絶望しない老後が先だ。
絶望しない老後が約束されていれば自然と人間は子孫を残すだろう。
自分たちが生きるのに必死なのに、産みたいとは思わないし、思慮深い人ほど、先のことを考え、産まない選択をするかもしれない。
そしてもういわゆる結婚制度は破綻しているとわたしは思っている。
結婚してもしなくても、子どもがいてもいなくても、そんなこたぁ、どうでもいい時代になってる。そこの政治家のセンセーたちは早く古き日本の家制度から脱却したまえ。
いい加減、サラリーマンと専業主婦のまぼろしから解放されないと。
なんで薄給のわたしから毎月、毎月、市県民税と所得税が5万近く取られて、サラリーマンの妻からは1円も取られてないのだ。
第3号被保険者ってなんだよ。
自営業者の妻からも年金と健康保険取ってんじゃねーよ。鼻息。
介護から話が反れました。
作中の斯波は死刑になるが、介護殺人された家族には人殺しと罵る家族もいれば、介護に終わりが来て救われた家族がおり、一括りに斯波の所業は悪とは言えないのだ。
話が散らかってしまったが、考えさせられる映画だった。割と対話が多く、そこまで酷い描写は無いので良かったかもしれない。
しかし、松山ケンイチは相変わらずカッコいい。黒Tを着させたら彼の右に出る人はいないと思うほどカッコいい。
しばらく遠ざかっていたが彼の出演作は積極的に観ようと思う。
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