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2023年3月に読んだ本【読書日記】
こんにちは😌
2023年3月は14冊の本を読みました。
内訳は、
小説11冊(内Audibleで2冊)
エッセイ2冊
ビジネス・自己啓発本1冊(Audible)。
今回は、2023年3月に僕が読んだ小説、エッセイ13冊をまとめた記事です。
各作品で、印象に残ったフレーズを載せました。
あなたにとって響くフレーズがあるかもしれません。
1.『麦本三歩の好きなもの 第二集』(著:住野よる)
『麦本三歩の好きなもの 第二集』/住野よる
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 1, 2023
後輩ができたり合コンに行ったりと新たな出会いや出来事はあるが、相変わらず天真爛漫で噛みまくる三歩。それでも少し成長する姿に感動?した。
僕は、三歩が時折見せる鋭い感性が発揮される瞬間が好きですね。
何気ない日常が愛おしくなる1冊✨#読了 pic.twitter.com/QLj5XMWlKb
明日は今日よりもちょっと頑張れたらいい、もし出来なかったら明後日でいいや。明々後日も恐らくまだ生きてるから大丈夫。
お隣さんは他人なのに三歩がここに住むことに文句を言わず、自らの生活を送ってくれている。
同時に自分はお隣さんである彼女の存在を許して、自らの生活を送っている。
そして互いが生きていることを知りながら、救わず、役に立たず、放っておいている。
なるほど、きっとそこに共犯関係がある。相互依存がある。この世界に存在することを、自分一人で抱え込まなくてもいいという安心がある。だって私のこと何も知らない他人が、生きてていいって思ってくれてるんだって、胸を張れる。
2.『噛みあわない会話と、ある過去について』(著:辻村深月)
噛みあわない会話と、ある過去について/辻村深月
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 3, 2023
言った方は曖昧な記憶でも、言われた方はしっかりと覚えている。人をどこか見下していると痛い目に合うことを教えてくれた。
どの短編もゾワッと怖さを感じさせるが、実は少しの希望もある。現実世界での戒めになるのもその1つかもしれない。#読了 pic.twitter.com/PeziFtahJQ
「真面目な人って、義務が得意なんだよね」
「すべきことを与えられるとそれは一生懸命、とにかくこなすことを考える。無駄がない質素な生活を心がけて、清く正しく生きることが得意。その逆で、苦手なのが娯楽や贅沢。何かを楽しむってことがすごく苦手」
辻村深月の小説を読んでいて、いつも素晴らしいと思うのは、幽霊を抱えて生きる人たちの苦しさや切なさが見事に描かれているところだ。初期の作品から一貫して、傷ついているけど、傷ついていないように見せかけることで、周りを傷つけてしまい、孤独になってしまう人物を、彼女は描いてきた。
3.『爆弾』(著:呉勝浩)
『爆弾』/呉勝浩
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 5, 2023
爆弾の場所、事件の真相を巡っての群像劇。
緊張感漂う頭脳戦にハラハラ。それは同時に消耗戦でもあり、読了後は疲労感のようなものがあった。
得体の知れない「無敵の人」スズキタゴサク。でも、誰しもが「欲望」という無敵のカードを持っているのかもしれない。#読了 pic.twitter.com/aa9F5A4zoe
時限爆弾とは、なんと厄介な代物だろう。いったん「ある」と思わせられたが最後、「ない」と証明できるまで恐怖につきまとわれる。どこかでひっそりとその瞬間を待ち、時を刻んでいるのかもしれないという想像がぬぐえない。
「わたしたちが身勝手だからです。平気で他人に優劣をつけるからです。それを野放しにしていたら平穏な生活が守れそうにないから、だからルールをつくったんです。長い時間をかけて、知恵を持ちよって、完璧でなくとも、妥当なルールを。人の命の平等を、実現するために」
4.『時をかけるゆとり』(著:朝井リョウ)
『時をかけるゆとり』/朝井リョウ
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 7, 2023
朝井さんの小説は、心がえぐられる表現や心理描写が印象強い。本作のエッセイでもえぐられそうになった。心ではなく腹が。とにかく笑えて。読了後に僕は思った。「事実は小説よりも奇なり」は(表現次第で)本当なんだなということを。#読了 pic.twitter.com/aFviYthoBC
それに、もしここでリタイアしたら、きっとこれからの人生ずっと辛い場面でリタイアし続けることになる気がする。今日の夜までこの脚で歩き続け、ゴールすることができたら、きっと私の中で何かが変わる。
午後五時辺り、五区の休憩所に着いた。
五区の休憩所は、私のアパートのすぐ近くだった。
私は一瞬でリタイアを検討した。数行前で「ゴールすることができたら、きっと私の中で何かが変わる」等と企業CMばりの自己啓発コメントをぶっ放していたが、私は瞬間的に「ここでリタイアしたら楽だお」と思った。
「地獄の100キロハイク」
「あがり」なんて、どこにもない。どんなマスに止まることになろうと、もうそこに数字なんて書かれていないように見えても、私はルーレットを回し続けなければならない。
受賞祝いにいただいた花は全て枯れる。つまらない作品を書けば、仕事の依頼はすぐに途絶える。どんなマスに止まることになろうと、もう誰にも読んでもらえなくなったとしても、書き続けるしか道はない。
「直木賞を受賞しスかしたエッセイを書く」
5.『#真相をお話しします』(著:結城真一郎)
『#真相をお話しします』/結城真一郎(再読)
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 9, 2023
パパ活、YouTuberなど近年話題の出来事をテーマにした短編集。紙の本で改めて読んだが、至る所にある伏線や終盤の展開はどの短編も見どころがあった。ミステリ要素が強いが、それぞれのテーマについて教訓のようなものを伝えていると思った。#読了 pic.twitter.com/tvg9251PMj
俺たちが思っている以上に、小学六年生は大人だぜ。
6.『大延長』(著:堂場瞬一)
『大延長』/堂場瞬一
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 12, 2023
大事なのは目の前にある勝利か、それとも将来か。両チームが持つ切実な思い。
次元を超えた試合の中で、選手や監督に生まれる心情の変化。新潟海浜側だった僕の心も、次第にどちらも負けないでと変わった。
そして、ラストの「野球の神様」の表現にジーンときた。#読了 pic.twitter.com/ebv1KKSIvz
こんな試合は、野球の神様が仕組まないと実現しない。(中略) その神様は、左手にグラブをはめ、右肩にバットを担いで悪戯っぽい笑みを浮かべている。日焼けした顔は、少年のそれだ。
7.『麦本三歩の好きなもの 第一集』(著:住野よる)
Audibleでの再読です。
麦本三歩の好きなもの/住野よる
— シン@読書垢 (@snnskbook) April 4, 2021
所々で出てくる三歩の抜けた部分に思わず笑ってしまう。何気ない日常でも楽しいことやワクワクすることはたくさんあることに気づかされました。作品全体のゆるい感じは個人的には好きです。#読了#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/tZ18OowCv5
「君の辛さは、私には分からない。だから、もし、本当にもう何もかも耐えられないと思ったら、死んでもいい。止められない。死んじゃ駄目なんて、君の辛さが分からない私には決められない。君の人生だから」
折り返し地点なんてきっとない。
今日も前に進んでいなくちゃ、今日これから起こる楽しいことを味わえない。
8.『さよならドビュッシー』(著:中山七里)
『さよならドビュッシー』/中山七里
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 16, 2023
家事で失った親族、負った大火傷。その後も遥の周りで不穏な出来事が起こる。このような境遇や外野の声に心が折れそうになっても、泥臭く全力で立ち向かう。その想いが乗った遥の演奏は、僕の心にも響いた。
……えっ!?そういうことだったのかー!#読了 pic.twitter.com/FYJ42ZeHA5
「重要なのはその人物が何者かじゃなく、何を成し得たか、じゃないかな。第一、君は障害があるかどうかで人間を二分しようとしているけど、それは間違いだと僕は思う。人は誰もが欠陥を持っている。ただその欠陥が何であるのか、その欠陥が見えるものなのか見えないものなのかという相違だけだ。だから皆その欠陥を修復するか、または他の長所で補おうとする」
みんなと同じ道と言うけれど、それは別に一本の道ではない。一人に一つずつ道はある。ただ、それが所々で重なっているので遠くから見れば一本に見えるだけだ。自分だけが特別な存在だというのは傲慢で、そして臆病な者の虚勢に過ぎない。
(中略)
大事なのはどんな道を歩くかではなく、どう歩くかなのだ。
9.『光のとこにいてね』(著:一穂ミチ)
『光のとこにいてね』/一穂ミチ
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 19, 2023
付かず離れずのような結珠と果遠の関係は「運命」という言葉だけでは片付けられないと思った。
「捨てるのはいっつも弱いほう」
でも、様々な出来事がある中で自らの意思で道を開こうとする2人は弱くはない。これからもきっと、光のとこにいてくれると思うから。#読了 pic.twitter.com/VyunZlpjhx
「お前は強くてやさしいから、弱い母ちゃんを捨てられない。捨てるのはいっつも弱いほうなんだ」
「ただ、あなたがこれから出会っていくたくさんの人たちのことを、断片的な要素だけで決めつけてしまわないでほしい。直は私の家族だけど、だからって私の人生について何もかも打ち明けようとは思わない。それはママも同じだろうし、あなたにもあなただけが大切に思うものや秘密があって当然だよ。心の中の家に誰をどこまで入れるかは直が決めていいの」
10.『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』(著:若林正恭)
『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』/若林正恭
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 21, 2023
自意識過剰、ネガティブ、最近楽しくない、考えすぎ。そんな方にとって今を生き抜くヒントを与えてくれる。
本作の後に出るエッセイに比べて尖っている印象を強く感じるが、その分切実さも文章から伝わり、強い響きとなって僕にきた。#読了 pic.twitter.com/t8WNLFkcMl
これまでぼくは起きもしないことを想像して恐怖し、目の前の楽しさや没頭を疎かにしてきたのではないか?
深夜、部屋の隅で悩んでいる過去の自分に言ってやりたい。そのネガティブな穴の底に答えがあると思ってんだろうけど、二十年調査した結果、それただの穴だよ。地上に出て没頭しなさい。
(中略)
ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。
11.『おやすみラフマニノフ』(著:中山七里)
『おやすみラフマニノフ』/中山七里
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 25, 2023
岬洋介シリーズ第2作。
演奏会が迫る中で不可解な出来事が起こる。何のためにヴァイオリンを弾いているかを問い続けた晶。今この瞬間に集中した演奏が心に響いたのも束の間、ある真実が。
演奏を聴きながら読みたくなる音楽描写は前作同様すごいの一言です。#読了 pic.twitter.com/iD1wusq20T
「科学や医学が人間を襲う理不尽と闘うために存在するのと同じように、音楽もまた人の心に巣食う怯懦は非情を滅ぼすためにある。確かにたかが指先一本で全ての人に安らぎを与えようなんて傲慢以外の何物でもない。でも、たった一人でも音楽を必要とする人がいるのなら、そして自分に奏でる才能があるのなら奏でるべきだと僕は思う」
12.『ブロードキャスト』(著:湊かなえ)
Audibleでの再読です。
ブロードキャスト/湊かなえ
— シン@読書垢 (@snnskbook) April 17, 2021
汗と涙の青春は運動部も文化部も同じようにあると思う。ラジオドラマの題材も世の中の現状を表していて引き込まれた。圭祐が言った「ドラマを通じて受け取ったメッセージをその中だけで終わらせちゃいけない」が響いたしそれが物語の素晴らしさの1つであると思った。#読了 pic.twitter.com/zZsS46GcOq
「ドラマを通じて受け取ったメッセージを、ドラマの中だけで終わらせちゃいけないと思ったんだ。カッコつけた言い方になってしまうけど、ドラマが背中を押してくれたんだ。物語の力だよ」
13.『めぐり逢いサンドイッチ』(著:谷瑞恵)
『めぐり逢いサンドイッチ』/谷瑞恵
— シン@読書垢 (@snnskbook) March 29, 2023
サンドイッチ店が舞台の短編集。
馴染み深い食べ物でも、パンに挟まれると懐かしさや新しさを感じる。そんな幼なじみとの再会のような気分になるサンドイッチの素敵な魅力が発見できました。ふわふわのパンに挟まれたように心が温かくなり癒されました✨#読了 pic.twitter.com/K8v66OPmpY
パンにはさまれたものは、いつかどこかで食べたもの。それが不思議と目新しく、記憶よりもっとステキになって現れる。とびきりかっこよくなっていた幼なじみ、みたいな感じだろうか。
「はんぶんこって、いい言葉よね。分け合うって、楽しそうだし、親しい人との間でしかできない、つながりを感じるっていうか」
読める時に読みたい本を読む
3月に読んだ本の中で印象的な1冊を挙げるとしたら小説は『さよならドビュッシー』、エッセイは『時をかけるゆとり』ですね。
気になった作家さんは中山七里さん。岬洋介シリーズが好きになりました。
3月で本屋大賞ノミネート作をすべて読了しました。どの作品が大賞を受賞するかも気になります。
4月は新たに料理を頑張りたいということもあって、食べ物・料理系の小説の開拓を始めたいと考えています。また、本を通じて業務に関する勉強もしたいですね。
読書ができること、色んな本に出会えることに感謝することも忘れないように。
読める時に読みたい本を読もう😌