ピックルジャーニー2024 day2 4/29(雑草ウォッチング・ポークピックルをつくる・インド式の多様性農業)ただの備忘録
ピックルジャーニーとは:南インドの漬物(ピックル)を広島・尾道で製造する個人事業を営むアートオブピックル(Art Of Pickle)がインドを旅してピックルについての気づきを得るための旅(ジャーニー)です。今回のテーマはポークピックルで、主にマイスール(Mysuru)とマディケリ(Madikeri)の訪問しています。
2024/ 4/29
雑草ウォッチング
3時間半の時差もあるためか、インドの強い日差しがカーテン越しにも入ってきて目を覚ます。朝6時に起床。散歩をしながらインドの道端の草を調べる。ランタナという少し良い香りのするギザギザで手触りの悪い草が沢山生えていたので観察。生育旺盛で熱帯地方においては、他の植物の生態系をおびやかすほどの繁殖力があり「植えてはいけない花」とも言われているそう。 ついた種には「ランタニン」と呼ばれる毒があり、口にすると嘔吐や腹痛などを発症する恐れがあるという。最近自分で畑を始めたためかインドの土や生態系を知りたいなという気持ちが強くなってきている。
雑草観察をしながら道端にトタンで壁屋根をつくり廃材コンクリートを椅子に仕立てた粗末な小屋を見つけてそこで8ルピーのチャイを飲んだりしてゆったり過ごす。
ポークピックルをつくる
本日は9時30分に迎えがきて、宿泊しているBopy’s のオーナーであるカヴィタ(Kavithaさ)んの自宅に伺う予定だ。
その間にホテルの受付の女の子と話す。ホテル受付のロジャ(Roja) は英語ほぼ話せずカンナダ語での会話となった。Sutturu(スットゥル)というマイスールから南東の小さな村の出身の彼女はマイスールにきて6ヶ月で街全体のことはよくわからないという。カンナダ語だけでここまで聞き取れたのは自分に拍手。ローカルの人に話しかけていきたい。午後の予定が急に空いたので、今回のテーマの一つである「インドの生態系をみる」のために、ロジャの電話貸してもらい、グーグールマップで見つけたベラヴァラ・アグロ・エコロジカル・ファーム(Belavala Agro-ecological (Organic) Farm & Nursery)にTELする。ラーマ・クリシュナさんと言う方が電話に出て、聞き取りやすい英語で、日中は案内するには暑いので夕方4時にぜひきてくださいと急な電話にもかかわらず快く応対してくれた。
そうこうしているうちに迎えのオートリキシャが到着したのでカヴィタさんのお宅へ向かう。大きな豪邸で、門に「犬注意」の表示があり、お手伝いさんが複数名働いている様子。
門のところで名前をつげて奥に案内して頂きカヴィタさんとその夫でオーナーのボピア(Bopiah)さんと面会。ボピアさんは元々TAJホテル(インド財閥系の高級ホテル)でマネージャーをしていて空軍であるお父さんが買ったマイスールの土地で独立してBopy’sのオーナーとなった方、カヴィタさんはコダヴァ地区の出身で、元々はコンピュータサイエンスの世界にいたが、ボピアさんとの結婚を機に退職された。主婦として退屈になるのは嫌だったので、料理が得意だったお婆さんとお母さんのレシピを持ち前のロジカルな頭脳で研究し尽くして、今でもBopy’s で提供されるポークカレー(毎日100人前仕込む)だけはカヴィタさんが作っていて、「インド料理が作ることが大好きなのよ。これは私のパッションよ。」と語る。
ホテルのシェフにもカヴィタさんの家庭の伝統の味が受け継がれているのでBopy’sのコダヴァ料理は絶品だ。2人にはオーストラリア在住の娘がいて、来日経験もあるという。(自宅の部屋には雛人形のようなものが飾られていた)
午前中はカヴィタさんとのプライベートワークショップで、レストランで提供されるポークピックルの作り方を教わった。なんの保存料もなしでインドの常温で6ヶ月保存できる豚肉のピックルの作り方はあらゆるプロセスで「素材の水分を抜く(dehydralation)」がロジカルに組み込まれていて納得のものだった。
どんな料理でもそうだが、説明や一つ一つのプロセスの意味を理解しながら実行していくと様々な良い点がある。できたてのポークピックルはとても美味しかった。
カヴィタさんの手作りおやつとチャイを頂きながらお話を伺う。この日のおやつはチックルウンデ(chikkuluunde)というココナッツと小麦粉とジャガリーなどで作った団子とバドゥバ・カジャヤ(Baduva Kajaya)とい固めのドーナツ上のお菓子だった。
カヴィタさんのお宅を後にして、マーケットに出店用の食器やカトリ買い付けにいく。小一時間悩みつつ、軽くて、ちょうどいい量のミニミールスに良いカトリ(容器)とターリーを購入。ピックルの量り売り用のブロンズの重しや出店用の布も購入できた。日本に帰ってから出店するのが楽しみ。
複数人からRRRがいいよと勧められたレストラン、映画のRRRが思い浮かぶけど、同名の人気のレストラン。
(またしても)おっちゃんとの相席をご案内されたのでおっちゃんグループと会話。
さて、今度は英語そこそこ話せるおっちゃん3人でベンガルールからマイスールにわざわざRRRのご飯を食べにきたという。不動産業をやっているんだとか。30歳の娘が東京でプログラマーとして働いていて、半年後にはおっちゃんも日本にくると言うのでぜひ連絡してください、と連絡先を渡した。
ご飯を食べたらいい感じの時間だがまだ、農園に行く約束の4時には早いので、オートリキシャを捕まえる。ヴェンカート(Venkar)という名のドライバーで気のいいやつだったので今日のドライバーはお任せすることにした。彼に一旦ホテルまで送ってもらい4時に迎えにきてもらう。農園に送ってもらって帰りもよろしくっていうところまでの契約を交わす。
インド式の多様性農業に感動する
ホテルに帰って少し休んだあとで午後4時、まだまだ暑いがヴェンカート(Venkar)の運転で農園に向かう。マイスールの郊外の道を30分ほどオートで北上して農園につく。
主であるラーマ・クリシュナ(Rama Kurishna)さんはグル(先生)のような方で、一言口を交わしただけで信頼できる人だった。農園はベラヴァラ・アグロ・エコロジカル・ファーム(Belavala Agro-ecological (Organic) Farm & Nursery)は、No chemicals (化学薬品なし)、No hybrid(交配種なし)、No GMO genetically modified (遺伝子組み換えなし)の3原則をモットーにしたオーガニック農園で、インドで農業する人のラーニングセンターになっている場所とのこと。夫婦で友人を尋ねて、東京・京都にも行ったことあるという話でも盛り上がった。
200種以上のフルーツの木、幾層にも重なる構造的な畑も果樹園も全てが混ざっている土地でインド人々に農業を教えてる。
こんなに理想的な協生農法をインドで目撃することになるとは...
地下に玉ねぎ、その上にサンダルウッドの木があり、ゴーヤが巻きついて育ってる。カスタードアップルの木がその少し上に実をならす。ココナッツとジャックフルーツの木がさらに上から影を作る。構造のレイヤーが幾層にも重なっていて、亜熱帯ならではの植物やスパイスの原型も触って、嗅ぐことができた。本当に素晴らしい経験だった。
本当にありとあらゆるものが生きている畑で、目からウロコの経験が1時間半ほどの滞在に濃縮されていた。
この農園で学びにくる人専用の寮があり200ルピーで泊めてくれると言うので本気で9月か10月頃にもう1度訪れたい。今回は夏で食べれなかったフルーツも味わえるという。ハヌマーンの果実とかラクシュミの果実なんて飛びそうな名前の果実もほうばりたい!
マラヤラム語映画で爆笑する
夜はマラヤラム語映画のアアヴェシャム(Aavesham)を見にいく、ファハド・ファーシル(Fahadh Faasil)ことFaFaは インド俳優の中で一番好きで、彼の出演作はほぼ全て見てきた。危ない目つきでスリラーもいけるし、コメディのセンスもユニバーサルな人。今回の役どころも、人を何人を殺めてきた最強のギャングなのに、亡くなった母に誓って人を殴るのをやめたという絶妙な設定。本当は超強いのに手下に指示出して敵をボコボコにさせているのが滑稽で笑える。そしてイドゥリが嫌いだったりする設定もカワイイ🙆
Day2終わり。
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