S.Nekoyama

2021年にインドから尾道移住。カレー回文師(Artist)/ 土づくり(協生農法)/…

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2021年にインドから尾道移住。カレー回文師(Artist)/ 土づくり(協生農法)/インドの漬物事業Owner(ART OF PICKLE)/医療系Startupの4🦵🦶🦵🦶歩行の🐈‍⬛🏔 ·

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美カレー黴(びかれかび) - the story of curry palindrome -

鈍い雲が空を覆い、太陽の姿を隠していたある水曜日の午後、我が家の厨房には静寂が漂っていた。その和やかな沈黙を打ち破るのは、寸胴鍋から微かに聞こえる軋む音だった。静寂の中でその音は異彩を放ち、空気を微妙に震わせた。冴えない日々の色彩に違和感を投げつけるように、鍋肌は通常の光沢を失い、代わりに一面の白いまだら模様が広がっていた。その模様は、深海の珊瑚礁のような生命感あふれる美しさを放っていた。 一週間の疲れを癒すために日曜日に作ったカレー。ガラムマサラの香ばしさ、ターメリックの地

    • 西インドのアチャールの世界

      今回は、西インドの各州ごとにユニークなアチャール(漬物)をご紹介していきます。インドは広いので、地域によってアチャールの味も風味も全く違います。ちょっと個性が強すぎるかもしれませんが、それぞれの州ならではの味の冒険を楽しんでみてください。ちなみに、私もアチャールの知識は勉強中ですので、ぜひ一緒に楽しんでいただけるとうれしいです。 ゴア州(गोवा)ゴア州でよく見られる「Balchão(バルチャオ)」は、魚やエビを使ったアチャール風の保存食で、特にエビを使った「プラウン・バル

      • 北インドのアチャールの世界

        こんにちは、アートオブピックルです!今回は、北インドの各州ごとにユニークなアチャール(漬物)をご紹介していきます。インドは広いので、地域によってアチャールの味も風味も全く違います。ちょっと個性が強すぎるかもしれませんが、それぞれの州ならではの味の冒険を楽しんでみてください。ちなみに、私もアチャールの知識は勉強中ですので、ぜひ一緒に楽しんでいただけるとうれしいです。 ジャンムー・カシミール連邦直轄領(जम्मू और कश्मीर)この州は、ヒマラヤ山脈の麓にあり、寒暖差が大

        • アチャールの歴史と起源

          アチャール、その長き旅路:名前の変遷と王族に愛された漬物こんにちは、アートオブピックルです。今日はインドの伝統的な漬物「アチャール」がどのように誕生し、どのような時代をくぐり抜けてきたのかを、一緒にたどってみましょう。アチャールは、古代のインドからはるばる時間と空間を越えて現代の食卓にやってきました。旅の途中でさまざまな名前で呼ばれ、王侯貴族に愛され、庶民に愛され…そんな数千年の物語を持つ保存食です。 はじまりの味は「アムラ」アチャールの起源は、なんと古代インダス文明にまで

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          インドのピックル製造における油の使い方とその意義:米油、ひまわり油、太白ごま油、マスタードオイルの特徴

          こんにちは、アートオブピックルです。今回は、インドのピックル作りに使用するさまざまな油について、その特徴と、なぜ一度加熱することが推奨されるかを解説します。南インドではひまわり油や「ジンゲリーオイル」(太白ごま油と同じもの)が主に使われ、北インドではマスタードオイルが一般的です。これらの油を高温で熱することで得られる効果と注意点について見ていきましょう。 なぜ油を一度高温で加熱するのか? ピックルを保存するうえで、油を加熱することは非常に重要な工程です。以下がその理由です

          インドのピックル製造における油の使い方とその意義:米油、ひまわり油、太白ごま油、マスタードオイルの特徴

          お仕事のご依頼について

          Neko-chanこと猫山はカレー回文師でありながら、個人事業名「Art of Pickleアートオブピックル」を運営しており、料理教室、ピックル開発のご相談、そしてカレー回文メニューの数々をご提供しています。新感覚な体験を皆さまと共有できれば幸いです。以下に詳細を記載しております。 料理にまつわるお仕事のご依頼 ・ピックル開発のご相談 料金 12万円〜 新しい名産品をお作りになりたい方に、ピックルのレシピ開発をお手伝いいたします。試作品の作成から最終レシピのご提供までご

          お仕事のご依頼について

          スルタン反英闘争とコダヴァ族と猪・豚の料理

          コダヴァ族の間で豚肉の料理が有名になった理由を調べました。 コダヴァ族はスルタン反英闘争時にインド人でありながらもイギリス側につき、ティプー・スルタンと戦いました。 スルタン反英闘争とは スルタン反英闘争とは、主に18世紀後半にインド南部で行われた、マイソール王国のティプー・スルタンとイギリス東インド会社との間の一連の戦争を指します。この闘争は、ティプー・スルタンとその父ハイダル・アリが、イギリスのインドにおける拡大を阻止しようとしたものです。 征服後の統治政策 テ

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          ピックルジャーニー2024 Day7 2024/05/04(1shantiroad再訪・スムカーへ・インドのバーベキュー)ただの備忘録、最後にレシピ公開

          ピックルジャーニーとは:南インドの漬物(ピックル)を広島・尾道で製造する個人事業を営むアートオブピックル(Art Of Pickle)がインドを旅してピックルについての気づきを得るための旅(ジャーニー)です。今回のテーマはポークピックルで、主にマイスール(Mysuru)とマディケリ(Madikeri)の訪問しています。故郷のベンガルールにも寄りました。 1shantiroad再訪 10時にアパートを出て、以前住んでいたところから近いシヴァジナガル経由して、No.1 Sha

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          ピックルジャーニー2024 Day6 05/03 (Farm to table、材料を買い出しにいく、さまざまなコダヴァ式のピックルをつくる) ただの備忘録 最後にレシピ公開

          ピックルジャーニーとは:南インドの漬物(ピックル)を広島・尾道で製造する個人事業を営むアートオブピックル(Art Of Pickle)がインドを旅してピックルについての気づきを得るための旅(ジャーニー)です。今回のテーマはポークピックルで、主にマイスール(Mysuru)とマディケリ(Madikeri)の訪問しています。故郷のベンガルールにも寄りました。 ※コダヴァ、コダグ、クールグと使い分けてます。ニュアンスの違いはありますが、同じ意味だと思ってください。 (コダヴァ料理は

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          ピックルジャーニー2024 Day5 (移動日・オートリキシャドライバーと喧嘩・レコード屋・MAP(美術館)・ベンネドーセを焼く)ただの備忘録

          ピックルジャーニーとは:南インドの漬物(ピックル)を広島・尾道で製造する個人事業を営むアートオブピックル(Art Of Pickle)がインドを旅してピックルについての気づきを得るための旅(ジャーニー)です。今回のテーマはポークピックルで、主にマイスール(Mysuru)とマディケリ(Madikeri)の訪問しています。故郷のベンガルールにも寄りました。 2024/05/02 ベンガルール移動日 昨日は遅かったにも関わらず、バスが6時30分発なので朝5時30分に起きて6時に

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          ピックルジャーニー day4 (コダヴァ編)5/01 パップトゥ、スパイス・コーヒー農園見学、コダヴァの強い血、チリポーク、こごみのピックル、結婚式で踊る ただの備忘録

          ピックルジャーニーとは:南インドの漬物(ピックル)を広島・尾道で製造する個人事業を営むアートオブピックル(Art Of Pickle)がインドを旅してピックルについての気づきを得るための旅(ジャーニー)です。今回のテーマはポークピックルで、主にマイスール(Mysuru)とマディケリ(Madikeri)の訪問しています。 2024/05/01 朝食はパプットゥ 朝8時30分、Paputtu(パプットゥ)づくりを見学するためにキッチンへいく。Paputtu(パプットゥ)は米

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          ピックルジャーニー2024 day3 (マイスールからマディケリへ移動、ホームステイ)4/30 ただの備忘録

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          ピックルジャーニー2024 day2 4/29(雑草ウォッチング・ポークピックルをつくる・インド式の多様性農業)ただの備忘録

          ピックルジャーニーとは:南インドの漬物(ピックル)を広島・尾道で製造する個人事業を営むアートオブピックル(Art Of Pickle)がインドを旅してピックルについての気づきを得るための旅(ジャーニー)です。今回のテーマはポークピックルで、主にマイスール(Mysuru)とマディケリ(Madikeri)の訪問しています。 2024/ 4/29 雑草ウォッチング 3時間半の時差もあるためか、インドの強い日差しがカーテン越しにも入ってきて目を覚ます。朝6時に起床。散歩をしなが

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          ピックルジャーニー2024 day1 (4/28 )ただの備忘録(ベンガルールからマイスールへの移動、人気のビリヤニ、世界最高峰のアテ、インドで散髪)

          ピックルジャーニーとは:南インドの漬物(ピックル)を広島・尾道で製造する個人事業を営むアートオブピックル(Art Of Pickle)がインドを旅してピックルについての気づきを得るための旅(ジャーニー)です。今回のテーマはポークピックルで、主にマイスール(Mysuru)とマディケリ(Madikeri)の訪問しています。 2024/04/28 インド・ベンガルールに着く。 ベンガルールのケンペゴウダ空港はインドで一番美しい空港と呼ばれていてテクチャーマガジンでも『内外に連

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          カレー回文ストーリー 権太「これ害がない長いカレー粉団子」(ごんたこれがいがないながいかれこだんご)

          これはカレー回文、 権太「これ害がない長いカレー粉団子」(ごんたこれがいがないながいかれこだんご) にまつわるお話です。  むかしむかし、都市「アブラノタウン」の中心部、小高い丘の上には「権太のカレー屋敷」が建っていた。この店の建物は白い壁と赤い瓦屋根、アンティークな窓が特徴的で、まるで歴史の息づく古い洋館のようだった。しかし、店の前には毎日長い行列ができており、都市の間では非常に人気のスポットとなっていた。 その理由は、店の名物料理「長いカレー粉団子」にあった。この団子

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          田島「イカ欲したし、毎年カレー貸しと居ましたし、壺買いました。」

          カレー回文については前の投稿を読んでくださいね。 前から読んでも後ろから読んでも読める回文をカレー縛りにしたのがカレー回文です。ここでは意味の難解なカレー回文の解説をいたします。 <カレー回文573> 田島「イカ欲したし、毎年カレー貸しと居ましたし、壺買いました。」 たしまいかほっしたしまいとしかれかしといましたしつほかいました <序盤の解説> このカレー回文の主人公は田島という男であり、このカレー回文を田島の告白と解釈しています。”イカ欲したし、毎年カレー貸しと居ました

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