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地元、夏の成人式

〜最近、失恋の話しかここでしてなくて
(書くことでしか気持ちを落ち着かせられない為)
見てくれる人も失恋という強烈なパワー、
共感性の高いものだから
見てくれてたのかなとも思うのだが、
当たり前に恋だけが私の全てではないので
これからはもっと色んな話をしていきたいな〜

ということで

これはかなり私の自慢なのだが、
私は小中学校の数年間を“島”で過ごした。
北海道のとある離島
(ここまで言うとかなり絞られてしまうが)
である。

右向けば海、左向けば山、見上げれば大空。

島にはコンビニが1個。
私の住んでいたところからは片道車で30分。

当たり前に不便。

本屋さんも何喋ってるかわからないおじいちゃんが
やっている小さな小さな古いお店が
一軒だけ。(そして今は閉店してしまった)
そして島なので当たり前に
漫画や雑誌の新刊が届くのは発売から3日以上後である。

ここまできいて、“住みたい”“暮らしたい”と思う人
なんて、よっぽどの物好きしかいないだろう。

それでも私は、この島で過ごした数年間を、
宝物のように思えている。

本当に、この島で暮らせてよかったと、
心から思っている。

島に来る前は少し大きな街に住んでいた。
親の都合で転校して、この島に来た。
前住んでいた街を私は好きじゃなかったから、
転校すると聞いた時は、少し安心していたけれど。

それでも怖かった。

はじめての転校、はじめての島、田舎。

閉鎖的で、排他的なのだろうと、
幼いながらに考えていたのかもしれない。

新学期。
転校生として教室に入ったときのどきどきは、
未だによく覚えている。

休み時間になって、すぐに席の前の子に
話しかけられて、
その日のうちに、放課後遊ぶことになった。

この島には何個も公園があって
(むしろ公園しか小学生の遊ぶところはない)
その公園で女の子数人と遊んだとき、
クッキーを持ってきてくれた子がいた。

それまで、全員に名前+ちゃん呼びだった私に、
「クッキーあげるから呼び捨てで呼んで!」
と言ってクッキーを渡してくれた。
そうなると
○○って呼んでー!わたしも!△△も!と
次々に言われた。
同時に、私のこともあだ名で呼んでもらうことに
なった。

この日からの毎日は、
前にいた小学校が嘘のように、
きらきらしたものだった。

木に登り、海で泳ぎ、お泊まり会では
大きな月と流れ星を見て。

私の感受性はこの島に育てられたのだろう。

たくさん笑って、
もちろんたくさん悩んでたくさん泣いたけど、
のびのびと、幸せな小中学校時代を送れたと思う。

高校はやりたいことがあったので札幌の
高校を受験して、この島を離れてしまったけれど、
この島を超える好きな場所はないと思う。

高校3年間はコロナで
島に帰ることもはばかられた為
1度しか島には帰れなかった。

20歳になって、
成人式のお知らせが島から届いた。

久しぶりの島、
行きのフェリーに乗る時から、
どきどきしていた。

友達が迎えに来てくれて、
本当に嬉しそうに、とてもはしゃいでいた。

ちなみに、先程述べたように
私はこの島に数年間しか住んでいない。

生まれたまちは違うし、
親の都合で来ただけの言ってしまえば
ただの“転校生”だろう。

でも私はこの島を、“地元”と呼ぶ。
それはこの島が今まで過ごしてきた場所で1番
好きだということが1番だけど、
それだけじゃなくて。


「私はいつもどこかの“転校生”で、
どのまちにも思い入れがなくて、幼なじみもいなくて、地元もなくて、それが少しだけ寂しいの。」

そう、島の友達に話したことがある。
そのとき、友達は不思議そうに、

「この島が地元でいいしょ?
私が幼なじみでいいしょ!」と
当たり前のようにその訛った口調で言ってくれた。

私はこの言葉が宝物で、
それからどのまちに住む場所が変わっても、
お守りのようにこの言葉が心の中で
響いている。

この言葉のおかげで、
ひとりじゃないと思えている。


大好きだった元恋人ともこの島で出会って、
別れ話で私が
「成人式行けなくなっちゃったな〜」
と冗談交じりに言ったとき、
「なんで?」と言われ、
「いやだって、私のせいで周りに気を遣わせるのは悪いし、あなたの、地元だし、」
と返したら、
「○○(私の名前)の地元でもあるでしょ」
とすぐ返ってきたのも、嬉しかった。
(また元恋人の話をしてゴメン)

この島は、この島の人たちは、
こんなひねくれた私を受け入れてくれたのだ。

だから私はこの島が好きで、
この島の人たちが好き。

成人式では、
中学卒業ぶりに会えた子もたくさんいて、
久しぶりにたくさん話せて、
本当に嬉しかった。

海で泳いでめちゃくちゃ日に焼けた、20歳の夏。

話がまとまらなかったけれど、
これが私の自慢の地元の話。

成人式のおかげで本当に久しぶりにみんなが集まって、そしてはじめて一緒にお酒を飲んだ、
大切な思い出を、言葉で残しておく。

またこの島に、帰ってきたいな。
笑顔で、またみんなと一緒に海で泳いで、星を見に行きたいな。

それまでまた頑張ろう。
ではまた。





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