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筋肉のコントロールが効かなくなるのはなぜ?~筋肉弱化と低下の違い、そして運動のススメ~

力が入りずらい

スムーズに身体が動かない

どこかぎこちない動きになってしまう

カクンと力が抜ける(関節が止まらない)

なぜだかパワーが出ない

そんなことを感じたことはありませんか?

その原因は、「筋肉がなくなった」からなのか、それとも「神経がうまくつながらなくなった」からなのか、はたまた「別の原因」があるのか?

今回はそのへんをお話ししていきます。

筋肉の弱化とは?

もともと今自分の持っている筋肉が100だとして、私たちが普段実際に使っている筋肉はそう多くはありません。人によって、また部位によって違います。研究でもはっきり明らかになっていませんが、だいたい普通の人で6割、アスリートなどで9割くらいではないかといわれています。

例えば60だとしましょう。そのいつも使っている筋肉が50しか力を発揮できなくなった時に、私たちは異変を感じます。さらに40になれば不具合が出てくるかもしれません。

冒頭にあげたような「なんだかいつものようにいかない」症状。それが筋肉の「弱化」です。

持っている力を発揮できない状態。

脳の状態の変化や、筋肉と神経のつながりが何らかの理由で途切れてしまっう。無意識で出来ていたことができない、意識しても使えないといった状態を指します。

運動を頑張ろう! トレーニングをやってみよう! と思っても、この筋弱化が起こった状態でエクササイズを行った場合は、運動効果も最大には出にくい場合があります。

さらには、運動障害やスポーツ障害になってしまい、元気な身体づくりが目的だったのに、逆に運動からと遠ざからなくてはいけないといった残念なケースになる方もいらっしゃいます。

特に、運動経験が少ないあるいは低体力の方、筋肉が硬い部分ほど、「筋弱化」が多い傾向にあります。

いつもの運動異変

弱化のある筋肉は、まずは「促通」といって、抑制がかかってしまっている筋肉を呼び覚まし、神経と筋肉をつなげて使える状態にしてあげることが必要です。

神経がつながるのには、今までの運動経験や身体の状態によってかかる時間は様々です。繰り返しやっていくことが必要な方もいれば、何回かで目覚めてしまう方もいます。

筋肉は使われるか使われないかの2択なので、ある時、筋肉動員数が一気に上がり、今まで何回やっても出来なかったのに出来るようになった!と突然スイッチが入ることも多いです。

筋肉を動かすための指令の伝達経路

ここで筋肉を動かすための指令の伝達経路を確認しておきましょう。経路は大きく2つ。

1つは「随意筋収縮」。これは大脳の運動野という部分から意識的につながり、神経を介して筋肉に指令が行く一般的な使い方です。神経と筋肉がつながってくると意識しなくてもできるようになります。

もう1つは「反射」。これは脊髄の中にはもう1つ、大脳の運動野から下りてくる神経とは別に、筋線維を活動させる経路が存在します。意識が関与せずに、神経と筋肉だけで筋肉が自動的に働くシステムです。

「火事場のバカちから」というのは、身の危険を感じた時に反応するシステムです。いつも使っている力以上のものが出るというのも、いつもは脳で制御をかけていていて、全部出し切っていないからこそ起こる現象です。

なぜ脳で制御をかけているのか?いつも全部使っちゃえばいいのに~と単純に思ってしまいますよね。動きはゆっくりした動きや速い動き、また複雑な動きなど制御の必要性があります。そうしないと関節を壊してしまったり、身体に一気に負担がかかりすぎて痛めてしまったりしてしまいます。

意識的には最大筋力を出しているつもりでも、脳のほうでブレーキをかけてしまう。これを「脳の中枢による抑制」といいます。

人は非日常的な出来事に直面すると、無意識に大きな声を発することがあります。そして、普段は出せないような力が出る。「火事場のバカちから」は危機に瀕した刺激によってこの脳の中枢の抑制が外れた状態なのです。

火事場の馬鹿力

スポーツやトレーニングの現場でも、「シャウト効果」といって、アニマル浜口的な「自分を鼓舞する」「気合を入れる」といった意味だけでなく、持てる筋肉をたくさん使う手段としても有効なことが分かっています。

また、「少しきついと思う程度以上の負荷を使って筋肉トレーニングを繰り返す」ことでも筋肉の動員数が上がり、使える筋肉が増え弱化が強化されていきます。だから鍛えているアスリートはたくさんの筋肉の制御と力の発揮が出来るのですね。こちらはまた後述します。

筋弱化の原因

弱化の原因は4つと言われています。

①神経や脳の問題(神経と筋肉の反応の低下)

②筋肉のバランスの問題(関節のポジションの崩れ、筋肉の硬さの差)

③メンタルからの影響(ストレスによる自律神経の乱れ、内臓機能の低下)

④病気やけがなどの回復や栄養不良によるもの

①②は加齢やいつもの使い方の癖などによって年と共に起こりやすいことです。③はストレスいっぱいの現代社会は誰もが避けて通れないものにもなっています。④についても、現代の飽食の時代と言われていていても生命のために本当に必要な栄養はとれていなかったりする現状もあります。

筋肉の弱化は、誰もにも知らずのうちに起ってしまうことなのです。

ですので、スポーツが好きな方だけではなく、特に筋肉が下り坂になる30~40歳を過ぎたあたりからは、コンディショニングとしての身体ケアをしていくことをおすすめします。そうすることで、いつも最適でゴキゲンな自分のやりたいことをスムーズに出来る身体の状態を保ちやすくなります。

筋肉バランスの変化から、まずはアプローチ

弱化した筋肉は、どう見つけたらいいのでしょうか?なかなか自分ではわかりにくいと思います。身体のゆがみなどに、すこしずつ身体への変化は表れていますがスルーされやすい。異常があっても自覚症状がない場合も多いからです。何らかの不具合が出て気づく方がほとんどです。

身体のゆがみ

例えば、SmiRing Harmonyのパーソナルトレーニングでは、運動の最初にこの筋肉のバランスのチェックをして、筋肉が働きやすい状態を作っていきます。本当は不調が出る前に改善し予防していくのが一番です。

何をやっているかというと、骨や筋肉の状態や関節の動き方を見ながら、パワーが発揮しずらかったり、可動域(動く範囲)が狭くなってしまう機能低下している原因のひとつ、「弱化筋」を見つけます。そして筋肉への直接の促通や内臓反射などを使ったアプローチなども含め、筋肉にいろんな方向から刺激を与えながら、身体全体のバランスを整えます。

そうすることで、けがの予防だけでなく、身体の循環を促す姿勢がとりやすくなり、元気度もアップしていきます。そして身体を支えてくれる軸がしっかりと機能し、筋肉を部分だけでなくつながりで使うトレーニングもいれていきますので、いろんな動きがやりやすくなります。

筋肉の低下とは?

もともと自分が持っている筋肉が100と仮定していました。

でも残念なことに筋肉はいつまでも100から変わらないわけではありません。

研究により少しばらつきはありますが、年齢と共に筋肉量の減少するのは、だいたい30~40歳くらいをピークに、それぞれの部位が落ちています。おおよそ20歳頃と比較して、60歳では上肢で約10から20%、下肢で20から40%程度、筋肉量が落ちていきます。

これを「筋肉の低下」といいます。この筋肉の低下も、今まで出来ていた動きが出来なくなる、スムーズに動けなくなる原因の一つでもあります。

入院して動かなくなったら一気に筋力が減ったなどといったことも感じたり聞いたりしたことがあるかもしれません。筋肉は使わないと一気に低下の速度を上げていきます。

年と共に筋肉の低下率

上記のグラフは、一般の方の平均のものになりますが、男性は女性よりも減少率がさらに高いことがわかります。定年になり仕事で動いていた活動量が減るからでしょうか、男性については60歳頃から、急激に筋肉量が減少しています。

年齢とともに脳も委縮しますし、筋肉も委縮していきます。そうすると筋肉「低下」に加えて、先ほどの「弱化」とダブルパンチが起こります。

するともともとの100の筋肉が70になり、70の内の使われているのが40になる。。。この悪循環を何とか止めたいものです。

思い出してください。先ほどの弱化のところで、その筋肉の動員数を上げる対策として、「少しきついと思う程度以上を使って筋肉トレーニングを繰り返すこと」がありました。

そして筋肉の低下を防ぐ方法も同じく「トレーニング」です。週1回のちょっときついなという負荷をかけたトレーニングを自分に合った回数を繰り返すことで今の筋力を「維持」できます。週2~3回できれば筋力が「向上」することが分かっています。

筋肉裏切らない!!!好循環の波に乗れるかは、運動するかしないか、あなた次第なのです。

だから運動・栄養・休養の健康の3原則!

「年だから…」とあきらめないで!あなたの今、今日の身体の状態を変えていくのは、やはり健康の3原則、運動・栄養・休養です。

WELLNESSイメージ

「筋肉トレーニング」をして筋肉の弱化や低下といった衰えを防ぎ、「有酸素運動」で身体の循環を良くしていく。そして身体の「柔軟性」をあげ、「バランスを整える」ことことで、いろんな機能の衰えを防ぐことができます。自分が好きだなと思える運動なら幸せも伴い最高です。

そして運動でエネルギーを消費したら、きちんと身体をつくり巡らせる材料を入れる「栄養」も大事。

そして使った筋肉や臓器を回復させ、脳を元気にする睡眠やリフレッシュの「休養」も欠かせません。脳も筋肉の動きに大変重要な働きをすることが今回ご理解いただけたことと思います。

トータルで自分の内側外側からアプローチしていけば、結果はついてきます。

運動の効果、こんなにいいこといっぱいですよ!

【運動の医学的効果】
・動脈硬化性疾患(心筋梗塞など)にかかるリスクが低下する。
・心肺機能が向上し、感染症にかかるリスクが低下する。
・脳血流、ニューロンが増加し認知症にかかるリスクが低下する。
・体温が上昇し、リラクゼーション効果が得られることで睡眠障害が改善する。
・体脂肪を減らして肥満の予防・改善が図れる。
・ストレスの発散やリラクゼーション効果があり、うつや不安な気分の予防・改善が図れる。
・筋力向上、バランス能力向上により、転倒リスクの低下やロコモティブシンドロームの予防が図れる。
・自律神経機能が整い、便秘が解消する。 
・骨に刺激が加わることにより骨粗鬆症の予防となる。
・乳がんや大腸がんにかかるリスクが低下する。
・脂質異常症、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防・改善。
・筋力向上、筋肉量増大によりフレイルやサルコペニアを予防・改善する。

健康長寿ネットより引用https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenkou-zoushin/undou-kouka.html

最後に…メンタルの持ちようも大事

そして、気持ちの持ち方も脳にとても影響を及ぼします。

年と共に、どうしても受け入れられないことが増えてきませんか。

「こんなはずじゃなかったのに…」

いろんな環境の変化で、いくら頑張っていてもいろんなことが起こるし、変わっていかざるを得ないことがたくさん出てきます。

そこをまず「認めていく」勇気を持ってみようと思っても結構難しいことが多いですよね。心と体はつながっているので、気持ちが晴れない時、身体からのアプローチをすることで救われることがあります。

そして、みんなと同じ「ノーマル」を目指すのではなく、自分の「超越」を目指す!というのはいかがでしょう。

何でも解決できると思わず、全部前と同じに無理に戻そうと過去にとらわれすぎない。今出来る中での「自分の新しい境地」の未来を探していく感覚で自分のHAPPYに出会っていく。

そんな心の次元を一つ上げていく感じで捉えていくと、トレーニングも「自分進化」の一つとして楽しむことができるのではないでしょうか。

今の時代、興味ややる気を刺激してくれるサポートなどもたくさんあります。遊び感覚でピンときた運動をまずはやってみるのもよし。自分のお悩みや年齢、状況の症状にあった適切な運動をきちんとチョイスし納得したものをやるのもよし。

どんな一歩でも踏みだし続けていけたら、雲の上にあがったような、いつでも晴れやかな世界が広がってくるかもしれません。

運動のイメージ

身体を労わる自分への愛、優しさ。人生諦めず楽しみを見つけていきましょう!!!運動はきっとあなたの“癒し”やストレス解消のひとつにもなってくれるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


参考文献:石井直方の筋肉の科学/石井直方・著/ベースボールマガジン社

ホリスティックコンディショニング1/矢野雅和・著/スキージャーナル㈱

SmiringHarmony海光

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