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星を掬う
この著者の作品はこれが2冊目
新聞の紹介に出ていてチェックしていた。
誰にでもトラウマはある
幼い日の夏休みに、母と二人旅をしたのを
最後に、母はいなくなり、父と祖母との家族で
育っていくが、
母に捨てられた
というトラウマから、愛されることを求めて
どうしようもないDV男と結婚する
いや結婚した時は、いいひとだと思ったのに
離婚しても、引っ越しても
お金が無くなるとやってきて
お金をせびる、出すまで暴力をふるう
全ての現況を母に捨てられたからだと
母を恨んで生きている
ネガティブな心情と行動の記憶は
自分で進む道を選択肢を少なくする。
彼女は、愛情を受けたかっただけで
自分を必要とされたかった
それは母に捨てられたという事実からの
脱却のために必要なことだと思っていた。
ラジオ番組への投稿が外への1歩に
人生が変わる要素はほんの小さなことなのかもしれない
夏休みの思い出として、母との二人旅のことを
書き綴り、応募した彼女は優秀賞は逃したのの
賞をもらって、担当者から電話がかかる。
作品が読まれたことで、母と再開するきっかけになり
DV男からの逃避と怖さとの格闘
母の元で暮らす女性たちのトラウマ
そして、母自身のトラウマとそれを手放したことが
明らかになっていくところは
胸が詰まってくる。
親はこどもが幸せになることを願い呪縛をかける
男に負けないようにしなさい
お姉ちゃんだからがまんしなさい
妹の面倒をちゃんとみてあげなさい
人前で泣いてはいけません
人に甘えずに生きなさい
思いやりある行動をしなさい
私が子どもの頃に母に言われてきたセリフたち
家にいるのは、窮屈だった
自由にいてたいと思っていた
主人公の母は、子どもの頃から、母親に
母親のいう通りにすることを強要されて
育ってきて、母の勧める結婚をし、出産し
地味な母として息苦しく生きていた
母の母が亡くなった時に、どうしたらいいのか
わからなくなった
そして自由になるために、家を出た。
呪縛から解放されるために
私自身、多分この主人公の母と重なるものがあったから
本当の自由を手にしている主人公の母を
うらやましくも、妬ましくも感じてしまった。
DV、ジェンダー、アンコンシャスバイアス
SNSの個人情報の危うさ
現代の社会問題が基盤となっていることも
読み逃すわけにはいけない