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【研修内容】当たり前だけどできていないこと

大分県では、フリーの研修講師として企業さまに伺って管理職研修や新入社員研修を担当させていただいております。3年前に大分県に引っ越しをし、今年の1月にフリーの研修講師になってからというもの、自分自身が「研修を通して何を伝える講師でありたいか」ということをよく考えるようになりました。

今日は研修講師としての私の自己紹介も兼ねて、自分が目指す講師像や研修について書いてみたいと思います。

研修講師として目指すもの

結論から言ってしまうと、私は研修講師として【当たり前だけどできていないこと】【分かっているつもりだけどやっていないこと】を皆さまに伝えることができる講師でいたいと思っています。

研修の2つの目的

企業研修では
①新しいこと(情報)を知る研修
②知っていること(情報)を再認識する、見直す研修

という2つがあります。

①は今まで全く知らなかったことを新しく学び、知識として習得していくというものです。一般的に多くの方が「研修」にイメージされるものは、この「新しい知識を入れる」ことではないでしょうか。

しかし、私は、②知っていることを再認識、見直す研修を行っていきたいと思っています。この研修では「新しい知識」というものはありません。受講生の方がお受けになる印象としては「そんなこと知ってるよ」「今さら?」という感じかもしれません。

しかし、この「そんなこと知っているよ」「今さら?」なことができていないことが原因で、社内のコミュニケーションが取り辛くなっていたり、若手社員の早期離職が進んだりしていることも事実です。

報連相研修の場合

例えば、私の報連相研修では、「言葉にしないと伝わらない」ということをお伝えします。またそれを実感していただくためのワークとして【自分の食べたい物を無言で見つめ合って相手に伝えるワーク】を行います。

研修をやっている私が言ってはダメですが、非常に笑える幼稚なワークです。自分が食べたい物をペアで向き合って相手を見つめながら無言で伝えるワークなんて、研修でやるようなことではないのかも知れません。ワークそのものはみなさん笑って参加してくださいますが、きっと心の中では「ばかばかしい」と思っておられる方もいらっしゃると思います。

「言葉にしないと伝わらない」なんて当たり前のことですよね。でも当たり前のこと、どのくらいできていますか?管理職のみなさまは部下に対して「そんなこと、いちいち説明をしなくてもわかるだろう?」って思っていませんか?若手社員のみなさんは「悩んでいること、困っていることがあるのに気づいてよ」って思っていませんか?

無言で見つめ合っていただくワークから学んでいただくことは「無言では何も伝わらない」「それぐらい言わなくても分かるでしょう?は通用しない」ということです。

いくら「言葉にしないと伝わりませんよ」と講師である私がお伝えしても伝わりません。それは受講生のみなさんが「体験」していないからです。人は「実体験」からしか学びません。だから、研修中に無言で見つめ合っていただきます。

研修が終わった後に、部署に帰って「想っているだけでは伝わらない」ことを思い出していただき、部下やメンバーに対して言葉を使っていつも以上に丁寧なコミュニケーションを取っていただければ、私の研修には意味があると思っています。そうやって小さな言葉を使った丁寧なコミュニケーションを積み重ねていくことからしか、人材が定着する【働きやすい職場づくり】や【人材育成】は生まれていきません

私が目指す研修講師像はこのように「当たり前だけどできていないこと」を認識していただくことです。そして、ご自身の行動に少しの変化を起こしていただきたいと思っています。

なぜこれを目指すようになったのか

私がこのように当たり前だけどできていないことをお伝えしたいと思っているのは、私自身が当たり前のことをできていない管理職だったからです。当時の私は、部下とコミュニケーションを取ることの重要性も、言葉を使って相手に伝える重要性でも「頭では理解」していました。本も読んで勉強もしました。しかし、実際に出来ていたかと問われれば、きっとできていませんでした。

頭ではわかっていることばかりでしたが、そこに行動が伴わず、部下を苦しめたこともあったと思います。自分の行動を変えなければいけない!ということを学んだ苦しい経験があって、私は自分の行動を変えましたが、その経験は今思い出してもとても辛い経験です。もっと早く自分の行動変容が起こっていれば、あんな辛い経験をする必要はなかったのかもしれません。

人材定着のための職場づくりや人材育成の基礎となるものは実はとてもシンプルです。ビジョンを繰り返し共有し、相手と丁寧なコミュニケーションを取る、相手への期待を明確にして任せる、そして「ありがとう」を言う、そんなシンプルなことが積み重なっていくことで、そこは働きやすい職場になっていきますし、働きやすい職場では人は育っていきます。人が育つ環境では、人は定着していきます。

これからもそんな【当たり前だけで出来ていないこと】を皆さまに気づいていただき、少しずつ皆さまの行動が変わっていくことを願って講師を続けていきたいと思っています。

人材定着のための職場づくりや人材育成についてお悩みの企業さんがおられましたら、お気軽にご連絡ください。大分県内は対面で、全国ではオンラインで対応させていただいております。


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