虫好き男子母の備忘録⑥〜命とは〜
《命について》子どもと考える
当たり前と言えば当たり前だけれど、昆虫を飼うと、《生と死》《命》を目の当たりにすることになります。
しかも、カブトムシの命は1年。産まれてから死ぬまでがたったの1年で、卵から幼虫、蛹(さなぎ)、羽化、交尾、産卵、死の繰り返しです。
カブトムシの一生
夏の始めに産まれたオスとメスが出会い、交尾をします。メスは交尾が終わると土の中に潜ってほとんど餌も食べず卵を産み続けます。そして夏の終わりには、オスもメスも死んでしまいます。(餌をたくさん食べるメスもいますが)
卵はBB弾ほどの小さな丸くて白い球の形です。数日経つと卵型になります。産まれたての幼虫は、1センチもなくて触れば潰れてしまいそうなほど。それが瞬く間に腐葉土の中で大きく逞しく育ち、2回の脱皮を経て、秋の終わりには三令幼虫になります。この時で40〜50グラムくらいかな?
そして春、5月から6月頃には蛹室(ようしつ)を作り、蛹になります。
そして数週間後に羽化して成虫に、そしてまた出会い、卵を産み、死ぬのです。
感動は親子で一緒に
この、当たり前に繰り返される《命》の繋がりを、小学生になる前の子どもでも、子どもなりに理解していきます。
大人が口で教えるよりも、目の前のカブトムシのお世話を通して体験することは、息子たちの心にしっかり残ります。
中には成虫になれずに死んでしまう者もいます。幼虫の時、蛹の間、羽化に失敗する者もいます。死んでいるのを見つけた時は、とても悲しくなります。一生懸命お世話して可愛がっているから、余計に《命》の儚さも感じます。
それから、蛹が入っている蛹室を間違えて壊してしまったり、羽化するのを手伝いたくなって触った事で羽が変な形になってしまった事もありました。もう、申し訳なさでいっぱいになります。私が思わず手を出したせいで息子に怒られた事も何度かありました。
反省だらけ。
後悔先に立たず。
人間が手を出してはいけない神秘の営みです。
逆に、蛹室を作るのに失敗した蛹を人工蛹室を作って羽化に成功したこともありました。この時は、親子で大喜びでした!!
こんな調子で、私自身も子ども以上に一喜一憂してしまいます。子どもと一緒に喜べば何倍にもなります。悲しい時は一緒に土に埋めて、ナームーします。そして、生き物は土に還っていくね、良い土になるね、と一緒に話し合いました。
人間だと、どういうことだろう?
そのうちに、子ども達は、カブトムシを通して自分のことにも置き換えて考えるようになりました。
《ぼくがママから産まれて、ママやパパもおじいちゃんおばあちゃんの子どもで、そのまた先にひいおじいちゃんとひいおばあちゃんがいるんだよね?》
《ぼくも大人になったら子どもを育てるの?》
《ぼくもいつか結婚する?》
《ママと結婚するのが良いな》《いいよ、そうしよう!》
と、いつかは自分が大人になり、多分、同じように結婚して子どもを育てるだろうこと。
まだ小さいと、いまいちピンと来ないかもしれないけど、少しでもこんな風に考えられるようになることが、私はとても嬉しかったです。
伝えたいことはカブトムシを使って
ちょっと飛躍するかもしれないけれど、私は伝えたいことや聞かれた些細な質問にも、カブトムシを使って説明するようにしています。カブトムシを飼っていて感じてきた色々な経験と結びつければ、子ども達にとって理解しやすいと思うからです。いい方法で、オススメです。
地球に生きるどんな生き物にも祖先がいてこれからも子孫を残していくこと、人間もその中のひとつでしかないのだということ。
皆、一生懸命生きていること。
どんな生き物も、命があって尊いものだということ。
地球は、それぞれの生き物が依存しながら生きていること。草や木、昆虫、草食動物、肉食動物、海の生き物も全部。
水や土や太陽にも大きな役割があって、とても大切なこと。
子どもの疑問も、私の話も、尽きません。
どんどん話は大きくなって、、、
昆虫と動物と人とは、どう違うんだろうね?
人間は学校に行くし、働くのはなんでだろうね?
人間は、結婚することや子どもを産むことは、それぞれが自由に決めているね。
子どもが欲しくても産まれないこともあるよ。
病気や怪我で元気に生きていけないこともあるんだよ。だから道路を歩くときは車には気をつけようね。。。
と、その時ニュースになった話題や、私が伝えたいなと思ったことも、その時その時でカブトムシを例えに分かりやすく説明すると、子どもなりに感じてくれています。
子どもだからまだ分からないと線を引かずに、聞かれたことも伝えたいことも、全部きちんと話そうと思っています。
小さい子でもその子なりに理解はするし、子どもだからこそ素直な気持ちで聞いてくれます。
擬人化したアニメ
昔、私が子どもの頃、虫が主人公のアニメがありました。みなしごハッチとかみつばちマーヤとか。ニルスの不思議な旅とか。(題名うろ覚え)
面白かったから今でもところどころ覚えています。
今の子どもたちにも見せてあげたいなぁ。
ここから学んだことって、多い気がします。
昆虫にも優しくなれるでしょうね。
いつか大人になった時に
将来、子どもたちが《生きる》とか《命》ということをじっくり考える時があったとして、そして、つまづいたり悩んだ時にも、子どもの時にママと話したことを思い出すかもしれません。
だから、これからも心の種蒔きのつもりで、折を見ては《命》《生きること》について、私なりに話していきたいと思っています。
大人になった時に、さて、覚えてるのかなぁ。。。覚えていなくても、きっと心の栄養にはなるはずですよね!?
余談〜交尾の話〜
ちなみに、交尾については、まだ上の子にも説明はしていません。
実際、カブトムシが交尾をしているところを何度か目撃したことはあります。
テレビなどで動物の交尾の場面も流れたりします。何してるの?と聞かれて答えに悩んだのですが、今のところは、結婚してるんだよと答えています。
このことについては、もう少し大きくなったら話そうかなぁ。と思っています。
大事な事だから、もう少しお兄ちゃんになってから、きちんと話したいと思います。
・・・続く
これは息子2人とカブトムシやら沢山の生き物を飼った時の思い出の備忘録です。いつか読み返せるように。そして、これから虫好き男子母になるかもしれないお母さん(お父さん)にもお役に立てたら嬉しいです。
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