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テレビの裏側

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テレビ制作・テレビ宣伝の裏側・思い出を綴ります。
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#朝の連続ドラマ

二人の監督の話

二人の監督の話

朝の連続ドラマ「京一輪」(渡辺典子主演)、そして「華の宴」(五十嵐いづみ主演)、両作品には二人の監督が関わった。

円谷プロダクションで「ウルトラマンシリーズ」を手がけた真船禎監督。

そして、東映東京撮影所で「鉄道公安官」等を手がけた中津川勲監督だった。

真船禎監督は、台本の出来上がりが遅れに遅れて、収録当日早朝になった時、「こんな状況の方がやりやすいんだ」とスタジオでおっしゃっていた。

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五十嵐いづみさん

五十嵐いづみさん

「華の宴」という「老舗そうめん屋」を舞台にした朝の連続ドラマで、僕はプロデューサーデビューした。主演は五十嵐いづみさん。

ある日、チーフ・プロデューサーの今岡大爾さんから突然、2名のヒロイン候補の写真を見せられた。

立花理佐さんと五十嵐いづみさんだ。

当時大好きで観ていた連続ドラマ「ニューヨーク恋物語」に彼女は出演しており、新人ながら独特のオーラを出していたのである。

今岡さんは言った。

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今岡大爾さん

今岡大爾さん

1983年4月、僕は入社してすぐ、「三枝の恋人ラブマッチ」という番組に付いた。当時流行っていた視聴者参加型お見合い番組である。

リハーサルの司会は、桂三枝さんの代わりに今岡大爾チーフ・プロデューサー。

僕たちADが視聴者の代わりに座る。

CP(チーフ・プロデューサー)が「初めてのデートはどこに行く?」という質問に「車で海へ行きます」と答えると、「しょうもない答えを言うな」と叱責される。

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「助監督」の仕事は大変‼️

「助監督」の仕事は大変‼️

収録現場の中でもいろんな部署と仕事をする事が多い「演出部」、すなわち助監督。彼らの一日はセットを拭く事から始まる。釘一本セットに落ちていれば、俳優さんのケガにつながりかねない。それを防ぐ為に、「演出部」は隅から隅まで掃除するのだ。リハーサルが終わって、各部署が準備に入れば、カメラや照明さんの為に、俳優さんの代わりに立ち位置に入り、準備の手助けをする。川や海のロケで飛び込むシーン。リハーサルで飛び込

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「朝の連続ドラマ」撮影の裏側

「朝の連続ドラマ」撮影の裏側

台本に「京都・清水寺」のシーンが出てきた。早速、「製作部」がロケ交渉に行く。

1週間通い詰めても、撮影許可は下りない。

人を替えて、「AP」が清水寺に通う事になった。

通い始めて10日ほど経っただろうか、清水寺が根負けして、実景だけなら2カットまでOKと言ってくれた。

昔、「東映」が「清水の舞台」の上で派手にチャンバラをやって、いたる所に傷をつける出来事があったという。

それ以来、撮影に

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女優・根岸明美さん

女優・根岸明美さん

黒澤明監督作品の常連でもある女優根岸明美さん。

「朝の連続ドラマ 京一輪」の撮影の時の話。

僕は「AP(アシスタント・プロデューサー)」をやっていた。

蒸し暑い夏の日の事。

内トラ

内トラ

うどん屋のシーンを撮る時、急にお客さんが欲しいと監督が言った。

エキストラは呼んでいない。

こうした時、登場するのが「内トラ」と呼ばれる「スタッフが演じるエキストラ」である。

そんな「内トラ」に周りのスタッフがいたずらをした。彼が本番で食べるうどんに大量の「七味」を入れたのである。

「よーい!スタート」と共に俳優さんの芝居が始まり、その手前で「内トラ」の「美術さん」が何も知らずにうどんを啜

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ロケで川に車ごと転落した‼️

ロケで川に車ごと転落した‼️

1986年2月、僕は「11PM班」から、念願の「ドラマ班」に異動になった。

「11PM」をやりながらも、僕は「ドラマ班」に行きたくて、当時「木曜ゴールデンドラマ」の収録をしていた千里中央の「千里文化ホール」に、「11PM」の仕事が終わった後、タクシーで駆けつけていたのだ。

それが認められたらしい。

ただ、1月に「ドラマ班」のチーフ・プロデューサーである今岡大爾さんに「制作部」のソファーに突然

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花いちばん

朝の連続ドラマ第1作「花いちばん」(1986年4月〜9月)。月〜金25分✖️130本の多分、長さで言うと「ギネスブック」に載ってもおかしくない長さのドラマだ。

毎週、「2時間ドラマ」を1本強、8ヶ月の撮影で「2時間ドラマ」を26本以上を撮り上げていく膨大な量のドラマだったのである。

スタッフのほとんどが、大阪で17年ぶりの「ドラマ制作」である。各セクションの段取りも当然ではあるが拙い。撮影時間

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勝新太郎さん

ある日の午後、僕は千里中央の朝ドラのスタッフルームで仕事をしていた。スタジオ収録中でスタッフルームは僕一人だった。突然、入口の階段を駆け下りる大きな音と共に、二人の男が飛び込んで来た。一人はこの朝ドラでドラマデビューを果たした奥村雄大さん(のちの雁龍さん)。そしてもう一人は、そのお父さんで、大映の看板スター・勝新太郎さんである。勝さんは、スタッフルームに誰もいないかの如く、ドスの効いた声で息子に芝

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黒澤明映画の常連・根岸明美さんとの大切な時間

テレビ局に入って最初に見た芸能人は早見優さんだった。僕が入社してすぐ付いた桂三枝(現・文枝)さんの番組にゲストとして来たのだ。

デビュー曲「夏色のナンシー」を歌った。元気溢れるミニスカートで彼女は歌った。その肢体は眩しく輝いていた。アイドルと出会えた瞬間だった。

僕はテレビ局に入って良かったと単純に思っていた。

今は結婚してオーストラリア在住の河合奈保子さんにも局内で出会った。

そして、「

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朝の連続ドラマ

朝の連続ドラマ

「朝の連続ドラマ」の歴史を書き残しておこう!
よみうりテレビ 月〜金8:30放送
日本テレビ 月〜金10:00放送

⭐︎花いちばん(1986年4月)
主演:池まり子
企画:今岡大爾
プロデューサー:岡本俊次
AP:山本和夫(YTV)、今村紀彦
演出:荻野慶人、山本和夫(元TBS)、津崎敏喜、岡本俊次

⭐︎花姉妹(1986年10月)
主演:手塚理美
企画:今岡大爾
演出:山像信夫、階堂昌和、小泉

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