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テレビの裏側

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テレビ制作・テレビ宣伝の裏側・思い出を綴ります。
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2024年10月の記事一覧

11PMの頃

11PMの頃

僕は宴会で浮かれていた。

場所はJTB(日本交通公社)の箱根の保養所。

時は1981年10月。この当時、内定をもらった学生は10月1日に東京駅に隣接するJTB本社に集合、新橋のホテルに缶詰めにされ、宴会。

二日目、箱根の保養所に移動して、またしても宴会。

そして、三日目東京駅のJTB本社に戻って来て拘束が解かれ解散となるのである。

大阪の自宅に帰って来て数日、JTBからの電話で僕は内定を

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テリー・ガー死去

テリー・ガー死去

アメリカの女優、テリー・ガーが亡くなった。

79歳。

https://youtube.com/watch?v=gMzS7m1_73w&si=AkV8gztcZbCBMtkj

僕が彼女を初めて観たのは映画「ヤング・フランケンシュタイン」。

そのコメディエンヌぶりが本当に素晴らしかった。

音楽監督・近藤由紀夫&小西香葉さん

音楽監督・近藤由紀夫&小西香葉さん

ドラマには「音楽」が必要だ。何度も御一緒したことのある男女音楽監督の近藤由紀夫さん&小西香葉さんコンビ。

最初に仕事をしたのは、僕がAPだった、鈴木京香、大沢たかお主演のドラマ「オンリーユー 愛されて」。

青山・骨董通りにある制作会社「イースト」の会議室。

彼等がプロデューサーの前でかけたのがチャールズ・チャップリン作曲の「スマイル」だった。映画「モダン・タイムス」に使われている名曲だ。脚本

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ドラマ「永遠の仔」と中谷美紀さん

ドラマ「永遠の仔」と中谷美紀さん

忘れられないロケがある。

連続ドラマ「永遠の仔」のクライマックスシーン。

多摩川河川敷の神社が現場だ。ロケは夜間なので、夕方キャスト・スタッフが集まって記念撮影。

子役の邑野未亜さん、勝地涼さん、浅利陽介さん、そして中谷美紀さん、椎名桔平さん、渡部篤郎さん、藤真利子さんを中心に百人余りでハイポーズ!

撮影は夜になってから始まった。

カット割りは100数十カット。カットの度にカメラ位置が変

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二人の監督の話

二人の監督の話

朝の連続ドラマ「京一輪」(渡辺典子主演)、そして「華の宴」(五十嵐いづみ主演)、両作品には二人の監督が関わった。

円谷プロダクションで「ウルトラマンシリーズ」を手がけた真船禎監督。

そして、東映東京撮影所で「鉄道公安官」等を手がけた中津川勲監督だった。

真船禎監督は、台本の出来上がりが遅れに遅れて、収録当日早朝になった時、「こんな状況の方がやりやすいんだ」とスタジオでおっしゃっていた。

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篠崎安雄さん

篠崎安雄さん

日本テレビの篠崎安雄さんと仕事で御一緒したのは、まだ僕が「高校生クイズ近畿大会」のサブディレクターをやっている時だった。篠崎さんは番組全体のチーフ・プロデューサー。

MCは福留功男さん。食べ物を出すクイズの前日の下見で、篠崎さんは出される食べ物を一つ一つ、真剣に味見されていた。さすが、元美術進行だ。

コロナ騒動が起こる前、篠崎さんと食事をする機会があった。定年退職を迎える前に、僕は諸先輩の話を

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五十嵐いづみさん

五十嵐いづみさん

「華の宴」という「老舗そうめん屋」を舞台にした朝の連続ドラマで、僕はプロデューサーデビューした。主演は五十嵐いづみさん。

ある日、チーフ・プロデューサーの今岡大爾さんから突然、2名のヒロイン候補の写真を見せられた。

立花理佐さんと五十嵐いづみさんだ。

当時大好きで観ていた連続ドラマ「ニューヨーク恋物語」に彼女は出演しており、新人ながら独特のオーラを出していたのである。

今岡さんは言った。

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笑福亭鶴瓶さんと夏目雅子さん

ABC朝日放送の隣、ホテルプラザの喫茶店で、緊張しながらコーヒーを飲んでいると、僕の脇腹をつかむ人がいる。横を向いたら、待ち人・笑福亭鶴瓶さんの笑顔がそこにあった。1本だけ御一緒したバラエティー番組の打ち合わせだった。

さかのぼる事、1ヶ月前、僕はプロデューサーから鶴瓶さんの番組をやらないかと言われていた。レギュラーでディレクターをやっている「11PM」以外では初めての単発番組のディレクター。し

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「女子」という「性」

「女子」という「性」

慶應大学4年の石川梨々花さん。

「ミス慶應」であり、「ミス大学」の日本一を決める「ミス・オブ・ミス」の「グランプリ」でもある。

やはり、ものすごく綺麗でため息が出る。

彼女のInstagramを覗いてみると、やはり「美女」がよくやっている「ブランドとタイアップ」して、「服」や「服飾品」の「開発」「販売」をやっている。

もう「内定」を受けているか分からないが、「女子アナウンサー」志望という。

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山本文緒遺作「無人島のふたり」

山本文緒遺作「無人島のふたり」

 作家・山本文緒さんの遺作「無人島のふたり」を読んだ。

ステージ4bの「膵臓がん」と診断され、余命120日と言われた山本文緒さん。

「手術」や「放射線治療」はもう無理。

「抗がん剤治療」を試すが、あまりの「しんどさ」に「積極的な延命」を望まず、「ホスピスケア」へと。

彼女の人生の終焉に向けて、「読者」を「作家自身」と思わせる「筆力」か凄まじい。

「作家」は58歳で亡くなる。

どんなつら

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階堂昌和さん

階堂昌和さん

「鶴橋康夫監督が連続ドラマ『永遠の仔』と『リミット』を何本ずつ撮るか❓そろそろ決めて下さい‼️」

僕は「永遠の仔」のスタッフ20人くらい集まった「打ち合わせ」兼「飲み会」で、そう切り出した。

俳優・椎名桔平さんら出演者が原作の魅力に惹かれ、鶴橋康夫監督が撮るという事で出演を決めたドラマ「永遠の仔」。

鶴橋康夫監督と長年の付き合いで、鶴橋監督が半分以上撮るならと脚本を引き受けた売れっ子脚本家・

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梅渓通彦さん

梅渓通彦さん

「ミチヒコいる❓」

その大声の不躾な電話はいつも突然かかって来た。

国会議員の池坊安子さんからだ。

「ミチヒコ」とは先輩プロデューサーの梅渓通彦さんの事。

池坊安子さんは梅渓通彦さんの実の姉で、茶道の池坊専永さんの元妻。

1994年夏、僕は東京の「ドラマ班」に異動して来て、まずは鶴橋康夫監督演出の「寝たふりしてる男たち」という1995年1月連続ドラマに付いた。

続いて、同年7月ドラマ、

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真鍋さん

真鍋さん

僕が真鍋さんと会ったのは、最後にプロデューサーを務めた連続ドラマ「天国への階段」での事だった。

彼は主演の佐藤浩市さんの「付き人兼マネージャー兼俳優」。

彼は明るくて、「現場の空気」がとても読める人。クレバーで、佐藤浩市さんからの信頼も厚い。

このドラマのクランクイン前、僕は「うつ病」を発症。何をする気も起こらず、初めて精神科に通い始めた。

「天国への階段」の撮影は北海道・浦河町から始まっ

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