ショートショート:タイムマシン
『で、できた!完成だ!』
『やった!ようやくタイムマシンの完成だね!博士…いや父さん!』
『ああ、これでわれら親子の悲願が果たせる…!』
天才と呼ばれた親子は、長年の研究と実験を繰り返し、ついにタイムマシンを作り上げた。二人には果たすべき悲願があった。30年前殺された博士の妻を殺人犯から救うことだ。犯人は博士の助手だった男だった。博士にとっては最愛の妻を、息子にとっては幼い頃に無くした母を、それぞれに救いたい思いを秘めながら研究を重ねてきたのだ。
『父さん、いよいよだ