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ショートショートをメインで書きます。興味があればぜひ読んでみてください。

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マガジン

  • ショートショート集

    ショートショートをまとめました。

最近の記事

ショートショート:日曜日

男は久しぶりに充実した日曜日を過ごした。数年ぶりに会う友人たちと酒を飲みかわし、近況報告や昔話に華を咲かせたのだ。 最近は土日にも仕事が浸食してきており、休みの日も寝て過ごすことが多かったが、この日ばかりは彼も仕事を忘れて楽しんだ。 酒宴が盛り上がりすぎて時刻は0時を回り、男はすっかり終電を逃してしまった。仕方がない、と男はタクシーを使い家路についた。心地よい疲れに包まれた男は帰宅後シャワーも浴びずに床に就くことにした。 男は夢うつつのなか酒の場の会話を思い返しては幸せ

    • ショートショート:左右

      『なぁ、これってどこのパーツだ?』 『それは…図面によると右上のところだな。』 『了解。あれ…これ嵌らないぞ?』 『悪い悪い、俺から見て右だ。』 『お前さっきからずっと紛らわしいぞ。おっ、嵌った。』 『すまん、次から気を付けるよ。』 『次はこのパーツだな。これは…どこだ?』 『それはさっきのパーツの下だな。ほら、そのくぼみのところ。』 『本当か?よし…おい、嵌らないぞ?』 『いやー悪い、今の俺から見て下だ。』 『おい、いい加減にしろよ。さっきからわかりづら

      • ショートショート:挟まれた男

        俺は挟まっていた。何を言っているのかわからないかもしれない。俺もこの状況がわからない。とにかく俺は今、何かに挟まっている。 挟まっていることに気づいたのは10分ぐらい前だろうか。何が起きたのか全く分からない。挟まっているからだろうか、頭がはっきりしない。 挟まっていて身動きが取れないが、体が全く動かないわけではない。頑張って左手を抜くことが出来た。だが全身を抜くのは厳しい。左手につけた時計をチラリとみる。買ったばかりの最新のスマートウォッチだ。どうやら時間は午前5時半のよ

        • ショートショート:限定品

          彼はジーパンを愛している。いわゆるヴィンテージものはもちろんのこと、最新のデザインのものまであらゆるジーパンに精通しており、その筋では有名人だ。彼は少年の頃から40年以上ジーパンを集め、自宅にはジーパンを保管するための部屋まで作ってしまったほどである。 彼は今、あるジーパンを狙っていた。新進気鋭のとあるブランドの最新モデルだ。若者に大人気のブランドであり、彼のような世代はなかなか行くような店ではなかったが、ジーパンマニアの間で話題になっていた。ジーパン専門ブランドではないも

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        • ショートショート集
          12本

        記事

          ショートショート:鏡の中の男

          男は出勤前の髭剃りをしていると、洗面台の鏡を見てふと『お前は誰だと鏡に問い続けると精神が崩壊する』という都市伝説を思い出した。昨日テレビで観てばかばかしいとは思ったが、話のネタにはなるかもしれない。ちょっと試してみるか、と思い鏡に話しかけてみた。 『おい、お前は誰だ?』 当然返事はない。確か言い続けるんだったなと男はもう一度鏡に問いかけた。 『お前は誰だ?』 『俺は俺だよ。』 『えっ?』 男は驚いた。なんと声が帰ってきたのだ。かすかだが確かに聞こえた。 『お前は

          ショートショート:鏡の中の男

          ショートショート:扇風機

          これは少し近い未来の地球のお話。 ある夏の日、一人の少年とその母親が買い物から帰宅した。家の中は夏の暑さで満たされ、むわっとした熱気が二人にまとわりつく。未来の世界でも夏は暑い。すぐに空調のスイッチを入れたが、すぐに冷えるわけではない。 『あっ!そういえばこの前買ったあれがあったな。使ってみるか。』 少年は思い出したように言うと、部屋からあるものを持ってきた。 『扇風機』だ。かなり歴史のあるものらしいが、空調の進化から近年ではめっきり使われなくなった。骨董品店でたまた

          ショートショート:扇風機

          ショートショート:タイムマシン

          『で、できた!完成だ!』 『やった!ようやくタイムマシンの完成だね!博士…いや父さん!』 『ああ、これでわれら親子の悲願が果たせる…!』 天才と呼ばれた親子は、長年の研究と実験を繰り返し、ついにタイムマシンを作り上げた。二人には果たすべき悲願があった。30年前殺された博士の妻を殺人犯から救うことだ。犯人は博士の助手だった男だった。博士にとっては最愛の妻を、息子にとっては幼い頃に無くした母を、それぞれに救いたい思いを秘めながら研究を重ねてきたのだ。 『父さん、いよいよだ

          ショートショート:タイムマシン

          ショートショート:窓

          『あら奥さん、何か疲れてるわね?どうしたの?』 『最近ちょっと嫌なことがあってね。』 『どうしたの?立派な豪邸を建てたばかりで先週まであんなに楽しそうだったじゃない。』 『その家のことなのよ。嫌なことって。』 『何があったの?』 『最近ね、窓から家の中を覗いてくる人がいるのよ。』 『やだ怖い!ストーカーとかそういうの?警察に相談したら?』 『うーん、ストーカーとかじゃないと思うんだけど...警察にも何て相談したらいいか…』 『だって庭まで入ってきて覗いてきてる

          ショートショート:窓

          ショートショート:選挙

          ある国で指導者を決める選挙が行われることとなった。 その国は独裁国家であり、先代の指導者は素晴らしい為政者だったが、その息子が後を継いでから政治行政の腐敗が始まった。かつては新興国として名も挙がることがあったが、現在では最貧国のひとつと数えられている。 選挙も投票は義務となっているが、国民は政治に期待をしておらずほとんどが空欄での投票となっており、息のかかった一部の人間が独裁者に投票する程度だ。 そこに一人の男が立ち上がった。彼は先代指導者の側近の息子だった。先代指導者

          ショートショート:選挙

          ショートショート:夜道

          男は夜道を歩いていた。その道は街灯も少なく薄暗い道だが、繁華街から住宅街へと抜ける近道だった。 男は歩きながら、今日会社から支給されたばかりの携帯電話を取りだした。最近珍しい、いわゆる"ガラケー"タイプの携帯だった。久しぶりに"ガラケー"を手にした男は、ボタンを弄ったり、設定画面をチェックしたりと機能の確認を始めた。そしてある機能が目についた。「フェイク着信」という機能だ。どうやらタイマーをセットし、カウントがゼロになると着信音が鳴る、という機能のようだ。この機能を使えば会

          ショートショート:夜道

          ショートショート:たばこ屋さん

          私は街のたばこ屋さん。ビジネス街の中で、こぢんまりと店を構えています。最近はたばこを買える場所も吸える場所も限られて来たので、お昼休みや退社後の時間帯はけっこう繁盛しているわ。 実はこの頃、気になる人がいるの。常連のお客さんで、平日ほとんど毎朝セブンスターを買いに来てくれる人。その人はすぐそばの喫煙所で一服してから出社していくの。私はその背中を見ながら、今日も話しかけれなかったな、とか、アプローチできなかったな、なんて後悔ばかり。 決してカッコいいとは言えないかもしれない

          ショートショート:たばこ屋さん

          人生を変えたゲーム。

          私は30代前半(♂)で、二人の兄の影響で幼いころからゲームが大好きです。特に好きなゲームはサガとFalloutですが、他にもいろいろと手を出しています。家には主要ハードはすべてあり、PCもバリバリのゲーミング仕様。好きが高じてゲームショップの店員にまでなりました。 ただのゲーム好きだった私が何故職業としてゲームにかかわるようになったのか、それはある1本のゲームとの出会いがきっかけです。 社会に出て新卒1年目の賞与でxbox360を購入。当時ハマっていた格闘ゲーム『ストリー

          人生を変えたゲーム。