炭化したパンと、それを見た老夫婦の感想(ポンペイ展行ったよの日記)
京都市京セラ美術館で開催中の特別展「ポンペイ」に行ってきました。
そしていきなりですがショートケーキです。
併設のカフェで腹ごしらえ。
じっくり鑑賞するには空腹ではいけません。
展示は撮影OKでした。来場者の皆様もスマホでカシャカシャ撮っていました。
わたしが訪れたのは平日だったためか、展示を見るために行列…みたいなことはありませんでした。
一部人が固まって流れが悪いところもありましたが、後回しにして別の展示を見て、タイミングを見計らってそこへ戻る、みたいな動線でスムーズに鑑賞できました。
さて、わたしもミーハーなので、一番のお目当てはもちろんこれ。
「炭化したパン」です。
イタリア近郊に位置していた古代都市ポンペイは、紀元79年に近くの山の噴火により灰の下に埋まりました。
特に、噴火が始まってから12時間後に発生した火砕流によって、人々は逃げる間もなく生き埋めになり、およそ2000人が犠牲になったと言われています。
そんな悲劇の舞台となったポンペイですが、一瞬のうちに火山灰の下に沈んだために、(火山灰が乾燥剤のような役割を果たし)当時の人々の暮らしが良い状態で保存されることとなったのです。
そんな発掘品のうちの1つが、この炭化したパン。
焼きあがった状態で灰に埋もれたであろうこのパンは、いま見てもふっくらとした柔らかすら感じられるほどです。
ちなみに、このように黒焦げになった食べ物はパンだけではありませんでした。
展示スペースには、同じく炭化したイチジクや干しブドウの姿も。
どれも見事に、真っ黒です。
この炭化したパンを見ていた時、わたしの後ろから一組の老夫婦がやってきました。
真剣に写真を撮りまくるわたしを横目に、展示ケースに近づいて説明文を読み始めたご婦人。
その後パンを見て、開口一番、
「あらぁ、もったいないわねぇ」
と。
これには思わず笑ってしまいました。
旦那さんのほうも、「そうだねぇ」とか同調してるし。
たぶん、パンを焼いた当人はそれどこじゃなかったはず…なんせ火砕流ですからね…。
でも、なんだかこの、1つのパンをもったいないと言える心の余裕というかなんというか、そのおおらかな心よ。
大事にして生きていきたいなぁなんて思いました。
結局、ひととおり展示を見ていたら2時間は軽くかかりました。
ボリュームたっぷりで、大満足です。
もちろん、オフィシャルグッズの「炭化したパンのクッション」(4950円)も買いました。
実はその隣に、「古代遺跡の柱の抱き枕」(通称:抱き柱)(6380円)もあってぐっと心を動かされたのですが、さすがに2つは買えないのでパンクッションで我慢…
この展示会は来月まで京セラ美術館で開催されたあと、宮城→福岡と巡回するようです。
この展示にかこつけてどちらかに旅行しちゃおうかなぁ、とか、ついでに抱き柱買っちゃおうかなぁ、とか、ひそかに考えています。
それくらい、ポンペイ展楽しかったです。
おわり。