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井村俊哉さんのα(アルファ)を作った3冊の書籍
井村俊哉さんは大学在学中に株式投資をはじめ、2011年に元手100万円で投資を始める。2017年に通算運用益1億円を達成。その後2022年に30億円を超えた。
投資手法は数千社の企業が発行してる決算書を朝から晩まで読み込み、まだ市場に織り込まれていない情報を武器に投資している。いわばファンダメンタルズ分析である。
過去の投資関連のインタビューで井村さんが述べた記事を印刷し、読み返していたところ井村さんの投資手法について分かったことがあったので報告したい。
1. α(アルファ)の正体について
井村さんは、2022-2023年に様々な投資関連のインタビューを受ける中で、度々α(アルファ)という言葉を使っている。
このαの正体は「超過収益」である。
市場平均を上回るリターンのことで「割安」「成長」「相場の勢い」の3つを掛け算して生まれるものだと語っている。
他の投資家が気づく前にいち早く見抜くことがαを取るための第一歩だ。
2. 超過収益(α)について
超過収益(α)は、次のように計算される。
超過収益(α)= 実際の収益率 - 期待収益率
期待収益率は通常、市場全体や特定の指標、またはリスクフリーレート(無リスク資産の収益率)を基準として計算される。
超過収益(α)が正の場合、ポートフォリオや資産は市場の期待を上回るリターンを達成していることを示し、負の場合は期待を下回っていることを示す。
実際に活用するには、日経平均やダウ平均などの平均成長率や期待収益率を指標とし、個別株の実際の収益率を比べる。その差で超過収益(α)を把握することができる。
以上が、井村さんの超過収益(α)についてである。
3. 井村俊哉さんのα(アルファ)を作った3冊の書籍
井村さんは生活のすべてを投資に掲げており、睡眠時間こそ確保するものの投資に費やす時間は毎日十数時間だとする。熱量だけは誰にも負けず、日本一時間を使っているという自負がある。
井村さんの投資哲学を形作り、衝撃を与えた書籍が3冊存在する。
どのように衝撃を受けたのかはインタビュー記事の中に書かれていなかったが、どれもバリュー株およびグロース株の最高峰として、そして有望株の見つけ方を教えてくれる投資の神髄を突いた書籍だった。
またこれらに井村俊哉さんのαの原点が書かれていることは間違いない。
1. 賢明なる投資家
ウォーレンバフェットが師と仰ぎ尊敬したベンジャミン・グレアム著のバリュー投資の書籍である。
誰も気づいていない成長する割安株を見つける方法を伝授されている。
2. オニールの成長株発掘法
ウィリアム・J・オニール著のグロース株投資の書籍である。
比較的小さな会社のうちに成長しそうな株を探し出し、短期的に利益を上げる手法が書かれている。
3. ピーター・リンチの株で勝つ
普通の投資家がプロに勝つ方法を説いた元凄腕トレーダー、ピーター・リンチ著の書籍である。
有望株の見つけ方から売買のタイミングまで丁寧に書かれている。
4. 総括
井村俊哉さんの投資手法αを身に着けるべく、過去の様々なインタビュー記事のスクラップ内容から本ブログを書いた。
αの正体は超過収益のことであり市場平均以上の利益を上げている企業を探し出すための手法だった。
多くの投資家は儲けるための投資手法を追いがちだが、井村さんのように実際に利益を出している投資家は一つの手法に拘らず、バリュー株投資やグロース株投資といった様々な観点から株と向き合っていることが分かった。