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表現の幅を広げる

 最近、少し時間ができたので過去のnote投稿を見返していた。少しカッコつけようとしている気持ちが透けて見えてくるので非常に恥ずかしい。そして、慣れていなかったので仕方がないが、文体もブレブレで読みづらいしキャラクターが掴みづらい。ただ、なにより見ていて気になるのは同じ表現が続くことである。

 同じ表現が何度も繰り返させると単調な印象を与えてしまう。単調な文章は読んでいる側を疲させてしまう。特に語尾は敬語を使っていると「〜ます」か「〜です」のほぼ2択になってくるので注意が必要だ。これはなかなか読みづらい。堅苦しい文章という印象を与えるだけでなく読んでいる時の言葉のリズムが悪くなってくる。そうすると書き手に対しても書き慣れていないという印象をもたれてしまう。そこでわたしはあるときからこの文調に変えたのである。

 他にも単調にしないための方策をわたしなりに考えてみたのでいくつか紹介したい。例えば言い換えるというのは一つの手である。「〜に行く」という内容を伝えるのも「向かう」「訪ねる」という表現に置き換えることができる。さらに車で行くなら「〜まで車を走らせる」なんて表現でもこのニュアンスを十分に伝えることができる。もう一つは表現を具体的にすることである。例えば「明るい人」がいたとしても、その人がいつもニコニコと笑っているのか、話し方が陽気な感じなのかなど、「どのように明るいのか」によってより具体的な表現を加えることができ、その違いによって相手に伝わるニュアンスが変化する。そしてそのニュアンスが具体的であればあるほど他の箇所で同じ「明るい」という言葉を使っても差が生まれて単調さを回避することができる

 これらの方策は一つひとつの言葉と向き合うことにもつながる。こうした作業をしていると自分が使いがちな表現も見えてくるし、似た言葉の微妙なニュアンスの違いにも気を留められるようになる。これらはnoteを書く以前に1人の日本語の使い手としての深みをもたらしてくれるはずである。

 最後は少し投げやりな言い方かもしれないが、多様な書き手の文章に触れることである。本などを読んでいると「こんな表現の仕方があったのか」と思うことは少なくない。もちろん表現する場やそれを受け取る相手によって使うべき表現のレベルや傾向は変わるがそうした引き出しが多いことはマイナスには働かないはずだ。引き出しを豊かにして表現の幅を広げてみよう。

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