辿り着いたのは。〜手帳の佇まい(37)
人は生涯、平均して何本の
ボールペンを所有するのだろう。
何本のペンを使い果たす、使い切るのか。
職業人になって30数年、
僕は何本のペンを使って来たのか、
いや、お世話になってきたのか
と考える。
思えば、スマホのメモアプリを使うようになってから、紙にペンを走らせる行為がめっきり減った。とはいえ、大切な人への手紙、自分の思考や感情を整理したいとき、これは貴重だと思える言葉に出くわしたときは、万年筆を握る。また、システム手帳のスケジュール欄の記入には、ボールペンを手にする。
30代の頃から国内メーカーや海外ブランドの多機能ポールペンを伊東屋や丸善、東急ハンズ等で買い続け、最近になって単機能の良さを覚えた。伊東屋オリジナルの「ROMEO」、英国のPARKER、米国のCROSS、独国のrotringなどは随分と買い揃えた。
感覚としてざっと50本以上は買っている。
たったそれだけ?という貴兄もおられよう。でも平凡なビジネスパーソンである我が感覚では「50本も」なのだ。
還暦近くなり、最近、
辿り着いたペンがある。
三菱鉛筆ゲルボールペン
ユニボールシグノ(Signo DX)。
近所の食品スーパーでも売ってる。
しかも百数十円。
ボディも細く、筆感が滑らか。
ゲルインクの走り加減が
我が感覚に合う。
キャップ式とノック式があるが
僕は断然キャップ式。
グリップ感覚が違う気がするからだ。
(錯覚かもしれないが)
このペンを握ると、親指と人差し指、中指の先に、神経が集中し、丁寧な字を書こう、という気分にさせてくれる。
キャップ式なので手帳には挟めず、僕は、鞄、拙宅デスク、オフィスのデスクに数本ずつ置いている。
今はもう、手帳にはこのペンしか
考えられない。
理屈ではなく心が求めるペン。
結局、辿り着いたのはこれ。
都会の大型文具店に行かずとも
百数十円で手に入るこのペン。
使い捨てではある。
地球環境は気になるが
毎日長文を書きまくることはない。
1本を何ヶ月も使う。
見栄を張る歳ではない。
心地良いのが何より。
今日もお読みくださり、
ありがとうございました!!
良い一日を!!