見栄と本音と〜書棚から
経営トップの方がこれまで
どんな本を読んできたかを紹介する
主要新聞等の常設のコーナーがある。
その御仁たちは、
彼らが長たる組織の事業特性に
合わせた本を選んでいるようにみえる。
というか、そうなのだろう。
例えば、生保会社の社長なら
生命保険の歴史とか人命に関わる本など。
僕は思う。
こうした偉大な方々の自宅の書棚には、
実際、どんな本が並んでいるのかと。
心から好きな本ってなんだろうかと。
対外的に紹介出来る選書基準は
以下のようなものではないかと考える。
①自分の携わる組織や業界に関する本
②若手に役立つだろうと思う本
③洋書や古典等、少し知的に映る本
④シリーズもの、大作など要根気の本
⑤さすが!と思わせる本
⑥ちょっと意外!と思わせる本
選んだ本によって人格や知識レベルが
測られてしまう懸念もあるのだろう。
ガッカリさせたくないという思いも。
それが悪いとは思わない。
ある意味、仕方ないこと。
本来、読書は自分のためのもの。
人に見せる為のものではない。
好きな本を気ままに、
自分に必要な本を真剣に
自分なりに読めば良いはず。
もう10年以上前に、会社のイントラに
役員たちのお気に入りの本を
紹介することになり、
僕はある役員(上司)に何を選ぶのか
訊いたところ、彼はこう言った
「池波正太郎とかじゃ駄目なんだろう?」
まだ司馬遼太郎なら大丈夫か、との意見。
彼は結局、梅原猛氏の著作を選んだ。
本当は彼が無類の北方謙三「水滸伝」好き
だと僕は知っている。
立場が上になるとつらいと拝察する。
自分の好みを晒せば良いだけではない。
その点、僕なんぞは、
北方謙三も山本周五郎も葉室麟も
原田マハも東野圭吾も、
大好きと大声で言える。
漫画は読みません。空想を楽しみたく。