梶井基次郎「檸檬」2主催者の感想
今回読んだ箇所から「身体性の回復」ついて考えました。主人公は檸檬を手にしたことにより、その温度、重さ、匂い、触覚、たぶん作品には書かれていませんが、たぶん見た目から酸っぱさも感じとったのだと思います。檸檬から、自身の外部から内部への侵入、侵食を感じたのでしょう。また主人公は肺尖カタルを患っており、常に熱のある状態で、夢と現実の境界が曖昧な、常にふわふわした中にいる状態だったと思います。ふわふわとした中では、生きている手触りを見つけるのは困難であり、それが心の抑圧になり、「えた