冬鳥がやってきた
森の散策へ行く格好も半袖から長袖、長袖の上にダウンベスト・・・。どんどん厚着になり、季節の移ろいを肌で感じている。
奈良にある丘のような山「若草山」標高342m。ここは、ナンキンハゼが真っ赤になりススキが穂をつけ、今まさに秋真っ只中だ。
夕焼けで山肌のナンキンハゼが赤く染まる様子を見た後は、満月と鹿でも撮影しようかと思って、いつもよりたくさん着込んで来た。
陽も暮れかけ、風も少し強くなり、けっこう寒いなぁと草むらの中に腰を下ろして月の出を待っていると、何やらカサカサと近くで音がする。
音のする方向を見てもぱっと見、何もいないけど。鹿じゃないなぁ。
カサコソ
けっこう近いとこで!
よく見てみると、足下の草の中でスズメくらいの大きさの鳥がいる!
全体に少し緑がかった灰色の羽に、目のあたりにキリっと白い線がある。そして喉がピンク色みたいな赤!地味だけど派手!
寒いのか、ふっくら丸々している。今日はここをねぐらにしようとしてるのか、私の存在に気付いても退く気配がしない。めっちゃ見れるしラッキー★
そのうち陽も沈み、月が顔を出し始めたことに気をとられているうちに見失ってしまった。
この鳥はノゴマという冬鳥らしい。「野原に住んでいるコマドリ」だからノゴマだって。基本的には喉が赤いのがオス、白いのがメスだそうだ。
鳴き声も検索すると、この時期に若草山でいつも聴こえていた複雑だけどごきげんな高めのさえずり。ずっと何の鳥だろうと思っていた。それがノゴマの声だったのだ。
ネットの画像ではノゴマはみんなスリムだ。足も少し長めの印象。
真冬に、冬毛を逆立てて丸く膨らんでいる雀を「ふくら雀」と言うけど、私が今回見たのはそれだな。「ふくらノゴマ」だったんだね。