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【部下育成】ケーススタディから学ぼう 〜2年目の社員編〜


人事コンサルタントをやっていると、よく経営者や管理職層の方から「部下の育成でこんな時どうしたらいいの?」とお悩みを聞くことがあります。

今回はそんな人材マネジメントに関するお悩みを実際のケースから対策方法を考えていきたいと思います!

ケース① 対応スピードは速いが、うっかりミスの多い部下

仕事の対応スピードは速いが、メールや文書作成で誤字・脱字などケアレスミスが多く、そそっかしい横着者の部下への対応。

ケース① 対処法

⇒ ミスが生じている事象の事実確認とその原因を本人へ質問する。

⇒ 問題の深掘り質問をする(繰り返し、問題事象が起こっているのはなぜか、根本原因を本人が理解していないケースが多いため)。

⇒ 仕事に対する考え方を今一度指導する。例えば「スピード」と「正確性」のどちらが優先順位が高いのか質問する。その際に自分目線ではなく、あくまで相手目線で考えさせることが大切です。 

⇒ 正確性が低いことによる悪影響をリアルに想像してもらい、問題であること自体を認識させる。例えば「うっかりミスが連発して大切なお取引先からの信頼が失墜してしまうリスク、売り上げ・利益など機会損失を招いてしまうリスク」を伝える等。本人がたいした問題(リスクが小さい等)でないと認識していること自体が問題であると自覚できるか、また是正することを本人と合意することが重要です。

ケース② 業務上でのミスやコミュニケーション不足が頻繁に見られる部下

社内外問わず業務上での些細なミスが頻繁に見られると、ゆくゆく大問題に発展しかねません。部下に対して、都度厳しく指導しているが、同じようなミスを繰り返しており、なかなか改善が見られない場合の対応。

ヒヤリハット:ハインリッヒの法則(1:29:300、分析により導かれた労働災害の発生比率)では、1 件の重大事故のウ ラに、29 件の軽傷事故、300 件の無傷事故(ヒヤリハット)があると言われています。

ヒヤリハットを繰り返し起こさないためにも、このような部下をどう指導すれば良いのか。

ケース② 対処法

⇒ 自分自身で同じミスを繰り返している根本的な理由が何かを自分で考えさせる。
※ 厳しく指導して尋問形式になっているとその場を乗り切るために、安易な解決策に逃れてしまい叱責がすることがかえって逆効果になっている恐れがあるので注意が必要です。

⇒ 課題が見えておらず対策を実施している恐れがあるため、真因に行き着くまで深掘り質問する。
※   本人が問題解決思考力を学んでいたり、身についている場合にはこの対処法は有効ですが、そんな考え方を知らない、または学んでいない場合には正しい仕事の考え方やスタンスを教育する必要があります。

⇒ 業務上でのミス、またはコミュニケーションミスが頻繁に生じている場合に確認していただきたいのが以下事項です。

✔︎ その問題事象は個人の問題であるのか、組織の問題であるのか

✔︎ 対象者は同じ業務で複数名存在しているのか?特定の個人だけか

✔︎ 他マネージャーも同様の問題が部下に起こっているのか

⇒ 問題事象が個人だけの問題であれば、部下の仕事の考え方・仕事の仕方を教育する必要があります。

⇒ 同じようなコミュニケーションミスや業務上のミスが複数の部下でも頻発している場合には、上司側の部下マネジメントに問題がある可能性があります。

⇒ 他マネージャーでも同様の問題が生じている場合には、部下の問題を超えて組織風土、社内教育の問題である可能性もあります。

⇒ 業務上でのミス、コミュニケーションミスは「期待値の認識GAP」から生じます。部下だけの問題だけと決めつけずに、上司として部下にどのような期待値の伝え方、部下がどのように期待値を受け取っているのか、認識がズレがどの時点から生じているのかを捉え直すことが、根本的な問題解決につながる場合もあります。

⇒ 業務上でのミス、コミュニケーションミスが頻繁に見られる部下を採用した会社として、どんな人材教育ができるのか、仕事ができない部下というレッテルを貼ってしまう前に、時間はかかっても上司から部下に丁寧に期待値を伝える、その期待値の受け取りを確認する、改善している様子をチェックする、フィードバックを繰り返すといった、根気強い部下指導も最終的には必要だと思われます。

「部下は上司を映す鏡である」「社員は会社を映す鏡である」「親を見て子は育つ」と言われるように上司側の認識を正す必要があるケースもよく見受けられます。

次回は3年目社員編をお伝えいたします。
お楽しみに!


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