シェア
アイスを二つ買うのなら スプーンも二つ取らないと わたしは慰めたかったはずで せめて海…
水溜りに映った緞帳 幕がしゅるしゅる 舞台が滑る サイダーの泡みたいに声が 浮いて は…
怖い夜を照らして おぼろげな輪郭を正そうと 線を引く線を引く線を引く (あのひとは1999…
お父さんが眠っているのを見たことがない 「おやすみ」と「おはよう」がつながってるみたい…
あなたの熱い心臓を、どうか最後まで酷使してください。 そうであってください、どうか、あ…
「おそらにしわができてるよ」 人差し指をとんぼが眺む 確かにあれは空のしわ …
「マヨかけないで」が今日も言えないし わたしは枕と散歩します 砂利砂がそろそろ義足に溜まっているらしい 買い物リストをチラ見して漏れた息 台風でも作るつもりか それに乗って、バッグを残して、地獄行こう 舌切り雀が落ちる地獄へ 枕が逃げた あーぁいよいよ帰れない ダイブさせて頂きますそうします、だってそれしかないので 「ただいま 」
どこにも行けないキャリーケース 中には何が入っていたの ぱんぱんで重かったはずなのに 結…
ぼくが何しても許してね 口紅はいつも遠いけど きっとオレンジをぼくに掲げて 残念、今日は…
あなた、ガラクタまみれでここへ来た ここはオゾン層の裂け目 容赦ない熱線があなたを何度も…
神主が駆け落ちした神社には、 クモの巣飾りの神楽殿がある 本を燃やすのはここにした 下へ…
ものにいのちはやどるでしょうか そこにあるのは生でなく 生がないから死でもなく もののこ…
おじちゃんの酒屋が潰れてコンビニができた ぼやけた自販機の光を隙間なくLEDが塗りかえた(…
川の流れは騒がしい まるでひとつのような顔をして ばりばりがらがらどうどうざらざら からころからころさりさりするする 人をのみこんでゆく 肉体は透過し精神のざわめきはより大きなものに掻き消される わたしだけが静かだ 細く白く糸が紡がれて切れて ただひたすらにつぎへとゆく 騒がしく忙しない わたし そこへいきたい