昇り火
あなたの熱い心臓を、どうか最後まで酷使してください。
そうであってください、どうか、あなたは、
ぎらぎらとまわりを灼き、数多の蝋燭に火を灯し続けてください。
それがあなたの美しさだと信じているのです。
誰もあなたの首を絞めなかった。
誰も走らなかった、あなたのために。
そこは酷く焼けるだろう。
指が悴み割れるだろう。
だのに、そんなに白く瞬いて
炭を置き去り炎に乗って、
あなたは昇って龍を放した。
今、あなたを想うのは身勝手です。
あなたと私を繋ぐのは傲慢です。
叶えようのない祈りです
誰かとその手を繋いでて。