子供の記憶と夜の散歩
以前からなかなか寝ないと言っているうちの娘。彼女の最近のブームは、ままごとお散歩。最近はもっぱらいろんなものを食材に見立てて料理ごっこをしたり、ぬいぐるみかパパを患者見立ててお医者さんごっこをしている。
毎日が楽しすぎてなかなか眠れない彼女は、夜10時前に、お外にお散歩に行ってお星様がみたい、と言い出した。
半年の妹も寝かさないといけないし、明日は保育園あるし、お風呂に入ってもうすっかりパジャマな状態から外に出るもの面倒だし・・・
3歳児をこんな時間に外に連れ出すなんて、親としてどうなの?という見えない声も聞こえくる。だめ!寝なさい!
でも___何度も行きたいな〜と言うし、土日はパパママの仕事の兼ね合いで公園に連れて行けなかったし、月や星は見えないけど涼しくて秋の夜って感じの天気だし、そもそもどうせ今寝かしつけても寝ないし・・・と少し心が揺れ動く。
子どもは早く寝るもの、寝かしつけなきゃだめだ!という視点を持っていない夫と、夜のお散歩がしたくてたまらない娘の連合軍。
夜ちょっと家族でお散歩にいくって、子供にとってはとってもスペシャルなことで、楽しい記憶として残るんじゃないか?たまにはいいじゃない。
楽しい思い出を作っていこうよ。
という言葉に最後のひと押しをされて、夜の10時すぎから、ちょっとお外をぐるっと散歩に行った。
出かけてみると、いつも通る普段の道が、新鮮でワクワクする初めての道のようで、風も心地良くて開放的になる最高の時間となった。
思い返せば、子供が生まれてから引っ越してきたこの街を、夜歩いたことがほぼない。2年くらい前にお願いして出かけてた会社の飲み会の帰りがちょうどこの頃の時間か、肘が外れて救急病院にタクシーで行ったあのときぐらい。偶然にもどちらも雨で暗い街だった。
嬉々として5m先を歩く娘と、抱っこ紐に抱かれた娘と、夫と4人でお散歩する時間。4人揃って夜歩くなんて初めての時間。それはそれはスペシャルだった。
ここしばらく、なかなかゆっくり夫婦二人で会話する時間がなかった。理由は仕事がお互い忙しいのと娘が割り込んで会話が続かない・・・とか。だけど夜の散歩は娘が先をズンズン歩くの二人でゆっくり話ができた。
今、実はこんなこと挑戦したいんだよね、
今度の仕事でこんなことかんがえてるだよね。
なんて夜風に吹かれて、付き合ってたことの夜の道のような感覚。
あぶないからママとパパとえりちゃん、みんな手と手をギュ!だよ!
と、パパとママの手を繋がせて、自分はまたずっと先をズンズン歩くんだけど、久しぶりに夫と手を繋いで歩いたりして、ほっこりじんわりあったかい手を感じた。
いい時間だった。本当に心地良くていい時間だった。
出かける前の、着替えるのも面倒だし、夜子供を連れて歩くなんて世間の目もあるし、いやだな・・・という気持ちを振り払って、一歩踏み出してみて良かった!と大きな気づきだった。
何でも一つ、踏み出してみる。いつもと違うことをやってみる。試してみる。
新しい発見や気づきが必ずあるし、そこに知らない幸せがあるんじゃないか!?という変化だった。
いつもと違う何かを恐れず、面倒くさがらずやってみること。これを体験した私の夜の散歩であり、
娘にとっては、夜のお出かけは、たった15分程度の小さな冒険になったようだ。
一回だけよ!特別よ!と言って出かけた夜の散歩。みんなハマってしまって、定期的な行事になってしまいそうだ。
そしてそんな時間のすぐ後に出会った藤井風。そしたらこんなことになった。
最近、心がヒャーヒャーしてばっかりだ。