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男性の育休がどんなに増えたとしても、変わらない事がある。

「無理しないでくださいね」

長男の妊娠が分かった日。
産婦人科の先生からそう言われた。

「無理しない」

私は、この言葉の捉え方に最後の最後まで悩んだ。

産休に入れるのは、予定日の6週間前。
だけど、悪阻から始まり妊娠期間中はマイナートラブルが沢山起きる。

妊娠期間はとても長い。
私はこれこそが、解消しようのない男女最大の差だと思う。


毎日が無理


私の悪阻は「そこそこ」だった。
1日に3回位嘔吐をするものの、「何も食べられない」という状態ではなかった。

むしろ「何かを食べないと吐く時に辛いので食べる」という、拒食症?みたいな感じだった。

でも、私が最も苦しんだのは悪阻が終わってからだった。

「お腹が張る」
「頭が痛い」

そういう「見た目」には分からない、感覚的な症状が頻繁に表れた。

特にお腹の張りは少し歩いただけでお腹がカチカチに硬くなり、とても不安になった。

正直、通勤をしている時点で「無理している」なのでは?と怖くて仕方がなかった。

結局27週の時に、自宅で横になっていても張りが収まらずに緊急で産婦人科を受診したら「強制入院」となり、1週間程入院した。


でも、退院した後も「すぐにお腹が張る」という症状は変わらず。

あまりにも張りが強い時は「張り止め」の薬を飲んでやり過ごす…という
不安な日々が続いた。

「妊娠〇ヵ月 お腹の張り」
「妊娠〇ヵ月 頭痛」

等とスマホで検索すると「それっぽい記事」が無限に出てくる。

身体に違和感を感じるとスマホで延々と検索沼にハマってしまい、とてもシンドイ日々だった。

出産が怖い


まぁ、何と言っても出産は怖い。

「一体、どれくらい痛いんだろう?」

と不安で仕方がない。

30週を超えてくると、少し腹痛を感じただけで「え?始まる??」とソワソワして仕方がなかった。

陣痛と普通の腹痛の差にちゃんと気が付けるだろうか?と心配していた(笑)

だけど幸いにも?
私は長男も次男も「破水」からスタートしたので、「いよいよ始まるんだ」とスイッチが入るキッカケがあった。

病院に到着し、病室で子宮口が開くまで待機。
この待機時間がもうそれはそれはシンドイものだった。

痛くて「もうやめたい!」と言いたいけど、産まなければ終われない。

どんなに横で夫が「頑張れ!」と手を握ってくれても、夫は1ミリも痛くないのだ。


長男は破水から出産までが5時間が初産としては超安産だった。

次男は破水した時に34週だったので、病院に着いてから丸2日間は「お腹の中に留めさせる」ために点滴で張りを抑えて出産を遅らせる…という処置が施されて長期戦になった。

痛くて眠れない2日間を過ごし、いよいよ体力の限界が近づいてきたので薬を止めて出産に臨んだらすぐに生まれた。


私が比較的「安産」だったのは、マタニティスイミングに通っていたおかげだと思っている。

マタニティスイミングは出産したら終了という「いつ終わるか分からない習い事」の為、毎週会っていた妊婦仲間と「来週は会えるかなー?」等と言いながら別れるのがドキドキして面白かった。


実施しているプールがとても少ないので、もっと増えて欲しいと思う。

そして妊婦さんには「マタニティスイミング休暇」を是非プレゼントして欲しい。

産後はゆっくりしたい

私は長男・次男共に個人経営の小さな産婦人科で出産した。

・個室
・ご飯が美味しい
・母子別室
・授乳は3時間ごと(6時、9時、12時、15時、18時、21時のみ)

という病院だったので、夜はグッスリ眠れた。

授乳の時間になると入院中のママが「授乳室」に集合して、一斉に授乳を開始する。
最初は恥ずかしかったけど、1日に何度も顔を合わせると段々「連帯感」みたいなモノが出てきて、会話も弾んだ。

そして生まれたばかりの赤ちゃんにも、個性がある事を学んだ。

すぐ寝てしまう子。
泣き声の大きい子。
生まれたばかりなのに、沢山おっぱいを飲める子。

30分程の楽しい時間を過ごし、我が子とお別れする。

別室はちょっと寂しかったけど、退院後の「24時間営業」に備えて体力を回復させるための大切な充電期間だった。

2人目妊娠中の時は、この病院で「産後入院期間」を過ごす日を待ち望んでいた。


市営病院で大部屋なら、補助金の範囲内で出産できた。
でも私は持ち出しがあっても「個室でゆっくり休息できる病院」が良いと思う。

一体何故急にこんな話を?

さて。
もう出産が「かなり前」になった私が何故急にこんな話をしているのか?


それは。
子供がお世話になっている先生が、この度「妊娠」されたのだ。


妊娠が発覚してから休みがちで、色々と周りに影響が出ている。
先生は職場の人だけではなく、子供や保護者に接する人なので本当に大変だと思う。

私がかつて

「頭が痛い気がする」
「お腹が張っている気がする」

と、不安になり仕事が憂鬱だった日々を思い出す。


子供を産む事を選ぶのは、もちろん個人の選択にすぎない。
だけど少子化の日本で「出産」を選択してくれる人はとても貴重な存在だ。

妊婦さんには「これでもか!」という位、贅沢で幸せな日々を過ごして欲しいと思う。

産後の入院期間が極楽すぎて「また産みたい♡」って思う位、お金の事も気にせずゆっくりと癒しの時間が取れたら良いと思う。


どんなに男性の育休が義務づけられても、妊娠期間の10ヵ月や出産は変わらない。

女性が「日々身体の変化を感じながら仕事を続ける」という日々はラクにならない。

妊娠しても安定期まで持たないかもしれない。
安定期を迎える前がシンドイ。

身体の不調だけではなく、精神的にも不安定になるのが妊娠期間。

安心してお腹の赤ちゃんを育てられる日本になって欲しいと願う。

<あとがき>
知人の元CAさんは、妊娠すると飛行機に搭乗できなくなるので空港のスタッフになるか、休暇に入るかを選択できたそうです。
妊娠中の休暇が、人生で一番健康的で楽しい日々だったと話していました。
どんな企業で働いていても当たり前に、休暇が取れたら良いですよね。

今日も有難うございました。





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