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「商店街」は理想の子育て環境かもしれない。

「俺もやりたい!」
「見えな~い!!」

個人で経営する自転車屋さんの店内で。
パンク修理を見せてくれる店員さんの周りに子供が集まっている。

子供達は行程が進むにつれてどんどん前のめりになり、作業スペースが狭くなってきていた。

いいな。
こういう事なんだよ。
子供の夢中を引き出すって。


2回目の町たんけんボランティア


長男(小2)の通う小学校で、2回目の町たんけんボランティアをしてきた。

前回は学年全員で大名行列の様にウロウロと町内を歩くだけで、ただのお散歩みたいだった。

でも今回は、10名前後のグループで行先を分けて現地でインタビューをするという踏み込んだ内容だった。

「町」と言っても、長男の通う小学校の学区には保育園、幼稚園、支援学校等の教育機関もあれば、チェーン店のファミレスや商業施設、個人経営の商店などバラエティに富んだ構成。

私が担当するグループは個人で経営する自転車店だった。
そして長男も同じグループだった。

予定調和なインタビュー

出発前に先生に「町たんけん」の説明をしてもらった。

今回は、現地での「挨拶」からインタビューをする内容まで事前に細かく決められていた。
台本らしきモノに、誰が何を聞くか?までしっかり書いてあった。


私は正直「ちょっとつまらないな…」と感じていた。

更には驚く事に、この「台本」が、事前に訪問先の人にも渡されているとのこと。

何だろう、その「安心・安全」な感じ(笑)

現地に行って子供が興味の赴くままに見学をして、聞きたい事を聞けば良いのに。
聞きたい事がなければ何も言わなくても良いのに…。

お店の人だって、何を聞かれるか分からない方が面白いのでは?


実際に訪問先へ到着すると、子供達は一箇所に集まりぎこちない挨拶とインタビューをしていた。

やはり予定調和のインタビューは5分もかからず終わり「自由見学」の時間になった。

子供は裏側が大好き


自由見学を10分程した頃、お店の方が「みんなでパンク修理をやってみようか?」と提案して下さった。

子供達は一気にテンションが上がり「見たい!」「やりたい!」とすぐに集まってきた。

まずはタイヤがパンクしているかどうか?を調べるために、水の入った桶にタイヤを入れて穴の開いている箇所を探す。

穴の付近にやすりをかける。

接着剤を塗る

ドライヤーで接着剤を乾かす

タイヤと同じ素材のシールを貼る

作業時間として10分程度だったけど、子供達は物凄く前のめりだった。

挨拶やインタビューをしている時はよそ見をしたり、店内をウロウロ歩いていた子供も、パンク修理の時は一瞬も目を離さず見つめていた。

子供達がどんどん前のめりになり、1つの行程を終える度に手を伸ばしている姿を見て、「体験」とはこういう事だな…改めて感じた。


子供達はパンク修理を通して、店員さんに親近感を抱いた様でパンク修理の後は店の奥にある倉庫に目を向けて中に入りたいと言い出した。

倉庫の中には修理に必要な工具・スプレー・作業台など珍しいモノが沢山あった。
それらを興味津々で触り、「これは何をするの?」と次々に質問が出てきた。

予定調和のインタビューよりも真剣な表情だった。


店頭にはピカピカに磨かれたカッコ良い自転車が沢山並んでいる。
それにも関わらず、油汚れのついた工具の方に興味を持つ子供達。

子供達は「裏側」が見たいのだ。

「町の大人」が育ててくれる

こちらの自転車屋さんは、家族経営で代々続いてきた個人商店である。
町内会のお祭り、子供関係の行事等にも積極的に関わり、いつも良くして下さっている。

この日も営業時間の中で1時間も子供に時間を使ってくれた上に、お土産(鉛筆・消しゴム・交通ルール冊子)まで下さった。

対応してくれた店員さん、そのお父さんは勿論、長男の通う小学校の卒業生。

店の中には、過去に同じ小学校の高学年生徒が見学に来た後に書いた「お店のレポート」の様なモノが大事そうに飾られていた。

自分が育った町、自分が学んだ小学校。
大切な後輩に対する愛情が溢れてる気がした。

特に「自転車」なので、子供が親に買い与えてもらって喜ぶ様子も何度も目にしているだろうし、地域の子供が買いに来る事、修理を依頼しに来る事も多いだろう。

お客さん対応中も、パンク修理中も地域の子供が来れば無下にはしないだろう。


残念ながら、私も夫も「仕事中の姿」を子供に見せる機会は多くない。
電話対応とPCとにらめっこしてる姿しか知らないだろう。

でも「〇〇屋さん」は、分かりやすい「働く大人の姿」である。

私が今住んでいる町も、昔は「商店街」と呼ばれるものが身近にあったらしい。
だけど今はごく僅かしか個人商店はなく、私の住むマンションからは大型の商業施設の方が近い位だ。

もちろん商業施設でも「働く大人」には沢山出会える。

だけど「個人商店」を営む大人とは距離感が違う。
何度も訪れたら顔を覚えて貰える。

町内の行事で一緒にお祭りの運営をしたり、お神輿を担いだり、親でもない、先生でもない「サードプレイス」みたいな立ち位置の大人。

こういう大人に囲まれて成長する事は、とても良い事の様な気がした。

今まではチェーン店で自転車を購入したけれど、次回は今回お世話になった自転車屋さんで購入しよう。

私はひそかに心に決めた。

<あとがき>
訪問先がチェーン店だったグループもあるので、一体どんな様子だったのか気になります。
身近な場所に個人店もチェーン店もあり、地域としては恵まれているのかもしれません。
私の職場付近でも町探検してる小学生と遭遇する事がありますが、混み合う駅前なので引率するのも気を揉みそうです。
と、段々「保護者目線」ではなく「先生目線」で子供を見るようになってきてしまった(笑)

地域の話。

**「昨日読んだ本」コーナー**



オンライン読書教育「ヨンデミー!」に、毎日「感想提出」をしている子供達が昨日読んだ本を紹介するコーナー。

<読み聞かせした本>

鼻ほじってる割りばしの勝ち誇った顔がたまらない(笑)

<長男>

<次男>

今日も有難うございました。

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なんでもやってみる母
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