受験産業
「お受験塾」に長男を通わせて1年以上経過した。
「小学校入学に向けて下地になれば」みたいな気持ちで通わせていたものの、イザ年長になったら授業中も、季節ごとの特別講習も、そうは言っていられないような空気になってきた。
年明け1回目の授業で「春期講習」
3月初旬に「GW講習」
4月に入った途端に「夏期講習」
と、次々特別講習の案内が来て慌ただしい。
特に夏期講習ともなれば、秋の本番が近いこともあり、毎週のように家族で近場の温泉旅行に行けそうな値段の講習が設定されている。
我が家は富裕層なんかではなく、本当に普通の共働き家庭だ。
「私立に行かせたい」とか「公立だと浮く」とか、そんな理由ではなく、通学時間がかかる事や、お弁当、学童がない、近所に友達ができない…そういうデメリットにも思える事を加味しても、良いと思える
「本気で惚れてしまった小学校」が1校あり、どうしても諦めきれず、この度「受験をする」と決めた所だった。
他にそこまで行かせたい小学校がないので
「惚れた私立小学校 or 公立」の2択。
お受験の世界では、やはり中学以上と一緒で5〜6校受けるのが普通の様だ。
でも、通うのは6歳の子供。
このコロナ禍で、学校に子供と一緒に足を運べる機械も少ない様で、子供本人は学校に訪れた事もない状態で受験し、合格すれば通う事になるらしい。
塾の先生は「すてきな学校に行けるように、かっこいいお兄さん、素敵なお姉さんになろう」と、はっぱをかけてくれるけど、子供は見たこともない「すてきな学校」の為に頑張っている。
我が家は幸いにも「惚れた学校」に親子で行く機会が複数回あり、子供も気に入っているけど、実は「一人であそこまで通うのはいやだ」と今の所本人は拒否している。
だから迷う。
惚れた小学校をとりあえず受けると決めたものの、本人が最後まで気分が乗らなければイザ願書を出した後でも受けないかもしれないし、ご縁を頂いても辞退するかもしれない…
そんな、お受験に真剣な人には呆れられるような状況である。
勿論、毎週のお教室にはしっかり通ってるし、宿題もキッチリやる。
だけど、保育園児で親子共に「夏休み」らしい休みもない中、7時間✖️連続3日みたいな講習を数週間続けて受講する50万を超えてくるような夏期講習は、ちょっと引いてしまう。
本番が近づいてきて、段々内容も
「こうやれば制限時間内に全問回答できる」とか「こういう態度の方が点数につながる」とか、子供に対する指導もいわゆる「受験テクニック」が含まれるようになってきた。
その度に思う
「この先生にうちの子を見てほしい。この学校で学ばせない」そう本気で思う志望校がある。
でも、その学校に通うための「お受験テクニック」は、正直なところ「学び」だとは到底思えない。
そして「本番で先生に好印象となる児童像」に近付く為の講習は、何だかむなしい気持ちになる。
その為に使うお金も時間も、一体何なんだろう。
この先、中学・高校・大学と、何回受験をするか分からないけれど、高校までの受験は全て「○○大学を目指すなら○○高校(中学)を狙おう」みたいな謳い文句で受験産業は展開されている。
小学校受験も、中学受験も、普通にその歳相応の学びをしてるだけでは合格できない不思議な世界。
むしろ入学後の方が、時間的にも金銭的にもゆとりがある…本当におかしな世界。
教員不足が深刻と言われる現代。
受験産業を活況にするんじゃなくて、もっと公教育が充実して、親も子も生きやすい世の中なら良いのに…と思わずにはいられない。
お受験塾は、何が何でも志望校に合格したい家庭にとってはとても心強く熱意溢れる企業だと思うけれど、「課金競争」みたいで、本当に受け入れる学校側もこれを望んでいるのか?
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