じぃじだって、孫の成長が寂しいのかもしれない。
「こっちにおいで-、抱っこしよう!」
三連休の最終日。
父と、妹家族と総勢9名でお墓参りをした。
その帰りに、海が目の前に広がるお気に入りの公園で遊んだ。
子供達は磯遊びに夢中。
その姿を少し離れた所でじーっと見ていた父が、急に次男を呼び、抱きしめた。
座ってる父が抱きしめると、はみ出してしまう位大きくなった次男。
孫を抱きしめる父の顔は、ものすごく幸せそうだった。
父のそんな嬉しそうな顔を久しぶりに見た。
その顔を見て、ふと感じた。
もしかして、父も私と同じくらい孫の成長が寂しいのかもしれない。
年子の孫達
私と妹は子供を続けて出産した。
妹→私→妹→私…と、4年連続で出産したので子供達は見事に1学年差。
私も妹も結婚してから数年経ってから子供を産んでいるので、両親にとって「初孫」は待望だった。
ところがそこから4人も続けて生まれてきたので、振り返るととても忙しかった。
そんな4人の孫も上が9歳、下が6歳となり「やんちゃな子供達」になりつつある。
大人の手が要らなくなってきた
年子なので、数年前は集まると大変だった。
一緒に出掛けても、オムツだミルクだ…と荷物も多かったし度々中断せざるを得ない事があった。
特に子供達が0歳~3歳位の頃は、「大人の手」が沢山必要だった。
オムツが外れても、「トイレ」と言い出してから出ちゃうまでが早いので大人が手分けして猛ダッシュだった。
食事へ行っても、食べさせてあげなきゃいけない子があちこちにいて全員が「専属保育士」みたいになっていた。
でも今は、みんな勝手に1人でトイレに行ける。
食事も大人みたいなご飯を食べられる。
過去にも書いた通り「ちょうどいい年齢になった」という感じだ。
この日も、妹の旦那さんは一緒に遊んでいたけど他の大人は全員少し離れた場所から磯遊びを見守っている程度だった。
孫の楽しそうな顔を見ながら、父は何を思っているのだろう?
そう考えていた時に、父が突然「一番小さい孫」である次男を呼び抱きしめていた。
その顔が余りにも幸せそうだったので、私は急いで写真を撮った。
3年という月日
帰宅後に、次男に父の幸せそうな表情の写真を見せた。
「じぃじはあなたの事が大好きなんだね、嬉しそうだね」と言ってみたら、次男も喜んでいた。
実家の両親と妹4人のLINEグループには、集まる度に撮った写真を「アルバム」として残している。
ふと過去のアルバムを振り返ってみたら、2021年には今日と同じメンバーで大磯ロングビーチに行っていた。
この時、次男は3歳で一番上が年長さん。
全員未就学児だった。
そして父はまだ60代だった。
写真を見ると子供達が小さくて可愛いのは勿論、父も今と見た目が随分違っていた。
変化の多くは「白髪染めをやめたから」だけど、2021年の父は真っ黒な髪の毛で水着姿。
炎天下の大磯ロングビーチで孫に水をかけられて嬉しそうに笑っていた。
この時も、途中ファミリーテントで読書をしたり休憩もしていたけれど。
それでも孫と一緒にプールで遊んだり、孫のお世話をしていた。
この年は「大磯ロングビーチ行く?」と声をかえたら二つ返事だった。
でも翌年は「うーん…」と、返事に時間を要した。
そのまた翌年は「行かない」と即答された。
子供達は大きく成長した。
一方で、父は60代から70代へ…と確実に「お爺ちゃん」に向かっているのかもしれない。
何だか少し寂しいものを感じた。
欲しいのは思い出
既出の通り、私は父との思い出が多くない。
年に1回は旅行へ行っていたと思うけど、1泊2日の温泉旅行へ行く事が定番でコレといってその土地で何かをした記憶がない。
父は70を過ぎた今も仕事を続けていて、相変わらず休みが少ない。
だけど現役時代?に比べたら休める日も増えてきた。
一方で孫はどんどん活発になり、一緒に出掛ける先は大人にとってはハードな場所が増えてきた。
それに「大人の出番」も減ってきた。
昔は1人が「抱っこ」と言い出せば他の子供達も「私も!」「僕も!」とせがんできて大変だった。
でも今は「親より従妹同士」であり、「じぃじより従妹同士」なのだ。
年子で生まれた赤ちゃん達は、一気に「子供」へ成長した。
自分の子育ても2学年差なので「一気に終った感」があって寂しかった。
でも同じ位、父も母も「孫の成長」を寂しく思っているのかもしれない。
もっと「赤ちゃんのお世話」をゆっくり味わいたかったのかもしれない。
子供達は未就学時代の殆どが「コロナ禍」だった。
まだ孫が2人だった時代に、私の祖母・両親・妹家族と9人で旅行へ行ったのを最後に祖母はもう動けなくなり、母も祖母の介護で動けなくなった。
今年の夏、父と一緒に熱海へ行ったのは7年ぶりの旅行だった。
本当は母も一緒に行けたら良いけど中々難しい。
(母にとって祖母を置いていく事は心理的ハードルが高い)
3年前の大磯ロングビーチの写真に衝撃を受けたように、3年後はまた今日の写真を懐かしく、少し寂しく感じるのかもしれない。
子供があっという間に育つのと同じように、
親もあっという間に動けなくなっていく。
3世代での思い出作りを大切にしていこう。
そんな事を改めて思った3連休最終日だった。
今日も有難うございました。