マインドフルネスと猫のいる生活 11
10の続きです。
作家になるためにはどうしたらいいか? 調べてみました。当時はネット発の書籍など、まだ稀な時代。名の知れた出版社の文学新人賞を取って、デビューするのが一般的でした。文学新人賞は小説に対して与えられますから、わたしにとって、作家デビュー=小説家デビューということでしたね。
ノンフィクションやルポに興味がなかったわけではありませんが、そういったものは、ジャーナリストとして経験を積んだ人が書くのだと思ってました。
ものの本によれば、作家デビューするためには、新聞社なんかが主催するコンテストや短編文学賞に入賞するだけでは不充分で、名の知れた出版社の長編文学賞を取らなければダメ、とのこと。
これがどんなに大変か、読書オタクでも文学青年でもなく、芥川や三島や太宰など読んだこともなかったわたしは、知ることになるのです。
そもそも長編ってどうやって書くんだ? ( ゚Д゚)
これが本当に分からなかったですね。原稿用紙10枚くらいの掌編であれば、何とかプロットを整えて、書き上げることができるようになりましたが、100枚以上の長編ともなると、まるでお手上げでした。(/・ω・)/
頭に何やらアイデアが浮かび、それを無理やり大きく引き延ばして出来上がったストーリーが、原稿用紙何枚分に相当するのか? いや、それ以前に面白いのか否か、まったくわからないのです。
じゃあ、さらに長くして、群像劇にしてみるかとか、逆に削ってもっと小さな世界に特化してみるかとか、あれこれ練り直しているうちに「いやいや。こんなの絶対面白くないよ……」とネガティヴ思考が強くなってきます。
で、「もしこんなアホプロットで書き始めたら、絶対入賞できないような代物に最低3ヶ月は費やすことになるぞ。そんな非効率なことやってる時間、あんのか? 俺もう43だぞ。( ゚Д゚)」
って心の声が聞こえて、最初からやり直し。新しくできたプロットも上述のような経緯を経て、また破棄されるという、悪循環が続きました。
つまり長い間、一文字も書くことができなかったわけです。(^^)/
とはいえ、一応真面目に取り組んではいましたよ。他にやることなかったし。
親は、時々部屋に来ては「はかどってるか?」などと質しました。で、白紙のままのword画面を見つけたりすると「書いてないじゃないか!」と怒り出すのです。
いや、だから今はプロットを練ってるんだって……。なんて言っても、信じてはもらえなかったですね。
友人たち全員から「もう、やめとけ」とアドヴァイスを貰いました。
「お前、財務とかやってたんだろ。まったく専門外の小説なんか、書けるわけないじゃないか。今が再就職にはぎりぎりの年齢だぞ」
「出版社はおっさんに新人賞なんか出さないよ。そういうの、若い女性用だから」
折しも、19歳の綿谷りささんや、20歳の金原ひとみさんが芥川賞を取ったばかりの時でした。
友人たちの言っていることはもっともだけど、もうサラリーマンには戻りたくなかったし、まだ一行も書いてないのにあきらめるのは、時期尚早でした。
そんなこんなで、筆がまったく進まないまま、半年がたった頃、やっと納得できるプロットが仕上がり、そろそろ書いてみるかと、重い腰をあげました。
生まれて初めての長編執筆です。プロットを章に分け、各章に枚数を割り振って、全体で規定の300枚という具合に、ボリューム設計を行いました。
とはいえ、設計図通りに書いていくと、どうにも枚数が足りない章が出てきました。(枚数をオーバーすることはなかったです)そういう時は、無理やり描写を入れたりして枚数を増やしました。
そして出来上がった処女作。
「まっ、そこそこじゃね?」
と、読み終えてから鼻息が漏れました。入賞は無理としても、一次は通るでしょう。いや、最終に残るかもしれない。( `ー´)ノ って結構自信持ってました。
ところが、結果は一次にも通らず。つまり箸にも棒にも引っかからなかったわけです。
続きはまた次回に!