短歌 #2
淋しさで思い出濡らす夜露より刹那に光る走馬燈にて
撫でる指 満たされる腕 揺れる頬 触れるからだに いのち宿して
こころ。苦しいままで満ちること 況んや愛の確からしきをや
黒より澄む青の奥 見えぬ星 どこでだって繋がっていられる
もう大人になりすぎたから、つくろう シーソーひとつ、オーダーメイドで
生きて至って 変わらない癖字 教科書は新しくなったらしいよ
おもかげの そばでこっそり いきをする きみのかたちに あいたてのひら
明日から息を切らして走ってきたよ、わたしがあなたの「恋」です
ショートケーキのいちごは最初に食べる 誰にも取られませんように
波に吞まれて澄んでしまった メッセージボトルは今日も届かない
引き出しに 仕舞ったままの 貴方宛て 忘れられない まだ終われない
目映くて眩む シャッターごしにしか見つめられなくても良いですか
澱みゆく 歪んで黒く 澄んで白 息は透明 あなたはきれい
忘れても わたしが覚えているからね 花の名前も あの日の夢も
滲ませて 重ねて乾いて 描けない あなたの笑顔とその温度
夕暮れの影の中だけ手を繋ぐ ひとつも触れられやしないのに
きみの眼の中にきれいでいたいだけ (ほんとはただ溺れているだけ)
いきたいな いきたくないな しにたいな 選べないから 今日も息する
わたしたち 赤の他人でよかったね ひとつじゃないから ふたりでいられる
冴えずとも 輝かずとも このままで あなたの好きな色になりたい
木漏れ日がまあるくなったら秋 透明になったら冬 元気でね
ぽつぽつと 濡れる感傷 説き伏せて 明日も笑っていられますように
君の目がかげろうみたくゆれました 映っているのがわたしでよかった
眼の奥の君のあかつきのぞかせて 一緒に明日を探しに行こう
せをはやみ 果ては海と痴ればこそ さすらうわたしはしあわせでした
会うからさ 鳴り止まないね エラー音 君のせいだよ はやくとめてよ
言えないことのほうが言えることよりずっと重たい 分かり合いたい
失ったものにちゃんと泣けますか 痛かったですか そこにいたんだね
こころさえ なかったのなら こんなにも さがしまわりは しなかったのに
瘡蓋も そのケロイドも 君のなら 撫でてあげるよ あいしているよ
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今回もたくさん友人と連歌しました。楽しかった。キュンキュンするようなのは大体友人と作ったやつとかで、仄暗いのは大体自分で作ったやつです。本当は月末にまとめたかったんだけど、ちょっとばかり時間がとれなさそうなので。また溜まったらまとめます。では。