アガタ/声
今回読んだのは、マルグリット・デュラスの『アガタ』とジャン・コクトーの『声』の2作品。どちらも渡辺守章先生の訳の戯曲です。
そしてどちらも「普通じゃない恋愛」を描いた作品。
恋愛って私はすごい軽い言葉だと思ってて、ある人は素敵だというけれど、もっといい表現があるなら別の表現がしたいよね。
『アガタ』は近親相姦、『声』は不倫。「恋愛」というには憚られるような関係を描いている。
どちらも登場人物は少なく、掛け合いや一人芝居だけで場を確立させる。役者ではなく演出の実力が顕著に出る作品。
私は舞台は役者の実力よりも演出の実力で勝負するものだとおもっている。それは演出が場をつくるだけではなく、もちろんいかに役者を「自分の理想に持っていけるか」「育てられるか」「見せられるところまで持っていけるか」という所も含める。
この2作品は演じるにあたり、演出をすべきことが更なる課題となって降りかかるものではないのかな、と思ったり。
私はどちらのストーリーも結構好き。