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すべすべした黒い石


今日、ひきだしを片付けていたら、すべすべした黒い石が出てきた。

これは、もう10年近く前に担任していたKちゃんがくれた石である。

くれた、というより、Kちゃんが持っていたすべすべした石が羨ましくて、
「それ、ちょうだい」と頼み込んで、「いいよ」ともらったものだ。

Kちゃんは、自分の世界があって、授業中もときどき明らかによそごとを考えていた。

毎日提出するデイリーノートに、持ち物や時間割はろくに書いてないけど
らくがきやクイズが書いてあって、いつも見るのが楽しみだった。

働き方改革に逆行するかもしれないが、デイリーノートを見る楽しみは無くしたくない、と思ったものだ。

Kちゃんいまどうしてるかな。

担任業務は全くうまくいってなくて、子どもたちにとってはいいクラスではなかっただろうなと思うけど、あの頃のじぶん、一生懸命やっていたと思う。

すべすべした平たい石は、また、たいせつに引き出しにしまっておいて、ときどきなでて楽しむことにしよう。

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