小説「若起強装アウェイガー」第14話(最終回)「最期の刻」
治英は白の館へ入った。
かつて自分が閉じ込められてた病室に行くと、亜衣が縛られ身動きできない状態になっていて、バインダーブレスも奪われていた。治英が縄をほどく。
亜衣「助かったわ」
事務的な言葉であった。治英は、自分で亜衣を助けたことが、不謹慎ながらうれしかった。一方の亜衣は、またこの中年男に助けられたのかという、感謝しなければならないがあまりそうしたくない心境だった。
治英「とにかくここを出ましょう。こんなの、実の父親がやることじゃない」
亜衣「いえ、父と決着をつけなけれ