授業づくりで一番頼りにしていること
Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。
7月に入り、学期末を迎えることもあり、少しずつ評価のことを考えています。
評価については授業が終わった後に慌てても仕方ないと考えています。原則として、授業づくりの段階で評価まできちんと見通して計画をしておくべきことです。
一般的には「指導と評価の一体化」などと言われることですが、実際に運用するとなるとかなり苦戦します。自分も今でも上手くやれている訳ではないので、「見通して計画を」なんて偉そうなことを言っても、毎回、苦心しています。
授業づくりは非常に難しいのです。
そのような困難な仕事をやりきるために、自分が普段から頼りにしている考え方を紹介します。
自分の発想は逆向き設計論
自分は大学、大学院のころに逆向き設計論に触れていたこともあり、結果的に発想としてはそのような考え方をする場合が多いようです。
※こちらの本はちょっといきなり読むのは難しいと思います。訳書なので文化の違いなどもありますし。
※こちらの方が比較的読みやすいはずです。逆向き設計論を学ぶのであればこれはさらっておきたい一冊です。
ちなみに逆向き設計の解説については
こちらの京都大学の西岡先生の解説がわかりやすいかと思います。
逆向き設計の発想は国語科教育の単元学習の発想とも重なるところは多いと感じています。
例えば、国語科ではてびきを活用した授業は多く行われていますが、効果的な手引きは逆向き設計の発想がなければ作ることは難しいだろうと思っています。
子どもの姿から逆算することでよい単元は作れるのだろうと思います。
逆向き設計から学んだ大切な軸
さて、その逆向き設計論の様々な解説から学んだことで、自分が授業づくりの時に心がけていることがあります。
それは先の西岡先生の解説資料でも紹介されている方法ですが、以下の語呂合わせで覚える、パフォーマンス課題のシナリオを作るときの観点です。英語だとGRASPSという語呂合わせで、逆向き設計のウィキンズとマクタイの”Understanding by Desing”で紹介されているものです。
ちなみに、これは以下の本で紹介されています。
「悩んだな、ああ、そうだ」という語呂合わせなので、非常に授業っぽくてよいですよね。
ここで上げられている六つの観点を、授業づくりの際にはかなり考えながら授業を設計するように自分はしています。
一番難しいと思うのが…
この6つの観点の中で、一番、自分が毎回苦戦させられているものがあります。
それは「誰が相手(Audience)か?」という観点です。
高校の国語科の教科書を読んでみると分かるのですが、評論の中では他者の重要性を説く文章は数多く出てくるのに、教科書の設計があまり切実に他者を求めているような作りにはなっていないと個人的には感じます(いや、文章そのものが他者なのだ!という議論もありますけど…それはそれとして)。
高校の教室では注意して単元設計をしないと、子どもたちは自分たちのパフォーマンスを届ける相手がいないままに、パフォーマンス課題に取り組まされるということに陥りがちです。
今回の記事ではそのあたりの問題については論じませんが、個人的に宛先のないパフォーマンスほど虚しいものはないだろうと思っています。だからこそ、「誰が相手(Audience)か?」ということはできるだけ単元に最初に組み込めるようにしたいと考えています。
実際問題はかなり難しいのですが……。
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