『アルファヴィル』(1965)【この映画に注目!】
「元気です ありがとう どうぞ」
開始数分、ホテルのシーンからもう狂ってる。
名作と断言。☆
ここでの勢いだけで、結局全部観てしまった。
“外部”世界から、理想都市・“アルファビル”へ来た主人公。
実は記者を装った諜報員。
中国人が北京都市を参考に作ったというディストピア。
巨大コンピュータ“α60”に支配された、階級的集団社会。
“なぜ?”は禁止されている。
“意識”とは?…誰もその意味を知らない。
“芸術”など存在しない。
適応も自殺も出来ない人間は、当局に
処刑されるのだ…!☆
「遠隔通信で予約してある」
今でいうインターネットを、この時代の映画に
登場させている。先見の明ってヤツだね。
指で追い払う様な接客がまたオモロい。
ホテリエがド直球に、「チップは?」
と、素な表情で手を出してくるのも笑う。(笑)
部屋までプラプラと案内した女性ホテリエが
風呂を用意して、「お手伝いします」
とか言っておもむろに脱ぎだす。♪
と思ったら、いきなり殺し屋が出て来て
命を狙われ、撃退。
「ここでは普通の事です」
意味が解らないなどと言いつつ、目の前の人間を
何の断りも無く、いきなりフラッシュ焚いて
写真撮りまくる主人公もオカしい。
お前はニホンジンか?☆
―――処刑ショー開始!
罪状は、「妻が死んだ時に涙を流した」という
“非論理的行動”。
そしてその処刑の方法が…
➊死刑囚をプールの飛び込み台先端まで進ませる
➋何やら訴えている死刑囚を銃撃してプールに落とす
➌控えていた数人の水着女性が飛び込んで群がり、
ナイフでメッタ突きしてトドメを刺す
➍アーティスティクスイミングをその場で披露
➎満場の拍手
←この“理論的”な処刑方法を考案したのも、
α60なんだろ?
芸術的な物は排除対象だったんじゃないのか??
そんなα60が、記録し、演算し、導き出した結果が…
「高等な存在が他の銀河系を侵略するのは論理的だ」
…なるほど、ウルトラセブンの『第四惑星の悪夢』が
影響を受けてるのでは?というのも、
もはや疑いの余地は無いな。☆
随時おこなわれている様子の、“聖書 = 辞書”の
アナログなアップデートもオモロい。
そして、重要なポイントが…
<<セキュリティがザル過ぎる>>
という事だ!(笑)
写真撮りまくってる主人公を制する様子も無いし。
いとも簡単に崩壊してゆく都市の、その様は
『人造人間ハカイダー』のジーザスタウン並みだ。
(←観た人なら解る)
ラストは、どっちかというと『ブレードランナー』
思い出すヤツだった。