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#140 「猫底」と「七人の小人たち」【宮沢賢治とシャーマンと山 その13】
(続き)
「猫底」は金山で金を掘るための人々によって出来た集落と言われる。
山奥の細い道を、車で心細く進んでいくと、山と山の谷間に、突然、人家の気配と、集落入口の神社の鳥居が現れる。三方、或いは四方が、迫りくる山々に囲まれ、恐らく太陽は極端に遅く登り、すぐ沈むのではないか。
訪問した日は雨で、一体は薄暗く、ぬかるみと湿気に満ちていた。
鳥居を抜けた急勾配の上には、山神社が鎮座している。
特徴的なのは、鳥居の高さが異様に低い。
恐らく、くぐる場所が150センチか160センチ程度の高さしかない。成人男性ならば、身を低くしなければ通れない。
それがまた、一帯の持つ独特の雰囲気を引き立たせている。
これは、金山で働く鉱夫達には、背の低い人達が多かったためだという。
鉱山の穴を、必要以上に大きくすることがないためか?
結果、神社の鳥居も、その人々に併せ、低く作られた、と。
にわかには信じがたいが、後にこの話を知人にすると、「白雪姫」の7人の小人だ、と言う。
彼らも鉱夫なのだそうだ。
洋の東西を問わず、鉱山と背の低い一族は、共通の伝承なのだろうか?
【写真は、花巻市大迫地域、猫底の山神社鳥居】
(続く)
2024(令和6)年 3月2日(土)