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シェイプ・オブ・ウォーター
2017年製作/124分/R15+/アメリカ
翌18年公開。2018年というと今から6年前だ。
その年の10大ニュースの1つを上げると個人的に日産・ゴーン会長を逮捕。
その後の逃亡劇もあるからか妙に印象深い。
6年前なのに古くさく感じないのは、作品の時代背景が1962年、冷戦下のアメリカだからなんだろうと思う。
そしてストーリーの展開が早く余計な説明がほとんどない。
細かいことを気にする暇などない。
物語
解説は映画.comなどで確認してもらったほうがいいが、一言で言うとマイノリティ同士が心を通わせる純愛ストーリー。
登場人物は差別的な態度をとられがちなキャラクターたちであふれている。
時代背景を考えると平等を求めるアフリカ系米国人の闘争、女性解放運動など、勇気を持って行動する人たちがいた時代だった。
そして主人公のイライザも勇気ある女性で、彼女の行動が回りを巻き込んでいく。
細かいことを気にする暇などないが
実は気になっていることがある。
まず、不思議生命体 アマゾンの神=「彼」の口元が草食系なこと。
実にスマートな口元だ。この唇ならイライザもキスしたくなるだろうと想像した。
しかし攻撃性の高さからアマゾン川では魚やその他の動物を食していたのではと予想できる。ピラニアやサメなどのように、歯が鋭く突出していないと納得できない。
そんなきれいな口元で豪快に食すことができるのか疑問が湧いてくる。
実際、「彼」を自宅にかくまう際には、隣人の飼い猫の頭をバリバリとかみ砕くシーンがある。
「彼」は猫に攻撃されそうになってやってしまったことなんだが猫好きには心乱されるシーンであろう。
「彼」は隣人やイライザに「いけない」ことを教えられ、子どものように謝罪する。その姿を見れば猫好きさんも許してくれるだろうか。
次に、自宅のお風呂に藻のようなものと塩を大量に入れて「彼」の居場所を作るのだが、アマゾン川は淡水ではないのか?!
海水にして大丈夫なのか?!心配になりウィキペディアで調べてみた。
白い川の水は10-50 cm 程度の透明度であり濁っている。しかし岩石由来の栄養塩を豊富に含み、中性から弱アルカリ性を示す肥沃な水である。このため別名「肥えた川」(リオス・ファルトス)とも呼ばれ、魚類も多く棲息する[15]。
塩は必要だった。安心した。設定がきちんとしているところにも安心した。
グロシーン
グロシーンはもちろんある。指がちぎれるところと指がどす黒くなるところがオススメだ。
猫好きには猫のシーンもきついかもしれない。こちらはオススメしない。
ほかに、見た目ではなく登場人物のメンタル面がどす黒く渦巻いているだろう箇所がグロい、グロさが過ぎる。外と内のハイブリットグロを感じる。
監督はそんなことを意図してないかもしれないが。
ラストはイライザと彼にしかわからない
ラストは隣人の回想シーンで終わる。
新しい環境で結ばれていてほしいと願うし、そのはずだと思う。
水は愛の象徴と説明した監督。
邦題でタイトルを変えずに公開してくれたのはうれしい。
邦題が付けられるとしたら「愛の形」とか「『彼』と私の愛の形」などと付けられそうだ。
受賞歴
第90回 アカデミー賞(2018年)
受賞
作品賞 監督賞ギレルモ・デル・トロ美術賞 作曲賞アレクサンドル・デスプラ
ノミネート
助演男優賞リチャード・ジェンキンス助演女優賞オクタビア・スペンサー主演女優賞サリー・ホーキンス脚本賞ギレルモ・デル・トロ バネッサ・テイラー撮影賞ダン・ローストセン衣装デザイン賞ルイス・セケイラ編集賞 音響編集賞 録音賞
第75回 ゴールデングローブ賞(2018年)
受賞
最優秀監督賞ギレルモ・デル・トロ最優秀作曲賞アレクサンドル・デプラ
ノミネート
最優秀作品賞(ドラマ) 最優秀主演女優賞(ドラマ)サリー・ホーキンス最優秀助演男優賞リチャード・ジェンキンス最優秀助演女優賞オクタビア・スペンサー最優秀脚本賞ギレルモ・デル・トロ バネッサ・テイラー
第74回 ベネチア国際映画祭(2017年)
受賞
金獅子賞ギレルモ・デル・トロ
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