見出し画像

不登校という選択

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。最近オンラインのフリースクールや通信制の学校など、さまざまな理由で学校に行けない場合にも学びの手段が増えてきています。
かつては「学校に行かない=問題行動」として捉えられることが多かった不登校ですが、今では社会全体がその原因や背景を多様に理解しようとする動きが見られるようになりました。 不登校は決して怠慢や反抗ではなく、心の叫びや生き方の選択の一つとして尊重されるべきものです。不登校の原因や背景、そして「不登校という選択」が持つ意味について考えていきます。

1. 不登校の原因と背景

不登校の理由は一つではなく、非常に多様です。 いじめ、家庭の事情、学業のストレス、人間関係のトラブル、発達障害や精神的な問題など、複数の課題が絡み合っていることが多いです。特に最近では、子どもたちが置かれている環境や社会の変化も影響を与えています。

例えば、インターネットやSNSの普及により、コミュニケーションの在り方が変わりました。学校外でも人間関係が続くため、休む暇なくストレスを感じる子どもが増えています。また、受験競争や成績重視のシステムにより子供の頃から高い学業成績を求められるプレッシャーに押し潰され、心が疲れてしまう子どもたちも少なくはありません。

さらに、現代社会では親世代の働き方や家庭環境も変わってきています。共働き家庭が増え、親と子供とのコミュニケーションが不足しがちになることもあります。また離婚、親の病気、貧困など、家庭内の事情が子どもに与える影響は大きいでしょう。

このように、不登校は一つの明確な理由で起こったことではなく、様々な問題が複雑に絡み合っていることが多いのです。

2. 不登校は「問題」なのか?

日本の学校教育では、出席日数が重要視されるため、学校に行かないことはしばしば「問題」として捉えられてきました。その背景には高度成長期に求められていた「皆んなが同じ答えを出すための教育」により詰め込み型の、答えありきの教育体系の影響があるのではないかと思います。
個性を活かすというよりは、周りに合わせて自分らしらを押し殺す教育では、適応できない子供が出るのは自然なことでしょう。

現代の多様化した社会において、学校に通うという一つの教育形態がすべての子どもに適しているとは限りません。学校での生活が合わない、あるいは苦痛に感じる子どもが存在することは事実です。「不登校」という選択肢は、問題行動ではなく、一つの自己防衛の手段であり、時には自分の心を守るために必要な行動であると認識すべきです。

3. 不登校という選択肢の尊重

不登校を選ぶ子どもたちは、背景に学校に行かないという行動だけではなく、そこに深い感情や葛藤を抱えています。どんな選択であれ、養育者はその選択をまずは尊重することが大切です。社会や親が「学校に行くべき」と強制するのではなく、子どもの意思を尊重し、子供が安心して学べる環境を整えることが必要です。

不登校は「終わり」ではありません。フリースクールやオンライン学習、カウンセリングの提供など、学校以外で学びや成長の場を提供する選択肢が増えてきています。

4. 不登校から見える新たな学びの形

不登校の子どもたちの多くは、学校という中では本当に自分のやりたいことや、学びたいことに出会えていなかったかもしれませんが、学校に通う以外の選択肢を考えることで、新たな学びの可能性を見出せるのです。 インターネットを利用したフリースクールや、自主的に、自分の興味のある分野に集中して取り組むことで、自分のペースで成長できる環境を得ることが可能です。

例えば、プログラミングデザインやアートなど、学校ではあまり重点的に行われていない分野に興味を持ち、独学で学んでいる例もあります。また、社会的な活動やボランティア、学校では得られない実践的なものに挑戦して、自分で経験を積んでいる子どももいます。

5. 親や社会ができること

不登校の子どもを持つ親にとっては、子どもの将来を心配するあまり、「学校に行ってほしい」という思いが強いことも理解できます。子どもが学校に行けない理由をまずは冷静に受け止め、しっかり耳を傾けて共感し、その選択を尊重することが大切です。

また、社会全体としても、不登校は単なる「問題」としてではなく、子どもたちの多様なニーズに応じた新たな学びの形や支援策を提供することが求められます。学校に行けない子供たちが、安心して自分のペースで成長できる環境が整備されることで、彼らの潜在能力が引き出されるはずです。
それは将来の日本を支える人材を育てることにつながるでしょう。

まとめ

「不登校」という選択肢は、決して後ろ向きなものではなく、子供が自分を守るための大切な選択であり、人生の新たな道を切り開く機会でもあります。学校という一つの場所にこだわらず、個々の子ども達のニーズや個性に合った教育や支援を提供することが、これからの社会にとって必要な課題です。不登校は、その子どもにとって一つの選択であり、人生の岐路に立つ重要な瞬間かもしれません。 それを一緒に考え、支え、尊重することが、親や社会に求められる責任であり、日本の未来を支える子どもたちへの最大のサポートになります。
しんしん心理研究所では、不登校で悩みを抱えているケースでも親子カウンセリングも対応していますので、悩んでいる人は相談してください。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?