見出し画像

「ぐるぐる思考」を抜け出そう

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。皆さんは一日の中でとてもネガティブに感情が動いたとき、その瞬間はとても不快感を感じることでしょう。その後しばらくは忘れていても、ふとした時にその時のことを思い出して、その瞬間に感じた不快感を繰り返して再現してしまうことはありませんか?
それは「ぐるぐる思考」と呼ばれる状態です。過去の失敗や未来への不安が頭から離れず、何度も考えてしまう経験はあるのではないですか?このような状態が続くと、エネルギーを無駄に消費するだけでなく、問題の解決にも至らないため、ストレスや不安が増してしまいます。

では、なぜ私たちはこの「ぐるぐる思考」に陥ってしまうのでしょうか?また、そこから抜け出すためにはどうすれば良いのか?今回は、ぐるぐる思考の原因を探り、それを解消するための効果的な対処法を紹介します。

ぐるぐる思考とは?

まず、ぐるぐる思考がどのように発生するのか理解することが必要です。 心理学的には、ぐるぐる思考は「反芻思考(はんすうしこう)」と呼ばれ、ストレスや不安、うつ状態に関連していることが多いとされています。

ぐるぐる思考は、過去の出来事や未来の出来事に対して否定的な考えが中心となり、それが脳内で繰り返されることでさらに強化されてしまいます。また、将来に対して一時的な不安がある場合、「もしうまくいかなかったらどうしよう」と何度も自問自答することがあります。

このような思考のパターンは、脳が問題を解決しようとしているために発生します。

ぐるぐる思考が引き起こす問題

ぐるぐる思考に陥ると、以下のような問題が起きる可能性があります。

  1. エネルギーの消費
    同じことを何度も考えることで、脳は大量のエネルギーを消費します。その結果、他の重要なタスクや考えに集中することができなくなります。

  2. ネガティブな感情
    ぐるぐる思考は、否定的な感情を強化し、ストレスや不安を増大させる原因になります。 特に、うつ病や不安障害などの心理的問題を抱えている場合、ぐるぐる思考が症状を悪化させるリスクがあります。

  3. 問題解決能力の低下
    ぐるぐる思考にとらわれてしまうと、現実的な問題解決に向けた行動が遅れてしまいます。過去にとらわれすぎることで、解決に向けた未来の選択肢を考えることができなくなってしまいます。

ぐるぐる思考から抜け出すために重要なこと

ぐるぐる思考を解決するためには、どのようなアプローチが効果的なのでしょうか? ここで重要なのは、「ぐるぐる思考を続けてもよりネガティブな思考に陥ってしまう」ということです。問題の負の部分にずっとフォーカスし続けてしまい、負の思考のループから脱することができなくなってしまうことから、どのように切り替えるかということが重要です。

1.マインドフルネスを活用する

マインドフルネスは、「今この瞬間」に意識を集中させることで、過去や未来への長時間の思考から解放される効果があります。マインドフルネスを実践することで、自分の思考や感情に対して客観的な視点を持つことができ、思考のループを断ち切ることができます。マインドフルネスの具体的な方法は以下の記事を参考にしてみてください。

マインドフルネスは、思考のコントロール力を養い、ぐるぐる思考に陥らない効果があります。

2.思考の視点を変える(リフレーミング)

ぐるぐる思考を解消するためには、同じ状況を異なる視点で認識することが重要です。これを「リフレーミング」と呼びます。例えば、失敗にとらわれてしまう場合、その失敗から学ぶ教訓に目を向けることで、否定的な感情を軽減させることができます。

リフレーミングの効果的な方法として、「もし友人が同じ状況に置かれたらどうアドバイスするか?」と自問することが挙げられます。

3.行動を変える(アクションを起こす)

ぐるぐる思考は、頭の中で考えることにとらわれすぎて行動に移せない場合に起こります。行動に移すことで思考のループがたち切れられ、前向きな変化が生まれます。

例、「何もできない」と思い込んでいる場合、まずは小さな目標を設定してそれを達成することで、自己有効感を高めることができます。 具体的な行動が生まれることで、ぐるぐる思考から抜け出すきっかけになります。

4.他人と話す

ぐるぐる思考に陥っている状態では、外部の視点やアドバイスが欠けてしまっています。それが解決策に結びつかない原因のひとつです。家族や友人に相談することで、ぐるぐる思考から抜け出す手助けを得ることができます。

誰かに話すことで、自分の考えを整理する機会にもなり、新たな視点やアドバイスを受けることで、問題解決の糸口が見つかることがあります。

まとめ

ぐるぐる思考は誰にでも起こり得る自然な反応ですが、それにとらわれすぎると精神的な負担が大きくなります。 今回紹介したマインドフルネス、リフレーミング、行動の変化、他者との対話といった対処法を活用することで、思考のループを断ち切り、問題解決に向けた前向きなアプローチが可能になります。
ぐるぐる思考にとらわれていると感じた時には、まず自分がその状態にあることを認識し、焦らずに一歩一歩解消に向けた行動をとることが重要です。問題に対して柔軟な思考を持ち、現実的な行動をとることで、より健康的で前向きな生活ができるでしょう。
しんしん心理研究所では皆さんがぐるぐる思考で困った時にも、しっかりと傾聴し共感することで、あなたに必要な助言やサポートを提供します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?