ご先祖様?
ちょっと、私の新たなる秘密?と言うか、
いわゆる見た目?と言いますでしょうか…、
あまり、詳しくは、ひねくれて、隠してしまい、
変な先入観を与えると言うのでしょうか…、
意図的に、あえて書かなかった事を、投稿します。
恥ずかしながら…私はなにも知らない。
親戚と言うか、家族構成、家系図的な?
どんな人がいるのかも、知らないし、
自分の父親すら、全くしらないのだ。
知ってる事は、母親、かあちゃんの事だけ。
北海道で、生まれ育ち、
耳が聞こえなくて、ろくに勉強もしてこず、
しかも、17歳の若さで私を産んで、すぐ、
遠く離れた町に、私と二人で孤独に生きた。
今、私は病院に入院している。
同じ部屋には、北海道出身の人がいて、
色々と情報を聞き出して勉強している。
北海道って、
外国な様なイメージで、遠くて、
大きい一つの国みたいなものの様な、
私には関係なくは、ないのだが、
どこか、実感もなく漠然としていた。
だが、買い物に行くと、
北海道産と書いてあれば、
ついつい手を伸ばし、買ってしまう。
なんか…安心できるんだよな…。
なんでだ…不思議だ。
そんな、同部屋の北海道出身の人が、
私は、もしかしたらロシアの血が、
入ってるんじゃないか?と言うのだ。
私は、だんだんと母親似になっていた。
実は…かあちゃんは、とても鼻が高い。
ほりの深いくっきり二重なのだ。
地毛も、明るい茶色で、目もグレーだった。
肌の色なんて、真っ白で血管が透き通っていた。
どっちかと言えば、
日本人と言うより、外国人。
実は何度と、かあちゃんは、
外国人と間違えられた事があるのだ。
話しても言葉が通じない。
それは、
かあちゃんが耳が聞こえないからであって、
決して外国人だからではないのだが…。
それでも、よく外国人に間違われていたのだ。
いつだったか…。
かあちゃんの母親、私の祖母の話を、
かあちゃんが独り言の様に話していた。
祖母は、文字が書けないし、読めないらしい。
だから、耳の聞こえない、かあちゃんと、
意思の疎通ができない事もあったそうだ。
主に手話しか方法はなく、かあちゃんは、
祖母とは、あまり会話をしてこなかったと言う。
そして、かあちゃんは、
祖母に、うりふたつ、だと言うのだ。
かあちゃんが、鏡を見ると、
祖母を見ている様だと、よく言っていた。
でも、私は祖母を知らないので、
憶測でしかないし、実際どうなのかは、
わからないが、もしかしたら…いや、まさか。
私のご先祖様の中に、ロシア人がいたのか?
ふと、鏡をまじまじと見てみる。
かあちゃんの面影がだんだん濃くなってきた。
もちろん、私は日本人で、
髪は黒と言うより、栗色なのだ。
目は鮮やかな茶色で、肌の色は色白くらい。
ほりも深いし、鼻は高い。
うむ…これは謎だな…。
遺伝子とは、強いものだ。
北方領土問題もあるしな…。
北海道ってロシアと案外近いのかも。
ご先祖様を辿って行ったら、
ロシア人が、いるかもしれない。
北海道は、
先住民族が住んでいた日本とは別の国。
そこに、いきなり宝の国であり、
ここは、日本の領土だと、言い張り、
勝手に北海道と名付け日本の領土になった。
そんな宝の国に、こぞって日本全国から、
移住してきて、先住民族を追いやったのだ。
文字の持たなかった先住民族は、言葉も
通じない日本人に言いくるめられてしまった。
森を伐採し、畑を作り、何匹と熊や動物を、
殺して、剥製やら毛皮やら、作り売り、
海の魚を特にニシンや鮭等を沢山奪って、
それも売られて、先住民族は日本人に騙されて、
それこそ、見せ物とされ、売り物にされていた。
それは、酷い差別が根付いているのだ。
今も、北海道では、先住民族をアピールして、
売り物にしているのだ。
もしかしたら、先住民族がロシアと繋がっていて、
それが、私のご先祖様と繋がっているのか?
かあちゃんは、謎の言葉を言う時がある。
アイヌ語だと言っていた。
カムイパポニカアーホイヤ。
アイヌモシリ、パポシリ。
その他にも、何か言っていた。
私には、全く理解出来ない。
理解出来るのは、ラッコとトナカイ。
これは、アイヌ語が由来しているらしいのだ。
そして、これも、
かあちゃんから聞いた話。
驚いたり、びっくりした時に、
思わず口に手を当てる。
それは、
口から魂が、抜け出ない様にする為だと、
先住民族は考えていたのだと語ってたそうだ。
後は、八百万の神様みたいに、
ものの全てに神がいて、それぞれの神様の為に
お祈りの儀式があったのだと言う。
ここで、言い訳させて欲しい。
私は、かあちゃんの話を聞いただけで、
本当は、違うかもしれなのだ。
違ってたら…すみません。
ここで、先住民族はご先祖様に、
いるのではないかと確信めいてしまった。
だが、先住民族とロシア人とは、顔の作りが、
違うと、同室の北海道出身の人は言う。
先住民族は、
毛深く顔の作りは、不思議と、
沖縄の琉球民族に、とても、似ているらしい。
なるほど…とても、興味深い話を聞いた。
うむ…ますます謎が増えた。
両方の血が私の遺伝子にあるのか?
ご先祖様は、両方の人達がいるのか?
やれやれ…ご先祖様よ…。
私は一体どこの誰なのでしょうか?
かあちゃんは、あまり故郷の事は言わない。
なので、深くまで知らない。
たまーに、
物思いにふけた時に、ポツリ、ポツリと、
先程の情報を、語るのである。
私も、
そんなかあちゃんを見てて、
聞き役に、まわるだけで、
割り込んで聞く事はない。
かあちゃんの物思いにふける時は、
寂しさや、悲しさ、辛そうな顔をしているのだ。
だから、私はただそれを眺めて、
かあちゃんを元気づけるしか、方法はなかった。
深く聞いてしまうと、余計に、
かあちゃんは辛く悲しくなってしまう。
そう、思ってしまうのである。
えっと…やはり…これ以上の詮索は、
私の力では…無理だと結論づけました!
なので、私の不器用で、ひねくれ者の性格は、
ご先祖様から、譲り受けたモノですね。
いつか、この世から、天国に行けば、
謎は全て解けるでしょう!
それまでは、おおざっぱに、
私の流れる血は、ただの北海道の血として、
まとめて置いときます…はい…すみません。
いつか、元気になったら…。
産声をあげた、北海道に帰りたいな…。
産まれて、か弱く泣いた場所で、私は多分…。
北海道の空気を吸い、同じ涙を流すだろうか。