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第61回文藝賞応募作は第一次選考通過となりました。

栗山真太朗です。第61回文藝賞は受賞作も掲載している文藝2024年冬号で予選通過作品が掲載されました。


拙作『アンドロギュノスの夏休み』は第1次予選通過作品として選ばれておりました。筆名が「栗本真太朗」となっていますが、これはちょっと気の迷いで名義を試しに変えてみるか、とやってみたら通ってしまったという……。あのなんかすいません、今後そういうことやらないようにします……。
選考に携わっていただいたみなさま、選んでいただいた下読みの方に感謝いたします。


応募小説の概要


精神の危うい中年既婚男性教師が生徒を殺そうとして盗撮したらバレて生徒の奴隷になって仮想通貨詐欺に遭ったりと踏んだり蹴ったりろくな目に合わない話です。

この筋書きをどこかで読んだことはありませんか?

既視感を覚えた方は拙作エッセイ『新潮新人賞の最終候補になると何が起こるか日記』の読者の方です。その節はありがとうございます。
新潮社の編集者であるみどりさん(仮名)に「次はこんな話を書こうと思ってて」と話したら顔を顰められたお話です。それでも文藝のカラーには合っていたのかな、ということでなんとか爪痕は残せました。分からないものですね。

詳しくは当該書籍をお読みいただければと……。なんだこのnoteは宣伝が多いなア。

個人的にはあまり挑戦したことのない「300枚超え」「三人称小説」「マジックリアリズム」ができたので自己満足はできたな、ということもあり好きな小説となりました。正味な話として自分の作風は文藝賞とは異なるのかな、と考えていたので今回の結果はうれしかったです。


執筆期間および投稿日付近の様子


最初から「この話は300枚超えだろうな」という予感はしていたのですが、それでも見積もりが甘かったと思います。

日誌によると、2023年12月上旬からプロットを作成し、12月14日(火)には第1章を書き終えています。同時に第56回新潮新人賞第三次選考作品となった『手のひらに赤』のプロットに着手していたもようです。

そこから平均3〜5枚/日のスピードで進捗し、年が明け、1月、2月と時が流れ、3月4日に初稿が出ました。マジか、と当時はなったものです。いや、カレンダー通りだと順当なんですけど書いてる真っ只中はそこらへん無頓着になっちゃってて。前エントリの通り、それから新潮新人賞応募作品を書かなければ、となっていたので正直あせりました。

小説を書かない人だとピンと来ないかもしれませんが、1日平均3〜5枚/日って、普通に生業に励みつつやっていたら悪くないペースなんですよ。1200〜2000字、メールとかでなくゼロから考えて文章を打つってことですから。

しかしそれでもスケジューリングに余裕がない……、ということは長篇をやる時は前倒し進行するべきだ、と強く思いました。推敲作業は別原稿をやりながらでしたが、主に3月26日〜28日に行い、28日にWEB投稿しています。すぐに『手のひらに赤』の推敲作業に入っていたのでてんやわんやでした。

反省と今後の展開


内容については自分に出したお題に沿ってできたので、次につながるのも見えてある程度習作としては満足しています(もちろん小説という体裁として向上の余地はたくさんありますが)。なにもかもうまくいかないけど最終的になんだかんだで幸せな位置に着地する、そんなことって現実でもたまにあるじゃないですか。本件は犯罪小説ではあるんですけどそこは主眼に置いてなくて。犯罪小説とは別の視点で、そういうのも書いていきたいと思っています。

『アンドロギュノスの夏休み』について、基本的に応募した中長編はストックにしておきたい、という考え方を持っているのですが、インターネット上で「読みたい」という声もいただきましたので、今後需要があれば何らかの形で読めるようにできればと思っています。枚数が多いので実際に本にするか悩みどころです。

いずれにせよ、自分が300枚超えという枚数でもある程度は戦えるとを知ったのは強みとなりました。今後とも小説執筆がんばります。

第55回新潮新人賞で最終候補作品となった小説を新刊として文学フリマ東京39で初売りします。よろしかったら遊びにいらしてください!



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