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けれど幸せ【短歌18首】
リビングでうたた寝をして朝になり朝陽を見てる瞳のひかり
鼻先が冷たく尖ってゆくごとにまっすぐ伸びてゆく冬小道
バスを待つあなたの横を吹き抜ける風になりたくて触れたくて痛い
つららとか初めて見たし濡れてるしマジ寒すぎて愛が燃えるわ
好きだったぬいぐるみたち好きだった人たちみんな「わたし」だったね
靴下が無くなるたびに思い出す愛しき人の無くて七癖
本のこと本当に好きなんですね頁のように凪いでいる人
雨かなと外を見たけど晴れていて私の中の雨音でした
からだごと持て余すようにおふとんとひとしきりふれあった地上絵
数学のどこで躓きどこで立ちどこで飛んでか今宇宙にいる
はじめてのプログラミングわたしたち何を出力したの? 世界に
ゲームでは世界を守り世界からわたしを守り生きてゆく今日
ブロックを固めて作った王国を解体できず怪獣になる
いつもタコ足配線を見るたびにイカの感じが強めと思う
「ルリシジミ、さっきの蝶々。だいぶ前、図鑑で見たの。可愛かったな」
コンビニのおでんの汁をどれくらい貰えばぼくは満たされるのか
パタパタとかろやかに過ぎてゆく日々ばかりではないけれど幸せ
食パンにジャムを塗るのはフォークでも大丈夫だと気がついた朝