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5回目「君たちはどう生きるか」鑑賞(パンフは買いませんでした)

○消えた3人を探し疲れた縁側の父に塔が空から落ちてきた話をする老婆のシーンですが、他人のnoteを読んでると原爆だと言ってる方がおり、空から~の部分はそれで正解と思うので今日はそっち方面を掘ってみます。
池の水が干上がるのは原発のメルトダウンで、建物で覆おうとしたりその過程で沢山人が死んだり(絵では足場が崩れて落下しているがおそらく作業中の被ばくが死因)、完成するのは「石棺」で、これはチェルノブイリ原発ですね。

かねてより本作はナウシカの作り直しという話をしていますが、ナウシカ自身、反原発、核廃絶がテーマであり、より分かりやすく「悪意」という形で描かれているのは「On Your Mark」で、購入すべきは、待たせた割に何も書いていないらしいパンフでなくOn Your Markの収録されたブルーレイ(写真参照)のようです、自分もパンフの購入は見送りました。

○アオサギに導かれ最初にたどり着いたペリカンの居る島、「我を学ぶ者は死す」と書かれた西洋風の門の中に奈良県明日香村の石舞台古墳を模した石の墓のあるシーン、墓の中をうかがうが真っ暗なのでIMAX、ドルビーシネマでの上映館をいくつか回り割り増し料金を支払いましたが、いずれも真っ暗で何も見えませんので通常のスクリーンで良いと思います。
墓の中に安置されている墓の主、この映画における「神」は放射性物質の事で人間ごときが軽はずみに触って良いものではないという表現で、「我を学ぶ者は死す」はラジウムを発見したキュリー夫人が被ばくで早死にした事を指しているとすると腑に落ちます。

漁師キリコがペリカンや真人を墓から遠ざけたのは、墓の主が起きる=被ばくで、船上で真人とキリコがお互いの頭の同じ個所にある同じキズを見せ合うシーンはキズは同じ反原発、核廃絶(または左翼思想)の同志である事の視覚化で、キリコが真人を先導するのは、このシーンでのキリコは高畑勲監督で、導かれる真人は宮崎駿監督の表現ととらえるのが自然です。

○キリコが真人をアオサギに託し見送る際にお守りとしてコケシ風のキリコ人形を持たせ、その後崩壊する塔から逃れ現世に戻った際にも無くさず持ち続けているそれは、高畑監督亡き今でも宮崎駿監督の精神的支柱として高畑監督が機能しているという比喩ととらえられ、この時のアオサギ=鈴木敏夫Pの強烈過ぎて自分がヤラれてしまうとのセリフはそれを裏付けしてるものでしょう。

○真人が大叔父と初対面の際、積み木を確認して1日は大丈夫と言ったのは「終末時計」の比喩で、1日も持つなんて終末時計的には超安全だというのはググってみると分かりました、現状、残り90秒しか無いのだそうです。

○石棺の中の産屋に安置されるナツコがみごもるのは「ファットマン」「リトルボーイ」いずれもヒロシマナガサキで使用された原爆の名で、落とされたのは「夏」!、だ・か・ら、産屋に立ち入るのは「禁忌(タブー)」(トップシークレット)で、インコ大王も大叔父も共に全面核戦争を回避したいという意図は同じで方法が異なっていた(インコ大王は自分たちのみが保有、管理する事で安全の確保、大叔父は管理できるいくつかの大国に拡散させる事で核抑止力が機能し結果的に安全)という事のようです。
この時のナツコはアメリカ(原発を最初に実用化)で、真人はソ連(スパイの力で2番目に実用化)だとすればナツコの拒絶は納得だし、原爆がのどから手が出るほどに欲しいソ連=真人はお母さんお母さんと言って取り入ろうとしている図、そして二人とも被ばくして包帯でぐるぐる巻きになってるという表現、そしてヒコは真人を助けながら真人の希望をかなえて欲しい=「ソ連にも核を持たせろ!」と言ったので気絶させられたという事?
石の中を通るとき「怒っている」との電流のようなビリビリ的表現は放射線の可視化でしょうか?

○インコ大王がヒコを大叔父に届け一緒に歩こうと誘った際、真人に後を継がせたい、との希望をインコ大王に伝え、インコ大王はその場では沈黙し、別れてから部下に世界が滅びると危機感を語り、大叔父(オッペンハイマー)が真人(ソ連)に13の積み木を見せ核開発(マンハッタン計画)を継がせようとした際に「裏切りだ!」と積み木を取り上げたは良いが上手く積めなかった為一刀両断してしまうシーン、真人はキズを見せソ連から宮崎駿=反原発、核廃絶に変化していた為、積み木を拒絶、積み木は東側に通じた「悪意無き」原爆技術者(スパイ)、インコ大王は核拡散、東西冷戦を防げなかった西側に当たり、一刀両断はスパイの処刑はしたものの東側が核を持つに至った描写で塔は崩壊、ググるとスパイ事件は「ローゼンバーグ事件」というらしく、アオサギに大叔父が最初の塔のシーンで「バラ(ローズ)を高所より落としてバラが割れるシーンはその暗喩?アオサギが先導して真人を逃がす際の(石棺=原発内につき)冷却水の海が割れる描写はモーセの十戒で神様の意思で真人を元の世界に戻す=原子力開発には関わらせないという意思の暗喩?

○終戦後に東京に戻る日、実母たるヒコ(戦火、戦争)は焼死(戦争反対)だが、ミリヲタなので父(軍需産業、兵器)は存命、ナツコ(米国)と共に生きる事になり、産まれた弟は「核」で米国の核の傘に入る比喩、今まで宮崎駿はこの家族と共に生きてきたし、終戦から80年が過ぎようとしている現在、戦後に作られた日本を取り囲む構造は本質的には何も変わって無く、「君たちはどう生きるか」に繋がるラストシーンであるととらえると同時に、貴方がヒコ(戦火、戦争)と父(軍需産業、兵器)より産まれた事、及び産まれたからこそ、今後どうするのか?自分が何者なのか再度見つめ返すべきではないのか?との問いかけのようにも感じました。

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