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男飯「だて正夢」

計量カップがない!


年末の大掃除を前倒して、先月から少しずつはじめてきたお陰で、随分部屋からモノが無くなった気がします。はじめたばかりのメルカリも意外と順調で、少しばかりの小銭が手に入った。


近頃ちょっぴり心のゆとりができたのか、ご飯を炊いてみたくなったのです。収納の奥から引っ張り出してきた炊飯器。実に5年ぶりの再会です。


「やぁ、元気だっったかい」
久しぶりの再会だった。最後に会ったのは仙台に住んでいた頃か。
あれから暗い段ボールの箱に入れっぱなしだったね。ごめん。


最近、仕事関係者からお礼として送られてきたお米が2kgある。
「だて正夢」という銘柄だ。聞いたことないな、新種のお米なのか。
「だて正夢」、、、何故だか、この響きがすこぶる心地よく、目が回わるくらい忙しい年末の業務も、ふっと忘れてしまいそうになるんです。


どれどれ、どんな味がするんだろう。
ということで、いてもたってもいられなくなり5年ぶりに引きずり出してきたのです。


でも、計量カップがない。男断捨離祭りの時に捨ててしまったんだろう。
まぁ、良いか、大体の目分量で行ってまえ。


5年ぶりに綺麗に水拭きをして、中の窯だけでなく上蓋もピカピカになった。何処となく生まれ変わった炊飯器もご機嫌そうに見える。


よーし、行ったれ。
手のひらに1合くらいのお米を取り、無造作に炊飯器の窯に放り込んだ。
水でピチャピチャと5回くらい洗米し、目分量の水を加えポチッとスイッチを入れた。5年ぶりだが果たしてご機嫌よく作動するのか。


しばらく見ていても作動しているのか分からない。
シーン、
でも、オレンジ色の電気がついているから大丈夫だろう。


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数十分後にピーって僕を呼ぶ音がする。
炊けたんだ!


嬉しさのあまりにキッチンに飛んでくと、お米の匂いがする。
よく知っている匂いなんですが、一人暮らしの自宅では久しぶりすぎてプチ感動している。


自宅で米が炊けた。
僕だって米が炊けるんだ。
米を炊く事なんてそれほど難しいことではないはずですが、僕にとっては大冒険なんです。


ドキドキ


恐る恐る炊飯器を覗き込むと、暖かい湯気とともに元気な白米が並んでいる。目分量で炊いた「だて正夢」は見事に炊き上がっている。


やったー!


計量カップがなくて、全集中の呼吸で臨んだ炊飯作業。
しかし、炊き上がって気づいたことがある。
しゃもじが無い。それと、おかずも無い。


おかずを買うのを忘れていました。
トホホ、、、


茶碗に盛ることもできなかったので、今日は炊飯器をじかで使っちゃえ。「だて正夢」だけの男飯!


うまっ!!


今夜は弁当でもウーバーイーツでもない。
たこ焼きでもピザでもない。


窓の夜景を眺めながらジーンと「だて正夢」の味を楽しんでいる。
日本人でよかったぁ。



最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
素敵な冬を堪能しましょう。⛄️


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