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石巻産のミヤギシロメが美味しいっ!

 これまで、フードエッセイでは魚や水産加工品を紹介することが多かった。
 しかし、私と夫には魚の他にも共通して好きな食材がある。
 それが、豆である。

 夫は自他ともに認める枝豆好き。
 びっくりするほど食べる。
 サヤから吸い込むように食べる。それはもう、清々しいほどに。
 夏の間、お買い得な枝豆を見つけるたびに買い求めていたが、大きなざるに山盛りになるほどの量を一度に塩茹でしても、食べきれずに残るということは一度も無かった。

 一方の私は、煮豆好き。
 甘い煮豆はもちろん、おつまみ用に塩茹でした青大豆や鞍掛豆、干し椎茸や蒟蒻と一緒に醤油で味付けした五目大豆も全部大好き。子供の頃、お正月用の黒豆をストーブで二日間かけて煮る際には、何度も味見をせがんで母親に笑われた記憶がある。実家を離れて一人暮らしをしていた間も、年末に大きな鍋で黒豆を煮ることだけは欠かさなかった。一人暮らしなのに。

 そんな、豆大好き夫婦の我々が、先日所用で石巻に出かけたついでに立ち寄ったのが、いしのまき元気いちば。

 石巻の新たな魅力をみなさまにお届けするため、「川湊石巻」にふさわしい北上川沿いに「いしのまき元気いちば」は完成しました。
 当市場は石巻ブランドをまるごとみなさまにお届けできるよう、旬の鮮魚、水産加工品から、農産品、地元の物産品、三陸地域や震災復興応援地域の特産品などを豊富に取り揃えております。
 また2階には約140席のフードコートもあり、石巻の旬をその場で味わえます。

「いしのまき元気いちば」ウェブサイトより


 海の幸も農産物も豊富に並んだ店内で翌週分の食材をまとめ買いする中、農産物コーナーの一角で見つけたのが、宮城県産の大豆「ミヤギシロメ」だった。
 宮城の特産品でもあるこの大豆は、宮城県農政部食産業振興課が運営するウェブサイト「宮城旬鮮探訪」でも紹介されている。

大粒で甘みのある大豆の優良品種「ミヤギシロメ」
宮城県生まれの高級品種


豆腐の原料や和菓子、煮豆など幅広く用いられ、えぐみが少なく柔らかな香りと甘みが特長の大豆です。
「ミヤギシロメ」は宮城県発祥の在来種で、現在はほとんど県内でしか栽培されていません。

「宮城旬鮮探訪」ウェブサイトより引用

 ミヤギシロメのおからを使ったお惣菜は、地元のウジエスーパーでも毎日扱われており、我が家でもこれまでに度々買ってきて美味しくいただいていた。
 けれど、考えてみたらミヤギシロメそのものを味わったことは無かったかもしれない。
 野菜やお魚とともに、ミヤギシロメも300kgのものを一袋購入して帰宅した。
 大粒の大豆は、見た目も美しく美味しそう。まずは、一袋の半量ほどをザルに入れてさっと水洗い。水を切ったらタッパに入れ、あらためて豆の倍量の水を注いで冷蔵庫へ。調理する日を楽しみにしつつ、一晩たっぷりと水を吸わせる。
 そして、翌日。
 タッパの中で一晩たっぷりと水をすった大豆は倍ほどに膨らみ、注いであった水はほとんど残っていないほどだった。ふっくらつやつやと光る大豆を鍋に入れ、豆がひたひたになるくらいの水を注いで火にかける。
 アクをすくいながら煮る事、30分から40分ほど。
 まだほんの少し歯ごたえが残るくらいの食感になったところで、味付けは酒と醤油とみりんをそれぞれ大さじ1~2杯。初めてのミヤギシロメなので、今回は敢えて他に根菜や椎茸などの具材は加えず、味付けもあっさりと仕上げてみた。

昨夜の晩酌風景

 甘みたっぷり!
 初めてのミヤギシロメは、新鮮な枝豆の味わいをさらに濃厚にしたような美味しさだった。
 枝豆好きの夫も大満足。
 これまで、新鮮な枝豆が手に入らない時期には青大豆や鞍掛豆の塩茹でをおつまみに加えることが多かったけれど、これからはミヤギシロメもおつまみとしてリピート確定である。

 ちなみに昨夜のお魚は、仙台市泉区のショッピングモールで買い求めた福島県産のノドグロの開きとメヒカリ。ノドグロはそのまま焼いて、メヒカリは前夜唐揚げにした際にタマネギと一緒に甘酢漬けにしておいたもの。どちらも美味しかった。
 野菜は、石巻で買ってきた名取産の小松菜。石巻の丸平かつおぶしさんのかつお節をたっぷり和えて、美味しくいただいた。
 仙台・横山蒲鉾店さんのかまぼこも美味しい。
 昨夜も、地元食材で美味しく幸せな晩酌のひとときを過ごした。


 ちなみに石巻で買ってきたミヤギシロメは、まだ半分たっぷりと残っている。
 乾燥させた豆は、生鮮食品と違って常温で長く日持ちするのもありがたい。
 次は五目大豆にしてみようか、それとも茹でたものをそのままポン酢でいただいてみようか。楽しみは尽きない。
 宮城県が誇る美味しい大豆。
 これからも、美味しくいただこうと思う。

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